【玄米王漫遊記】vol.17 玄米を冷蔵庫で浸水する理由
玄米王米穀店は、お米の専門家である「五ツ星お米マイスター」のいるお店です。
お米が大好きな私たちがお届けする【玄米王漫遊記】ぜひご覧ください。
【玄米王漫遊記】vol.17 玄米を冷蔵庫で浸水する理由
玄米は、炊飯前に浸水をすることで、しっかりと吸水してふっくらと炊き上げることができます。
「浸水時に常温でも良いのですか」と聞かれることがありますが、答えはノー。今回は、冷蔵庫で浸水をしたい理由を2つご紹介します。
1. 雑菌の増殖を抑える
浸水する水の温度が高いほど、雑菌の増殖が早くなります。特に、20〜30℃の範囲では雑菌が最も活発に増殖します。室温で浸水する場合、数時間から半日ほどで雑菌の数は急増する可能性があります。
使用する水や玄米の質も関係します。当店では、下記3つの手順で雑菌の増殖を抑える方法をご案内しています。
・冷蔵庫で浸水すること
・浸水前に玄米を洗うこと
・炊飯前に浸水した水を取り替えること
2. 中心まで吸水させる
関西食文化研究会の研究事例レポートによると、異なる浸漬温度で吸水させた場合、高温の方が最初の吸水速度は早いものの、最終的には低温の方がより吸水するという結果となっていました。
この研究事例では、「10℃、25℃、40℃、55℃」の4つの試験区が設けられており、それぞれ20分の浸漬を行うことで吸水状態の定量化を行っています。10℃区で最初の吸水はゆっくりでも最終的には吸水量が高かったそうです。
おわりに
冷蔵庫内の温度は2〜5℃が一般的ですが、できるだけ雑菌を繁殖させない環境づくりと低温でもきちんと吸水できるということから、やはり冷蔵庫での浸水がおすすめです。
ぜひ、玄米王米穀店がおすすめする「玄米の炊き方」をお試しください。
玄米王米穀店流 玄米の美味しい炊き方
参考文献
農林水産省 (2021)「食品衛生と安全に関するガイドライン」
日本食品分析センター (2020)「玄米の浸水中における微生物増殖に関する研究」
国立健康・栄養研究所 (2019)「食品の浸水と雑菌の増殖」
大阪ガス「おいしさ・健康調理ラボラトリー」 (2016) No,8 関西食文化研究会レポート