ぐずぐずな日のおさんぽ日記。ふたりともがんばらなくていい。
まいったまいった。うちは家族3人とも花粉症なんだけど、今日はめずらしくはるくんが一番ひどい。拭いても拭いても透明な鼻水が流れ出てくる。本人もわずらわしいみたいで、手の甲でごしごしとぬぐっては「ガーゼして!(ふいて)」と駆け寄ってくる。
いつものようにおさんぽに出かけても、すぐにだっこだっこで。だっこで公園まで歩くのはきついし、誰のためのおさんぽだって話なので、そこらへんの段に腰掛けてはだっこで休憩。「げんきなった、いく」って言うくせに、3歩あるけば「だっこ」「もうがんばれない」と言う始末(笑)
もうがんばれないのはこっちも同じ。だっこだっことぐずぐずするのを聞くのももういやだし、あーあ、もうつかれちゃったよ。段に座ってだっこして、ふたりで会議。「どうする?公園にあんよで行く?それとも抱っこで帰る?」…なんとも決められないのか、あんよと言ってみたりだっこと言ってみたり。あーあ、もう八方塞がりだ。
じゃあ私はどうしたいかなぁ。…はるくんとおなじだ。もうどっちもいやだ。これ以上ぐずぐずで公園に行くのもいやだし、だっこで家に帰るのも結構な道のり。どうしよう、どっちにも決められないなぁ。
もう考えるのを放棄して、しばらく休憩。日はあったかいけど風は涼しくて気持ちいい。もういっか。今日の目的地はここってことで。気の済むまでここにいよう。
しばらくすると、はるくんが何か気付いたようす。おひざからのそのそと降りて、たたたーっと駆けていく。
そこにあったのは、流れてくるおみず。どこからか、泡水が流れてくる。水が来る方を目で辿ってみると、おじさんが洗車をしてた。流れてきた泡水は排水溝へと落ちていく。はるくんは排水溝をのぞきこんで「あわあわ!」とにっこり。排水溝の中は勢いよく水が落ちるせいか盛大に泡立って泡だらけだ。
ちょっときげんがよくなったのを見てほっとして、「あわあわだから、このおみずはさわらないよ、みるだけね」とお約束。好きなだけ見てもらおう。
確かに排水溝の中の泡はまっしろできれい。流れてくる水はきらきら光ってるし、水の落ちる音は耳に気持ちがいい。おまけに風が気持ち良くて鳥も鳴いてる。空は真っ青だ。さっきまで「きょうはなんて最悪な日なんだ」と思っていたけれど、こんなにきれいで気持ちいい日だったのか。
こういう日、ある。はるくんもぐずぐずでどうしようもなくて、私もそのぐずぐずにつかれちゃってどうしようもなくて。本当なら私に余裕があれば、そのぐずぐずもうまいこと切り替えられるようにできるんだけど、そうできない日だってある。今日みたいに。もう気力も体力も尽きちゃって、やってあげたくてもできない日が。
お互いにつかれちゃって、途方に暮れる。そんな日だってあるよね。
そしたら、もうがんばらない。ちょーっともがんばらない。立ち止まって、もうつかれちゃったよねって、ふたりで休憩。その場で寝ちゃったっていい。ここでがんばると、こどもがわがままに見えてきてしまう。こどものわがままで自分が無理をしなくちゃいけなくてって、こどもが憎く見えてきちゃう。
でも別に、こどもがわがままなわけじゃないんだよね。こどもの方だってつかれちゃってどうしようもなくて、どうしたらいいかな、こうしたらいいかなってぐずぐずしてるんだ。「だっこだっこ」だって、「だっこしてもらって、げんきになりたい」なんだよね。
それに、つかれちゃった私が「もう無理だ」って思うのも、わがままなことじゃない。「もう無理」は、ふたりでなかよくいたいから、これ以上はがんばっちゃだめだよっていうサイン。
ふたりとも、がんばらなくていい。ふたりで立ち止まればいい。
しばらくあわあわのおみずを眺めたはるくんは、満足して「こうえん、いく」と歩き始めた。帰りはつかれちゃって、やっぱり「だっこ」となったけど、しばらく休憩したおかげか気持ち良くだっこしてあげることもできた。
休憩、だいじ。無理しないこと、だいじ。
お鼻がぐずぐずのはるくんは、いつもなら「まだねない」と言うのに、めずらしくいつもより30分も早く「ねんねする」と言って、自分からおふとんへ。本調子じゃなくてしんどいんだね。つかれちゃったんだね。うんうん、そういうときはおやすみするのが一番だ。
「ぶーぶのりたい」とか「おやつたべる」とか、いろんな理由でぐずぐずするけど、それのどれをも叶えてあげてもだめなんだよな。やってあげたところでまたすぐにぐずぐずする。「ちょうしがわるいよ、しんどいよ」が言えなくて、わからなくて、いろいろぐずぐず言ってるだけだから。
はやく治まるといいね。ぐっすりねんねして、げんきでごきげんなはるくんにもどりますよーに。