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25.脳の排出について

脳にリンパがあるとわかったのはほんの10年前。
まだまだ未解明の分野で排出の機能や脳髄液のグリンパティックシステム(glymphatic system)は、どのように作用しているか徐々に説明してゆこうと思います。
脳内の老廃物を除去するための重要な役割を果たしている仕組みで、脳の健康を考慮するために重要なシステムです。

  1. グリンパティックシステムの仕組み
    リンパティックシステムは、脳内で脳脊髄液(脳脊髄液、CSF)と間質液(脳組織間を満たす液体)が交換される過程を利用して老廃物を排出します。システムがほとんど存在しない脳内で、代わりにリンパ系のように機能する仕組みとして働いています。

  2. 老廃物の除去経路
    このシステムは、以下のような経路で脳内の老廃物を排出します。

脳脊髄液の流入: 脳脊髄液が血管を包むグリア細胞(脳のサポート細胞)の隙間を通って脳内に入ります、間質液と入ります。

老廃物の回収: ジャンル合わされた間質液は、脳内で老廃物を取り込みます。このプロセスにより、アミロイドβなどの不要なタンパク質や神経活動の副産物が集まります。

老廃物排出: 老廃物が含まれた液体は脳の表面に移動し、グリア細胞を介して脳外に送られます。この排出には、頭蓋骨周囲のリンパ系が関与し、体内にある他のリンパ系と連携して最終的に老廃物が排出されます。

3.グリンパティックシステムの働きと睡眠の関係
グリンパティックシステムは特に睡眠中に活性化され、脳内の老廃物除去が効率的に行われます。研究によると、深い睡眠に入ってグリンパティックシステムの流れが促進され、老廃物が集中的にこのため、睡眠不足や質の悪い睡眠が続くと、老廃物が一時し、認知機能や脳の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

4.グリンパティックシステムの重要性
このシステムが正常に機能することで、脳内の不要なタンパク質が効果的に除去され、神経細胞の健康が維持されます。 これにより、アルツハイマー病などの神経変性疾患のリスクが軽減され、記憶力や認知機能の維持に最適と考えられています。

5.老廃物除去の課題と研究
グリンパティックシステムはまだ研究が進んでいる分野であり、成人や特定の疾患でこのシステムがどのように変化するかも注目されています。また、グリンパティックシステムを促進する方法として、質の高い睡眠や適度な運動が有効と考えられており、今後の脳の健康維持や認知症に向けた新たなアプローチとして研究が進められています。

グリンパティックシステムは脳の老廃物を効果的に除去し、脳内環境を整える役割を担っています。

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