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VTSで鑑賞してみた #002 ベラスケス: ブレダの開城

プロトマニアの講座でも観て、気に入ったので自分の会社のVTS会でも第2回目のテーマとして取り上げたのはベラスケス「ブレダの開城」だ。

セザンヌ礼讃以上に登場人物も多いし、服装だったり視線だったりで妙に気になる人物が多い。それだけに観れば観るほど発見の多い作品だと思う。

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おそらく主人公と思われる二人。右の人物は首の周りにヒラヒラしたのがついてるし、金で装飾された甲冑を着ているし将軍的な立場の人物だろう。望遠鏡も持ってる。左の人物は部下で、何かの捧げ物を持ってきたのに対し、労いの言葉をかけているのかな。

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ヴァリエーション豊かな武器を抱えた左側の人物たち。ライフルらしきものを抱えた人物が、すごいカメラ目線である。よく見ると彼の帽子の向こうに見えてる人物も「何見てんだよ」的な視線を投げかけてきている。会社のメンバーからは「このグループで一番偉いのは白い服を着た若者では?」との声も上がる。背景には黒煙がたなびいることもあって、場面は戦場なのだとわかる。

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襟がフワフワしてる右側の集団。またもカメラ目線。服装もだが、武器が同じ槍で統一されていて左側の集団とは敵対関係なのかな、とも思えてくる。こっちが政府軍でゲリラの鎮圧に出兵してきたとか。そうすると将軍の労ってる風情がよく分からなくなってくる。

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黒煙と白煙がたなびいてる背景。手前の人物たちに比べると案外あっさりとした筆致だ。印象派ぽくもあり、最初観た時は1800年台の作品だと思ってしまった。

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やたら存在感のある馬(の尻)。なぜここに馬を置くのだろう?右側のおしゃれ集団の服装が見えなくなってしまっている。そしてまたカメラ目線...この白い帽子の人物はベラスケス本人だと言われている

02 Velázquez - de Breda o Las Lanzas(1635)のコピー

全体を見てみると、敵対していた軍同士の会見とは思えないような、中央ふたりの雰囲気。これは右の将軍スピノラと交友関係にあった、ベラスケスの思いが醸し出しているのでは無いだろうか。

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