カーテンひとつ
「なんか、部屋が氣にいらねぇ」
その原因を探ってゆくと、
「カーテン」にたどりつきました。
引っ越した初日、赤の他人から
「カーテンぐらいさっさとつけなさいよ。は?まだ買ってもないの?バカなの?ふつう一番に買うでしょ」と言われたことを氣にして、近所の量販店にあったものを買ってきて取り急ぎつけたまったく氣に入っていないカーテン。
氣がつけば
十余年も使っているではありませんか。
ぎゃー!無意識ってこわい……!!!
忘れていたのではなく、
「思い出したらむかつくから思い出さないようにした」のだと思います。
その結果、
「顕在意識ではすっかり忘れている(あるいはどうでもよくなっている)」のですが
「潜在意識レベルでは覚えてるし、氣に入っていないし、絶対に許さんッッ」と思っているから
「なんか、部屋が氣にいらねぇ」
となってたんだなぁ、と。
いやそりゃそうよね。笑
「カーテンを他人につけろってうるさく言われたから別に好きな色柄でもないけど、店に在庫のあったものを適当に買ってきて仕方なくつけました」って。笑
他人が何を言うかは他人の勝手で、
それにいちいち従わなくていいのに。
今から思うと当時は
「他人から言われる些細なこと」に
イラッとしたり悲しくなったりしながらも
その自分の感情を自分で無視して、
「あの人はわたしのためを思ってああ言ってるんだから」
と自分に言い聞かせ(←よくやってた♡笑)
「いちいち(自分の意に反して)実行」してきたことがよくわかります。
わたしは他人の目ばかり氣にしてたし、
他人のために生きていたのです。
いやー、わたしもちょっとずつ成長しているようです。よかったよかった。
少なくとも今のわたしは前より「ノー」を言えています。「ポイントカードのおつくりは…」に「ノー」と言えるし「ただいま期間限定の◯◯ご一緒にいかがですかー」に「ノー」と言えています。「クーポンだけでも持っていってください」とチラシを渡されそうになるのも「いりません」と言えるようになりました。(今までチラシとかティッシュとか渡されるもの全部受け取り、呼び止められると立ち止まり、断ればその罪悪感で苦しんでいたひとw)
というわけで、いつまでも他人のせいにしてないで、自室のレースのカーテンを十余年ぶりに買い替えることにしました。
これまでの人生、何の疑いも持たず
「カーテンは両開きがあたりまえ」
と思ってきていて(そのことにも今回氣がついたぐらい)、
オンラインショップの注文画面でも流れるように「両開き」のボタンを選択してサイズ入力しようとしたところで
なぜか一旦、立ち止まりました。
「ちなみに『片開き』にしたらどうなるんだろうか」
窓を見ながらしっかり想像してみると、
「あれ?むしろ片開きのほうがよくね?」
となりました。
腰高窓。外には出ない。
レースのカーテンを開けることはない。
だったら……
両開きである必要がない……のでは!??
そこでようやく自分の本音を見ていくと、
わたしは両開きのカーテンの些細なことで開いてしまう「わずかな隙間」にストレスを感じていたこともわかりました。
ひとまずカーテンの購入を保留してカーテンの隙間用クリップやテープなども見に行きましたが、
「隙間云々より、やっぱり自分が氣に入ったカーテンがいい」
という本音が出てきたので、
やはりカーテンを買おう、それも片開き!
という結論に至りました。
自分好みのレースのカーテンを真剣に選び、
真剣にサイズを測り、真剣に買いました。
こんなに真剣にものを選んだのは久しぶりです。
自分がいつもものを買うとき、
「これ『で』いいや」
と、無意識に自動でやっていたことにも氣がつきました。
現実に自分のことを雑に扱ってくる人や、
失礼な人が寄ってくるのは、
自分で自分を雑に扱ってるからです、とよく聞くけれど、その通りやなぁと。
わたしはわたしに失礼なことをしていました。
「他人や友人にはしないような失礼なこと」を、
「自分自身」には散々やっていたのです。
「わたし(ごとき)が使うんやからこれ『で』いいよね(何か文句ある?)」
と顕在意識が自動かつ乱暴に勝手に決めちゃいそうになるところを一旦止めてあげること。
「わたし(潜在意識)ちゃんは本当はどうしたい?」
小さい子に聞いてあげるみたいに。
自分の祖父母に聞いてあげるように。
時間を惜しまずにいちいち聞いてあげるのが大事なんだなあ、と。
カーテンを変えて、すっかりと明るくなった部屋を見ながら思ったのです。
窓から見える景色は変わらない。
山や緑や美しい自然が見えるわけではない。
なんのおもしろみもない住宅街と
電線が見えるだけ。
それでも、わたしの心は晴れました。
自分のために自分が真剣に選んだものは、
こんなにも嬉しくて
こんなにも美しかったんだ、と。
「自分との仲直り」って
こういう些細なことの
積み重ねなのかもしれません。
読んでいただいてありがとうございますꪔ̤̮ また覗きにきてくださいな⋆⸜ ⚘ ⸝⋆