うれしくてうれしくてしかたのないお買い物
今日は母と夫の送迎で、車であっちこっち、たくさんドライブをした日だった。ソメイヨシノは終わってしまったけど、街路樹の山桜が満開。
ちょっと濃いピンクのぽってりとしたまぁるい花と、渋い緑の葉。山桜はなんだか桜餅みたい。桜餅のモデルって、山桜のほうなんじゃないかな。山桜が咲くと、毎年思うこと。毎年思うのに、毎年毎回まるで初めて思いついたかのように思い浮かぶのはなぜだろう。
一時保育に備えてはるくんにながぐつを買ってあげたら、とってもとっても気に入ってくれた。売り場でいくつかを並べて「どれがいい?」と聞いたら、すぐに「これ!」とゆびさした、くまさんのついた青いながぐつ。普段「かって!」と言わない子なのに、このときだけは「これ、かおうか!ぴってしてもらおうか!」と大興奮。これがほしい!という気持ちでいっぱいになって、伝えてきたのはこれが初めて。
家に帰ると、「くまさん、はく!」とさっそくながぐつに足を入れる。まだ外ではいてないし、まいっかと室内ではかせてあげた。ながぐつは歩き心地が靴とちがうし、しばらく部屋の中ではいてもらって、はき慣れてもらおう。
その頃は春まっさかりの晴天つづき。雨の気配なんかまったくなく。お外での出番がないかわりに、はるくんは毎日ながぐつをお部屋ではき続けました。朝起きると、ながぐつを探しに行く毎日。はやい時なんて、パジャマのままでながぐつをはいている時だってあった。
毎日毎日ながぐつをはいては「かわいいねぇ」「ながぐつ、はいちゃった!」とうれしそう。くふふふふ、と笑うようすは、うれしさがあふれでちゃってどうしようもないよぅって言ってるみたい。毎日毎日こんなにうれしい気持ちになるだなんて、ながぐつ、すごい。こんなにうれしそうにしてると「買ってあげてよかったなぁ」って私までうれしくなっちゃう。
私、何かを買って、これほどまでにうれしくなったのって、いつが最後だっただろう。思い出せないな。あったのかな。なんか、いいな。
大人になってから、自由にいろいろ買えるようにはなったけど、買うものは「必要なもの」がほとんどな気がする。私は買い物が苦手だから、洋服の買い物とかでさえも「あー、これが買えた!うれしい!」って気持ちになることってない。
何かを買って、自分の手元にそれがあることがうれしくてうれしくて、見るたびにうれしい気持ちになる。そんなことがあるってこと自体、忘れてた。なんか、いいな。私もそんな気持ちになってみたい。まわりまでうれしい気持ちにしちゃうだなんて、なんて素敵。買い物って、実は楽しくてうれしいものなのかもしれないな。私もそんな買い物、してみたいな。
とはいえ、ずーっと「必要なもの」の買い物ばかりをしてきたので、そこまでうれしくなる買い物…と思いをめぐらせてみても、なかなか思い浮かばず…。まぁ、ゆっくり探してみよう。
やっと雨が降ったので、これまた買ってきたレインコートとながぐつでおさんぽ。ちまっとしてて、雨のこびとさんみたいでかわいいなぁ。はるくんにはとびきりうれしいお買い物だったけど、私にもうれしいお買い物でした。そして「うれしいお買い物」について気づかせてくれた、とってもいいお買い物でした。ありがと、はるくん。
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