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幼稚園、どうやって選べばいい?もし本当にこどもの力を伸ばしたいのなら、「○○えること」をやめてみて。
久々に育児の相談に乗った。
こどもの幼稚園選びに迷ってるんだって。
そうか、もうすぐ11月だものね。
何往復かやりとりをして、あきらめた。
どうも彼女が求めているのは
アドバイスではないようだから。
「どうしたらいいと思う?」
「この園はどう思う?」
そう聞いてはいるけれど
その答えが知りたいわけではないのだ。
だから私が何を返しても
受け取ってもらえないまま。
なんだかキャッチボールしてるのに
投げた球を避けられているような感じがする。
まぁつまりは
「こう言ってほしい」という
ただ一つの答えがあって
それ以外は受け止める気がないのだよね。
本人は、無意識だろうけど。
「納得できるところに決まるといいね」と
一言返して、相談終了とする。
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クロスシートに座れてこども大喜び
園選びについては
今まで何回も相談に乗ってきた。
私はいくつかの保育園で働いてきたので
同じ保育園でも園によって全然ちがうと知っている。
(幼稚園もそうだよね)
国がちがうの?ってくらいに
そこでの常識も、決まりも
「良い」とされていることも
使われている言葉の意味でさえちがうのだ。
だから私自身、園選びは
とても大切だと思っている。
でも、どこの園がいい?と聞かれて
「ここがいいよ」と簡単に答えられるものではない。
だって、「いい園」って
人によって、そのこどもによって、ちがうもの。
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ホームも見たいしで
試行錯誤してこのポジションに落ち着く
保育園、幼稚園で働く難しさのひとつに
「対象がふたつあること」がある。
日々向き合うのは「こども」
けれど園を選んだり
希望を伝えてくるのは「親」なのだ。
そして、そのふたつの求めるものが
一致していることは、あまりない。
今回の相談が難しかったのも、そこにある。
私はこどもがもともと持っている気質
性格や得意不得意、どう育ちたいか
どう伸びていきたいかが、すぐ分かる。
だから
「こどもが求める環境」
「どこにいれば
一番すこやかに伸びていけるのか」を見て
園をすすめたい。ホントはね。
でもたいていの親が園選びで重視するのは
「その子に合う環境」ではなく
「何を与えられる環境なのか」なのだ。
音楽が好きだから、リトミックのあるところ。
それはまだ、まっすぐな方。
英語、体操、お話の聞ける子に。
習い事、お受験、人より優れた子に。
親が園を選ぶ時
「何ができるようになる園なのか」が
重要視されることが多い。
それは
「与えたら、できるようになる」という前提で
考えているからなのだと思う。
でもそれは本当なのだろうか?
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なんて素敵なところ…!
親が「与えたい」とさせるものって
こどもにとっては「義務」になる。
偶然その子の素質とマッチして
ぐんと伸びる子もいるけれど
たいていの子は
「しないといけないから」するだけで
その時間をなんとなく、やりすごしている。
保育士をしてる時に
そんな姿をたくさん見てきた。
頑張って盛り上げたり、楽しめるようにしたって
こどものやる気なんか実際出てはこない。
大人の都合に付き合ってくれているだけ
それをひしひしと感じていた。
こどもが本当に伸びる時
それは
「こども自身が、それに手を伸ばす時」
「水辺に馬を連れて行くことはできても
水を飲ませることはできない」
というイギリスのことわざがある。
そういうことだ。
こどもは賢いから
水を飲んだフリをするけれど
与えたものがその子の血肉になることは
ないと思ったほうがいい。
大事なのは
こどもが自らそれをしたいと手を伸ばしていくこと
なのだ。
じゃあどうやって園を選べばいいの?
という問いには
私はひとつの結論がある。
そのままのその子が「いいね」と言われる環境に
その子を置いてあげること、だ。
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ピクニックは景色がごちそうだから
おむすびだけでいい(という言い訳)
うちの子は生まれた時から
アクティブ&アグレッシブで好奇心旺盛
好きなことには一直線で
ものすごい集中力・吸収力を見せるけど
興味ないことは絶対しない頑固者だった。
だから「この時間にこれをやりますよ」
という園では
絶対にブラックリストに載るだろうな
と踏んでいた。
だって絶対先生の言うこときかないもん(笑)
でも、そういう園では
ブラックリストに載ってしまうような彼だけど
彼の持っているものはいいものばかり。
そう、その園とマッチしていないだけ。
ならば、彼の持っているものを
「いいね」と言ってくれる園へ。
そう思ったのだ。
その結果、とても素敵な園に巡り逢えて
彼の独特な感性も
「おもしろいね!」と言ってくれる大人に囲まれて
毎日しあわせそうに園に通っている。
園のことも、園のみんなのことも
大好きでしかたない。
とてもしあわせな園生活を送っている。
これはうちの子の例だけど
例えば相談してきた彼女のこどもなら
引っ込み思案で大人しく
人にゆずってばかりで積極的に行けないそう。
でもそれは
慎重に周りを見て、自分なりに判断して
納得してすすんでいきたいってこと。
今は周りの勢いに押されて
ゆずってばかりになってしまうけれど
園で育つ中で
自分の思いを伝えられるようにもなったら
本当の優しさを持つ素敵な子になるだろう。
だから、この子には
「積極的に行きなさい!」と
たくさんのことをさせるより
この子の内にある思いが外側に表れるよう
分かって見守ってくれる環境がいいなぁ
なんて思う。
でも、親としたら
「いろんなことをさせて自信をつけさせたい」
のだよね。
自信をつけて
積極性を身に付けさせたいのだよね。
んー、もうどこから話せばよいのやら(笑)
求めているのなら説明するけどさ、
今回はそうではなかったので
話しません(笑)
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この子が大人しく
海を見ているだけでいられるわけがない
(夫よありがとう)
すべてのこどもが
その子にとって居心地のいい場所に
いられればいいのになぁと、切に願う。
こどもはとても聡いから
楽しいふりだってするし
好きなふりだってする
ホントの気持ちを、隠してく。
それは、その子にとって
「自分を活かす、一番の場所」から
遠ざかってしまうということなんだよね。
もし、こどもに
「この子の持っている力を
めいっぱい活かして生きてほしい」と願うなら。
「与える」ことを、やめてみて。
「そのままで、十分すてき」って思ってみて。
「今のままで、十分すてき」って
心から思えたら
不思議なことに
ぐんぐん、いきいきと伸びていくから。
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