【対談】20代若手プロジェクトマネージャーたちが語る、仕事・役割と今後
今日は、新卒で入社後3年目~5年目と比較的早いタイミングで「プロジェクトマネージャー(PM)」という役割を担うことになった社員に集まってもらい、PMになったキッカケや実際の仕事、日々の業務の中で感じていることなどについて、語ってもらいました。
【対談参加者】
野球少年A : 2018年入社、新卒5年目。趣味は野球で、週の半分以上は素振りとバッティングセンターで汗を流している。
みねらる : 2018年入社、新卒5年目。趣味はラグビー/野球観戦で、会社近くの秩父宮競技場/神宮球場によく出没。
TK : 2019年入社、新卒4年目。趣味はサウナで、週に1回は行っている。
聞き手 : 採用チーム(あ)
それぞれのプロジェクトの体制とPMの仕事
ー今日はありがとうございます。まず自己紹介を兼ねて、みなさんが所属するプロジェクトとその体制について教えてもらえますか?
みねらる では自分から・・・。自分は2つのプロジェクトのPMを兼務しています。そこでは、『バスNAVITIME』『ALKOO』『ALKOO for Business』の3つのプロダクトを見ていて、体制としてはエンジニアが合計で8名、デザイナーが2名、品質保証が2名、ビジネスプロフェッショナル(※1)が1名、という体制です。
※1 ビジネスプロフェッショナル : マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスなどを担う役割
野球少年A 私のプロジェクトでは、通信キャリア様と協業で開発・提供している徒歩で移動される方向けのWeb版ナビゲーションサービスと、アプリのルート検索機能の開発を担当しています。エンジニアは自分を含めて7名、デザイナー3名、という体制です。
TK 僕が担当しているのは『乗換NAVITIME』を開発するプロジェクトです。その他に、海外の公共交通機関の乗換案内ができる『NAVITIME Transit』も見ています。エンジニアが4名、デザイナー1名、品質保証1名という体制です。
ーみなさんそれぞれ、PMも務めながら開発もするプレイングマネージャー的な立ち位置なんですね。それぞれのプロジェクトで異なるところもあると思いますが、共通する「PMの仕事」と、共通しない「ならではの仕事」を教えてもらえますか?
みねらる 共通する部分でいうと、以下の5つですかね。
・開発案件のスケジュール/進捗管理
・プロジェクトメンバーの人員調整
・プロダクトの要件定義の最終的な決定
・グロースハック(※2)
・メンバーへの共有
名称は「プロジェクトマネージャー」ですが、サービス開発をしているプロジェクトであればその方向性を決める「プロダクトマネージャー」の役割も含んでいることが多いと思います。
※2 グロースハック : サービスや製品を成長させるためのデータや情報収集、その解析、改善・成長のための仮説・施策の立案から実施、検証までの一連のプロセスのこと
野球少年A 私のプロジェクトならでは、というところだと協業先の通信キャリアの開発者の方々と一緒に開発をしたり、グロースハックに取り組んだり、という部分ですかね。
みねらる 自分は担当しているプロダクトの中に法人向けサービスがあるので、クライアント企業とのやり取りが発生するというのが、ならではのところです。
TK 僕の場合はto C向けサービスの担当なのでクライアント企業はありませんが、外部サービスとの連携をすることがあるので、プロジェクトマネージャーとして社外の方とのやりとりをすることは、稀に発生したりします。
業務の中で意識していること
ーPMという役割を担う中で意識していることはありますか?
