①フィールドホッケーって、これ(網を頭の上で振るジェスチャー)ですよね?
タイトルのやり取りをしたことのあるホッケープレイヤーはむちゃくちゃ多いと思います。
それでね、答えるんです。
「それは多分、ラクロスですね。」
私も過去、美容師さんとか、会社の飲み会とか、初めて会った友達の友達とか、至る所でこのやり取りをしています。
ちなみにこれは、必ず、第一関門の「アイスじゃない方です!」を突破した後の会話です。
そして一通り競技の説明をした後に、「それで、なんでラクロスやり始めたんですか?」と言われたことも一度ではないです、本当に。笑
日本においてはマイナーなスポーツなので、しょうがないと思う反面、ホッケーだラクロスだ言う前に、そもそもスポーツに興味がない人の場合もあるので、説明してもなかなか覚えられないんだろうなーとも思います。
これまで書いてきた通り、スポーツ博愛主義者の私ですが、ホッケーは一番時間を費やして練習して、試合して、悔しい思いをして、仲間や至高の喜びも得て、選手だけじゃなくコーチや監督としても関わって、コミュニティや人脈も広がって、と楽しんできたスポーツなので、思い入れがあります。
そういう訳で、今日はホッケーについて語ってみたいと思います。
まず、、
世界におけるホッケーファン人口は何と、サッカー、クリケットに次いで、第3位です。
野球やテニスやバスケやバレーやゴルフを差し置いて、3位。
でもこのランキング、ちょっと残念なのが、ホッケーが3位って事よりも、2位のクリケットって何?の方が気になってしまうこと。
サッカーは納得の1位だとして、クリケット2位??
あ、ホッケーは3位なのね。くらいのテンションになってしまいがち。
しょうがないのでホッケーより先にクリケット🏏について少し説明すると(私もそこまで分かってないのだが)、
打者がバット(平べったい、細長いデカい羽子板みたいな)を持って、ボールを投げる投手と対峙します。そうすると、野球みたいな感じかな?と思っちゃうんですが、
実はボールをバットで打つことが重要な訳ではなく、バッターの後ろに刺さってる3連になってる棒を守ることが大事で、
棒に当たることを防ぐためにボールを打つプレーがあり、打つ範囲は360度どこでもOKで、そして試合はなんと数日間にも渡って繰り広げられる、、みたいな感じです。
詳しいルールは自分で調べて貰えばと思いますが、、
クリケットとホッケーはルーツという意味では似ています。
両方ともイギリス発祥で、その昔、大英帝国が世界に領地を広げていく中で広まっていったスポーツです。
その為、クリケットが盛んな国はホッケーも盛んだったりします。
イギリス、オーストラリア、インド、ニュージーランド、、これらは全てクリケット及びホッケーが盛んな国です。
ホッケーが盛んな他の国には、圧倒的にオランダ、そしてドイツ辺りが名を連ねるかと思います。
ちなみに私が今住んでいるシンガポールも昔は英国領だったので、ホッケーは体育でやるようなポピュラーなスポーツです。(クリケットもポピュラーです。)
そんな、世界では実はメジャーなスポーツなので、、
ホッケーやってるんですー、マイナーなので知らないですよねーとか言うと、オリンピック競技になると良いですね!というコメントを貰ったりするのですが、、
すでにオリンピック競技です😂
男子は1908年から、女子は1980年からオリンピック競技です。
オリンピック2020(2021)で表彰台に登った国は、
男子がベルギー🥇、オーストラリア🥈、インド🥉
女子がオランダ🥇、アルゼンチン🥈、イギリス🥉
です。
日本もちゃんと出場しています。
女子は2004年のアテネから5大会連続出場、男子はなんと1968年のメキシコ大会以来の53年ぶりの出場でした。
残念ながら両チームとも予選リーグ敗退に終わってしまったのですが、強豪国相手にしっかり得点をしたり、試合中、ペースを握る場面もあったりと、かなりアツい内容でした。
ちなみに2021年12月現在の世界ランキングはこちら。
さて、ホッケーは意外と世界的には人気なスポーツということが分かったところで、、
説明していきます。
私は人に聞かれたとき、とりあえず
「サッカーの、道具を使う版みたいなスポーツ!」
と言ったりします。
ホッケーは、サッカーと同じように芝のフィールドで、11人制で、ボールをゴールに入れて得点するゲームです。
大きく違うのは、足じゃなくてスティック🏑を使うこと。
ボールは、アイスホッケーで使うようなパック(平べったい円盤)ではなくて、ゴルフボールを大きくしたみたいな見た目の球です。
大きさ、硬さは共に野球の硬球くらいかと思います。(野球ボールより硬いかな。)
フィールドの広さはサッカーよりひと回り小さくて、縦91.4m✖️横55m。
なんか中途半端な長さだなと思った方、、合ってます。
英国発祥のスポーツなので、元々はヤード表記だった為、メートル表記にするとちょっと微妙な長さになっています。
ヤード換算すると縦100yd✖️横60yd。
サッカーともう一つ大きく違うのは、ゴールの周りに半円のラインが引かれていて、この半円の中から打ったシュートしか得点にならないことです。
つまり、ロングシュートはないです。
ただ、半円の中(サークル)でワンタッチすればOKなので、自陣のすごく遠いところから長ーいパスが来たのを、ゴール前でちょんと触って(スティックで)ゴールに入れば、得点になります。
https://www.hockey.or.jp/rules/hockey/kaisetsu/
試合時間は、15分クオーター(15分✖️4、合計60分)。
ちなみに、普通に走ってプレーします。
アイスホッケーのイメージがあるからか、「え!ローラースケートとか履かないの?」と言われたことがあるので、念の為にお伝えしておきます。(ちなみにローラーホッケーという、ローラースケートを履いてプレーするホッケーも別競技としてあります。)
では、ざっくり概要が分かったところで、、
話していきたいと思います。
何を魅力に感じるかは人によって違うと思いますが、、4点、挙げさせて頂きます。
①美しい連携プレー
私は、上手く連携プレーが出来た時が一番嬉しい、且つ、観ていても美しいなと思います。
サッカーのことをBeautiful gameと言ったりしますが、ホッケーも素晴らしい連携プレーを見ると「うつくしー!!」と感じます。
例えばこんな感じ。
美しさ、共感できるでしょうか?
