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ドラマ「海のはじまり」を観て②。「自分で決める」のその前にあるもの。

観ていないくせに書くドラマ感想。

11話からいきなり書くから
書きたいことが、止まらない…



20年来の「ノートを書く」という習慣は
ミュージカルの感想を語り合う相手がいなくて
書き始めたという歴史があって…

感想書くのって、楽しいよね!

(感想というより、観て思いついたことを
 つらつらと書くのが好き)



というわけで、もう少し
続けさせてください…!

前回は「自分で決める」の「その先」の話でした。
今回は「その前」の話を。



↓ 前回書いたものはこちら



*でもこれ、あくまで
 皆さんの「感想」を読んでの感想なので
 いろいろ私が知らない場面あると思います
 ご容赦ください…!



このドラマ、結局みんな
本当の願いは一緒なんです。

「あなたといっしょにいたい」なの。



誰かを思ってみんなその思いを
ぐっと抑えているけれど

全員のその気持ちを叶えれば
全員が幸せになれるようになってるんだよね。



そしてそれを口に出して言ったのは
私が(感想で)知る限りただひとり。

それは、津野くん。



私は妙に津野くんが好きなんだけど
それは津野くんから出てくる
言葉にあるような気がします。

11話のも、印象深かったな。

「海ちゃん、いるいないの話してないですよ。
 わかります?
 いるとかいないって話してるの月岡さんだけです。
 いたとかいなくなったって話してるんです。」

「海のはじまり」11話より



この違い、分かるでしょうか?

津野くんは、言葉をちゃんと、理解してる。
その言葉が表しているものを。

言葉が示す正しい意味ではなく
その言葉が発された元になる気持ちを。
その人が感じていることを。

たくさん本を読んでいる人だからなのだろうな。



こどもの言葉は
「言葉」だけを見ていたら、絶対に読み間違う。

言葉のその「奥にあるもの」を
見よう、感じようとしなければ
分かることはできない。



そして津野くんは
自分のそれも、ちゃんと分かってる。

自分の中にある「本当の気持ち」を。

そしてそれを真っ直ぐに言葉にできる人なんだ。
素敵すぎる。(そして好みすぎる)



海は海でも、港の海はまたちょっと違うよね
波をあんまり感じない



それに対して、ひとりだけ
自分の「こうしたい」に
触れようとしない人がいます。

みんな「こうしたい」はあって
「自分の本当の気持ち」は分かっているけれど
周りの状況を鑑みて口に出せずにいるだけ。

でも、ただひとりだけ
触れようとしていない人が。



それは、主人公である、夏。

夏はいつだって
周りの状況や、人の気持ちや
誰かの希望を受け入れてきた。

それは優しさだと言われてきたけれど
誰かを本当に幸せにしたことはあったかな?



自分の本当の「こうしたい」を知るには
まず「感じる」ことをしなければいけない。

いやだな、だからこうしたい。
嬉しいな、だからもっとこうしたい。
悲しいな、だから
もうこんな思いをしないようにこうしたい。

「こうしたい」の前には
その理由であり原動力である
「こう感じた」があるものだから。

そこからしか「こうしたい」は出てこないものだから。



だから、例えその感じることが
苦しいものだったとしても

そこを感じて通らないことには先は見えないし
幸せに辿り着くことはできないようになっている。



親の離婚、転校、再婚…

こどもの頃にいろいろと感じていたはずの夏は
「感じていることを感じないようにする」
「周りの人に合わせる」やり方を身につけてきてる。

いつでも人の選択に委ねてる。
こどもだったから、それしかなかったよね。

実の父親に会った時に
感じてることを少し出せたけど
また「2人で頑張る」って言って
不安とかそういうの、感じないようにしてるよね。

いつでも夏は、感じていることを
封じ込めることで上手くやってきた。



大好きな、横浜の港。
港には海があるけれど、そこにある海より
人の動きや建物の方がよく感じられるような。



でも、大人になるっていうのは
自分を幸せにする力がつくってこと。
自分の願いを叶える力がつくってこと。

「自分で決める」のその前にある
自分の気持ちが分からないままでは
いつまでたっても大人にはなれない。



人の選択に委ねている、ということは
人の気持ちに由来する、ということ。

ということは行動の責任は
自分にはないってことでもあるんだよね。
いつだって「相手が決めた」から。

自分に選択肢がないというのは
こどもの世界のことだ。



夏が実の父親に会った時
「椅子を蹴るのを我慢した」ことを
「お前、偉かったな」と褒められた。

本音を言っていいぞと言われたのは
「お前は俺のこどもだからな」ということ。
「こどもだから、言っていい」と。

一般的にはそうなんだ。
本音を隠すことを大人な態度と
本音を言うことをこどもだと。

でもこれはちょっとちがう。



何の考えもなしに本音を言うことは
確かにこどもだ。

すべての結果を引き受ける覚悟を持って
本音を言うこと。それが大人。

自分の思いをただ押し通すのではなく
周りと共に選択肢を作っていく、それが大人。



これは親子の物語かもしれないけれど
夏の成長物語でもあるのかもしれない。

弥生ちゃんはちゃんと大人になったよ。
ちゃんとすべての気持ちを感じて
自分の本当の「こうしたい」を見つけて、伝えたよ。

(そしてその視点で言うと
 津野くんは最初から大人な人なんだな)



このドラマのトリを飾るのは、やっぱり主人公。

夏の番が、回ってくる。



予告でも、海ちゃんに問われてた。

「夏くんは、どうするの?」って。



backnumberも、歌ってた。

「誰の人生だ」って。


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