みねらる 担当しているプロダクトはto C、to Bどちらもありますが、to Bの方がスケジュールがシビアになることがあるので、メンバーとコミュニケーションを密に取ることを意識的にしています。特別なことではないかもしれませんが、必ず顔を見ながらコミュニケーションを取り、いつもと違う感じを受けたら時間を延ばしたり、より丁寧に会話を進めたりします。あとは事業責任者と毎日30分以上は話すことも意識しています。小さな事業だからこそ、コミュニケーションを強く意識しています。
野球少年A 30分どころか、ずっと一緒にいるように見える(笑)
TK 僕は目的や仮説の共通認識を作ることを意識しています。必ず言語化して「なぜやるのか」をハッキリさせるようにしています。僕自身も開発者として手を動かしている分、全てに目が行き届かなくなってしまうこともありますが、それでも目線合わせができていれば迷いやズレも発生しづらくなります。
野球少年A 私も同じです。四六時中見る、というのは無理なので任せることが必要になりますが、もし方向性がズレていると後で大変なことになりますよね。
TK 前に目線合わせができていなくて失敗したことがあって。スマートフォンアプリの開発だと、iOSとAndroidという2つのプラットフォームがありますが、OSの特徴によって同じサービスでも少し仕様が変わったりします。その失敗というのが、iOSの挙動とAndroidの挙動がズレてしまうというミスで、一度出来上がったものが作り直しになってしまいました。それ以来、共通認識づくり、言語化をより強く意識するようになりました。
ーコミュニケーション、目線合わせ、共通認識、言語化、このあたりがキーワードですね。ナビタイムジャパンは、必ずしも年次や経験、技術力などがプロジェクト内で最も高い人がプロジェクトマネージャーを務めているわけではないですが、その点では何か意識していることはありますか?
野球少年A 今のプロジェクトでは、メンバーの意見を引き出すコミュニケーションを常に意識しています。
私のプロジェクトのメンバーは、知識・経験が豊富で自分よりも社歴が長いメンバーがほとんどです。PMになった当初は「PM=指示を出す人」という固定観念と知識の浅さから空回りして、プロジェクトにも迷惑をかけてしまったことがありました。その経験以降、他のPMに相談したり、マネジメントに関する書籍を読んで勉強したりして、今のプロジェクトに合った方法を模索していきました。今は指示を出しつつも、自分の考えを叩き台として、「どう思いますか?」とメンバーに問いかけることを常に実践するようにしています。年長のメンバーから的確なアドバイスも貰えますし、加えて経験の浅いメンバーにとっては学びにもなり、チーム全体の成長に繋げられていると思います。
PMを目指したキッカケ
ー就活中の学生のみなさんと話していると「将来はPMを目指したい」ということを本当によく聞きますが、一方で「PMになりたい」という気持ちが先行して「PMになってどうするのか?」というところまで考えられていない人もいらっしゃるように感じます。みなさんはどうでしたか?
TK 僕も就職活動中の面接で「PMになりたい」と言っていたと思いますが、今改めて考えると、「エンジニアとしてガンガン開発をしたい」というよりも、「サービスづくりに携わりたい」という気持ちが強かったのではないかと思います。「PMになりたい」というのも、「マネジメントの立場になれば、手を動かすだけでなく新機能などの企画にも携われるのでは?」という考えがあったからです。ただ実際に入社してみると、ナビタイムジャパンは全社員の約8割がエンジニアという環境で、エンジニア、デザイナーといった役割によらず、みんなでアイデアを出してカタチにしていく体制になっており、想像以上でした。
みねらる 自分も就活中に「将来はPM」と言っていたと思いますが、入社当初は技術的についていくのがやっとだったので、それほどアイデアを出したりはできませんでした。2~3年目になって、徐々に力がついてきたときにいろいろ意見を出せるようになっていたので、「どうしてもPMになりたい」みたいな感じではなかったです。
野球少年A 私もPMをやりたいという気持ちは元々ありましたが、それが途中からより一層強くなったという点では、二人と違うかもしれません。学生時代に部活でキャプテンをやったり、何かと前に出る、引っ張る機会があったこともあって、漠然とPMを目指したい気持ちはあったのですが、同期や後輩が自分よりも早いタイミングでPMになったのを見て「悔しい」と思ったんですよね。そこから「どうしたら会社に貢献できるか?」という視点で物事を考えるようになりました。
ー同期や後輩がPMになって、仕事に対する考え方や視点が変わったのを感じると、どうしたって意識しますよね。二人はエンジニアの立場からサービスのアイデアを出すということで当初やりたかったことはできていたのかもしれませんが、なぜPMを目指すことになったのですか?
