ひっそりとこびりついたあじ
わたしの一番小さい時の写真は
居間らしき部屋の座卓で
ちょっとモダンでポップな少女人形が収められた筒状のケースに
右手を添えて照れくさそうに笑っているポートレート
おそらく3・4歳だろうか
目はまんまるで大きく坊ちゃん刈りで日に焼けたように黒く
(まるで「ちびくろ・サンボ」のようだと言われていたような記憶がある)
ギンガムチェックの上着…
当然まだ白黒の写真だ
兄や姉たちのように赤ちゃんからの写真が
なぜか末っ子のわたしだけが無かった
そして臍の緒もわたしのだけがやはり無か