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日本お米ばなし vol.25 食文化編「米をなんの葉に包むのか。」
Natural Farmingは、お米の専門家である「五ツ星お米マイスター」のいるお店です。
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日本お米ばなし vol.25 食文化編「米をなんの葉に包むのか。」
日本では「ちまき」など米を葉で包む文化がありますよね。実は、地域によってなんの葉で包むのか違いがあるようなのです。
そこで今回は、なんの葉に包むのかを整頓してみたいと思います。
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粽(ちまき)をなんの葉で包むのか
粽(ちまき)は、餅もしくはもち米をササなどの「ちまきの葉」で包み、イグサなどで縛った食品のことを言います。端午の節句の供物として用いられ、地方によって形や中身が異なります。
奈良時代に中国から伝わったものとされています。
粽を包む葉は、2つのグループに大別できます。
グループ1
地域:東北(日本海側)・北陸・近畿北部・中国地方・九州北部
包む葉:ササ
グループ2
地域:近畿南部〜四国・九州全域
包む葉:ススキ、チガヤ、ヨシ、マコモ
なお、粽が作られない地域では「柏餅」が作られてきました。
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柏餅をなんの葉で包むのか
柏餅は上新粉と白玉粉で作った皮であんを包み、主に柏の葉で巻いた餅菓子のことです。今では全国的に柏の葉を用いることが多いようですが、昔は東日本と西日本では、植生の違いから包む葉も違ったそうです。
東日本:柏の葉
西日本:サルトリイバラの葉
サルトリイバラの葉はイメージがつきにくい方もいるかと思います。農林水産省の郷土料理を紹介するページで「いばら餅」があったので、リンクを貼っておきます。
まとめ
粽(ちまき)は、地域によって「ササ・ススキ・チガヤ・ヨシ・マコモ」の葉で包まれ、柏餅は「柏・サルトリイバラ」の葉で包まれる。
おわりに
香り付けや包装、殺菌効果を期待して用いられてきた「葉」ですが、地域ごとに違いがあるのですね。地域の植生などによって、様々な食文化が育まれてきたことを改めて知ることができました。