TK 僕も1年目は目の前の開発に没頭していた感じでしたが、徐々に力がついていく中で、より明確に「サービスを成長させたい」と考えるようになりました。そこからPMになって自分が何をやりたいのかがハッキリしたと思います。PMになることで仕事の範囲が広がって、よりいろいろなアプローチでサービスを成長させることができる、と考えるようになりました。
みねらる 自分の場合は、新規のプロジェクトが立ち上がるタイミングで「やってみない?」と声をかけてもらったことがキッカケなので、就活時点では「PMやりたい」とは言っていましたが、実際は「PMをやりたくてPMになった」というわけでは正直ないかもしれません。ただ実際になってみると、もちろん責任は伴いますが、裁量をもって自分で判断し動ける、というやりがいを感じるようになりました。
ーなるほど。それぞれ違うことを考えながら、PMになったんですね。三人ともそれほど社会人経験が長いわけではない中でPMになったと思うんだけど、なる前・後で変わったことはありますか?
野球少年A PMになる前は自分の仕事で精一杯、周囲の人の仕事をちょっと知っている、というレベルだったように思います。その仕事が何につながるのか、社会とどうつながっているのか、ということまでは考えられていなかったです。PMになってからは、目の前の開発案件の背景、それが社会にどう役立つのか、という視点で物事を考えるようになりました。視野が広がり視座が上がったと思います。
みねらる 以前は自分の事業のことしか考えられていなかったと思います。PMになってからは、会社全体の視点で考えるようになりました。例えば、自分たちのプロジェクトで対応ができないと判断した場合でも、会社全体のメリット、ひいてはその先の社会やユーザーのことを考えて、他のプロジェクトで別のカタチで実現ができないか、という話をするようになりました。他のプロジェクトのことも念頭に置いて、横のつながりをより強く意識するようになりました。
TK 僕は成果を出すということに対する考え方が変わったように思います。目の前の開発に没頭していたときは「作って満足、モノづくり楽しい」で止まっていましたが、PMになってからは「チームとしてどう成果を出すか、目標達成していくか」「プロダクトとして成長させていくには?」を意識して動くようになりました。
ー話を聞いていくと、仕事に対する考え方や取り組み方が非常に大きく変化したように感じますが、それはある時パチッとスイッチが入るような感覚でしたか?それともグラデーションがあってジワジワと変化していくような感じでしたか?
みねらる どちらかというとスイッチが入ったという方が近いかもしれません。新しく立ち上がった事業ということもありましたし、その中でto B向けサービスに携わるようになったことが、全社視点を持つキッカケでした。自分たちの事業だけでは対応できなくても、お客様のためにナビタイムジャパンとしてなんとかしたい、という考えになりました。
野球少年A 私はジワジワ変化だと思います。先ほども少し触れましたが、PMになった当初、他の方に相談したり、マネジメントに関する本を呼んだり、インプットを増やしていくうちに、徐々に変わっていったように思います。
TK 自分もジワジワ変化していったと思います。PMになったばかりのときは、よく分からないことも多かったです。ただ、分からないなりにインプット→アウトプットを繰り返していくうちに、気づいたら視野が広がっていました。壁に当たる→困ってインプットを増やす→アウトプットが出せ低成長する、の繰り返しです。
ーそれでは最後に、三人がこれからやってみたいことについてお話ししてもらえますか?
みねらる 私がいるプロジェクトは、私よりも年下のメンバーが多いので、誰もがPMができるくらいになって欲しいという想いがあります。なので、PMはこういう存在、役割だよ、をお手本として見せられるようになりたいです。そしてメンバーに「この人みたいになりたい」と思ってもらえたら嬉しいです。
野球少年A 私のプロジェクトでは、「全員PM」というスローガンがあります。役割や立場に関係なく、全員が個人視点ではなく会社視点・社会視点を持って「何が課題なのか」「何のためにやるのか」を考え、素早くアウトプットに繋げられる組織にしたいです。加えて、個人的な目標としては事業責任者、ユニットリーダーを目指しています。今後、ビジネス視点、お金のことなどの知識のインプットをこれまで以上に増やして、社会全体が幸せになるようなサービスを生み出していきたいです。
TK 新しいサービスを立ち上げたいと考えています。現在担当している『乗換NAVITIME』は歴史もあり、ユーザー数も多いサービスです。それはそれでやりがいも大きいですし、責任も伴う仕事ではあるのですが、全くゼロからサービスを立ち上げる、という経験もすることで、自分の引き出しを増やしていきたいと思っています。
ー今日はありがとうございました!