【玄米王漫遊記】vol.13 生活習慣病の予防と玄米
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【玄米王漫遊記】vol.13 生活習慣病の予防と玄米
現代の食生活は高カロリーで栄養バランスが偏りがちであり、これが生活習慣病のリスクを高める原因となっています。しかし、日常的に玄米を摂取することで、これらのリスクを低減する効果が期待できます。玄米には、精白米にはない多くの栄養素が含まれており、生活習慣病の予防に効果があると言われています。
1. 糖尿病の予防
玄米は糖尿病の予防に効果的であると多くの研究で示されています。玄米に含まれる食物繊維は、消化を遅らせることで血糖値の急激な上昇を抑える働きがあります。また、マグネシウムも豊富に含まれており、インスリンの感受性を高める作用があるようです。ハーバード大学の研究によれば、玄米を日常的に食べることで、糖尿病のリスクが大幅に低減することが示されています(Qi Sun, et al., Archives of Internal Medicine, 2010)。
2. 高血圧の予防
玄米に含まれるカリウムは、ナトリウムの排出を助けるため、高血圧の予防に効果的であると言われています。カリウムの適切な摂取は、血圧を正常に保つ上で重要な役割を果たします。米国心臓協会(AHA)は、カリウムの豊富な食品の摂取が高血圧の予防に有効であるとしています(American Heart Association, 2014)。
3. 心疾患のリスク低減
玄米に含まれる食物繊維は、血中コレステロール値を低下させる働きがあります。食物繊維はコレステロールを腸内で吸着し、体外へ排出することで、動脈硬化や心疾患のリスクを減少させます。厚生労働省でも、食物繊維の適切な摂取が心疾患の予防に寄与するとしています(厚生労働省, 健康日本21, 2013)。
4. がんの予防
玄米に含まれる抗酸化物質、特にフェノール類は、がんの予防に効果があるとされています。これらの成分は、細胞の酸化ストレスを軽減し、がん細胞の発生を抑制する働きがあるそうです。国際がん研究機関(IARC)は、全粒穀物の摂取が大腸がんのリスクを低減することを報告しています(IARC, 2010)。
5. 代謝シンドロームの改善
玄米は、代謝シンドロームの改善にも効果があります。代謝シンドロームは、肥満、高血糖、高血圧、脂質異常症が重なる状態であり、心血管疾患や糖尿病のリスクを高めます。玄米の食物繊維は、体脂肪の蓄積を抑制し、血糖値と血圧のコントロールを助けるため、代謝シンドロームの予防と改善に寄与します。これについては、日本の研究でも同様の結果が得られており、玄米食が代謝シンドロームの改善に有効であることが示されています(日本臨床栄養学会, 2017)。
おわりに
玄米は、糖尿病、高血圧、心疾患、がん、代謝シンドロームなどの生活習慣病の予防に効果的であることが多くの研究で示されています。玄米に含まれる豊富な食物繊維、マグネシウム、カリウム、抗酸化物質などが、これらの病気のリスクを低減する働きを持っています。
これらの論文から、日常的に玄米を摂取することで、生活習慣病の予防に繋がり、全体的な健康を維持することが期待できそうです。
健康が気になり始めたら、玄米食を取り入れてみるのはいかがでしょうか。
参考文献
Qi Sun, et al., "White Rice, Brown Rice, and Risk of Type 2 Diabetes in US Men and Women," Archives of Internal Medicine, 2010.
American Heart Association, "Dietary Potassium," 2014.
厚生労働省, "健康日本21," 2013.
International Agency for Research on Cancer (IARC), "Wholegrain, cereal fibre and incidence of colorectal cancer," 2010.
日本臨床栄養学会, "玄米食と代謝シンドロームの関連," 2017.