2.きっかけは謎の焦燥感

 なんとなく「このままではいけない、このままでいたくない」という気持ちはあった。
例えば入社すぐに「何年もいる場所じゃないな」「組織の中で働くって向いてないな」なんて思っていた。

でも、一緒に働く人はいい人ばかり。職務内容も忖度はあれど遂行自体がひどく難しいわけでもない。そんなわけで、「いようと思えばいられる」状態だった。だが、いかんせん「社内の意向を汲み取って働く」ことに限界を感じていた。

この「いようと思えばいられる」と「限界を感じている」矛盾が、時間が経てば経つほどひどくなる。

そして、年末を前にして「このまま歳をとり退職して…やっと終わった…なんて死に方したくない!」と泣き出しそうなほどに気持ちが煮詰まってしまった。

変わりたい。変えたい。
居場所を? 自分を?
なにから? どうやって?
毎日やることに終われた結果、自分で舵取りするという選択肢さえ見えなくなって、誰か助けて! と叫ぶ選択肢さえ見えなくなっていた。

そんな時に、何気ない会話で母がすすめてくれたのが、件のヒーラーだった。

そうだ、とにかくこの人に心の内を吐き出したい。相談というよりそんな気持ちで行ったのが、変化の始まりだった。
ここで行っておいて、本当に良かったと思う。
でなければまた流されて、もがく気力さえなくなっていただろう。

こうしてわたしは進む角度を0.1度変えたのだった。

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