②華麗な個人技
個人技と言っても、スティック捌き(ドリブル)、フェイクの掛け方、ストロークの技術など、道具を使うスポーツだからこその幅広さがあります。
誰も思いついて無かったようなスティックの使い方だったり、完全にやられた!というようなフェイクだったり、凄まじい強さの打球だったり、
選手のセンスや得意分野は様々ですが、私は3Dスキルと言って、球を浮かすドリブルでDFを抜くプレーを見るとめっちゃかっこいい!と思います。
ちなみにスティックは、アイスホッケーと違って片面しか使えない(片面しかボールを触ってはいけない)為、
持った時にスティックの使える面が正面になる右サイドをストロングサイドと呼び、一般的に「右攻め」が有利と言われたりします。
ルール概要のところで触れそびれましたが、スティックは長さ36インチ程度、材質はカーボン(昔は木)でめっちゃ硬いです。
③スピード感
トップ選手だと、シュート時のボールのスピードは時速160キロ出ると言われたりします。
でもホッケーでボールを思いっきり打つのはシュートの時だけではありません。
長いパスを出したい時も思いっきり、めちゃくちゃ速い球を打ちます。
なので、上手くパスが通ると、自陣深いところから相手陣地まで1秒で展開できます。
もちろん、拮抗する実力のチーム同士であればそんなに簡単にボールは通りませんが、上手くフェイクが通じた時、一瞬マークを外してしまった時、走り負けした時など、トップチーム同士の試合でも、ロングボールが通ることはままあります。
ホッケーはロングシュートはありませんが、サークル(半円)の中でワンタッチでもすればゴールになるので、上手く行けば、3秒で得点が入ります。
その為、たとえ3点差で最後のクォーターを迎えても、残り15分もあれば逆転の可能性は大いにあります。
(ホッケーのスコアはサッカーと大体同じ感じと思って頂ければ良いですが、ボールスピードがより速い故に、実力差があると二桁台の得点もあり得ます。)
試合終了のホイッスルが鳴る、最後の瞬間まで勝負は分からない。それは観戦者にとっても選手にとっても、ワクワクドキドキ要素だと思います。
それを正に実感したのが、2018年アジア大会(ジャカルタ開催)の男子決勝、日本代表vsマレーシア戦。
試合残り9分の時点で2-5で負けていた日本代表ですが、最終スコアは何と6-6!
試合はシュートアウト(試合が引き分けの際に勝敗を決めるPK戦的なもの)へ進み、日本代表は劇的な優勝を掴みます。
是非動画でみてほしいのですが、残念ながら見つけられず、、藤本一平くん(元代表、解説者)の臨場感あふれるブログをリンクします。
最後に、、
④セットプレー(ペナルティコーナー)の多様さ
サッカーには、特定のエリアでファールがあった時や、悪質なファールがあった時に、フリーキックやペナルティキックというセットプレーがあるかと思いますが、ホッケーも似たようなルールがあります。
サッカーのフリーキックに相当するのがペナルティコーナー、ペナルティキックに相当するのがペナルティストローク、って感じかと思います。
ペナルティコーナーは、サークル(ゴール周りの半円)の中でDFが反則してしまった時に起こります。
これはどんな試合でもかなりの確率で発生し、大きな得点チャンスとなります。
王道なのは、サークルトップからのヒットやドラッグフリックです。
言葉で説明するのも難しいので、動画どうぞ。
ストレートのヒットやドラッグフリック以外のパターンはバリエーションと呼ばれて、端っこの選手もふんだんに投入されます。
私はバリエーションの方が見ていて興奮します。笑
…
さて、ざっくりとホッケーの概要や魅力について書いてきましたが、少しでも琴線に触れるものがあれば幸いです。
だいぶ長くなってしまいましたが、書いていたら気分が乗ってきたので、勢いに乗ってこのままホッケーについて語るシリーズをしばし続けたいと思います。