見出し画像

施術側の体勢が重要

ここまで、受け手が座っている場合、仰向けに寝ている場合、うつ伏せに寝ている場合に分けて、具体的に手の当て方を説明してきました。
しかし、重要なのは個々のポジションではないということを、ここで改めて書いておこうと思います。
前に、「どこに手を当てればよいのか?」「長い時間手を当てることが重要」で書いたように、どこに手を当てるかということよりも、長時間手を当てること、そのためにどうするかが重要なのです。

受け手に近づくことの意味

これまで何度も、受け手に近づくことが重要だと書いてきました。
その重要性を、改めてここでも書いてみます。

まず重要なのは、上体を前傾させないためです。
受け手から離れれば、手を当てようとするとどうしても上体が前傾してしまいます。
前傾した上体を、腰から下だけで支えるのは、とても大変なことです。
そこで、伸ばした手で体重を支えるようになってしまいます。

こうなると、軽く手を当てることができません。
受け手も施術者の重みを感じて不快になるでしょう。
それに、腕に不要な力がはいってしまうので、力を抜いて行う純粋なレイキにならなくなるのです。

次に、特に座った受け手に対して横から挟むようにレイキをする場合ですが、近づかないと腕が伸びて、手のポジションを維持するのが大変になくなります。
自分の腕だから好きなところに位置させられると思うかもしれませんが、意外と重いものです。
試しに、両腕をまっすぐ前方に伸ばし、その状態をキープしようとしてみてください。
5分くらいはできるでしょうけど、10分となると、もうつらく感じると思います。

肘を曲げて脇を締めることで、手のポジションを維持しやすくなります。
その状態でも届くくらいに、受け手に近づくことが重要なのです。

レイキは、同じ位置に長時間手を当てることが基本です。
ですから、それができるように考えて、自分の体勢を工夫する必要があるのです。

手首の角度を考える

もう1つ重要なのが、手首の角度です。
柔らかくて90度以上反り返る人は、ある程度無理ができるでしょう。
しかし、そうではない人は、やはり手首の角度を考えて、自分の体勢を工夫する必要があります。

わかりやすいのは、座った受け手の肩甲骨あたりにレイキをする場合です。
受け手と同じくらいの高さの椅子に座ると、施術者の肘の角度が90度より大きくなります。
そうすると、手首を90度以上曲げないと、受け手の肩甲骨あたりにぴったりと手を当てられません。

そのまま無理して手を当てようとすると、どうしても受け手の背中を押すように力を加えることになります。
これも、力を抜いて行うレイキ本来のやり方から離れてしまいます。

ですから、受け手よりも低い椅子に座ったり、床に直に座り込んだり、立膝になるなど、自分の位置を低くする必要があるのです。
そうすれば、肘の角度が深くなり、対称的に手首の角度が浅くなります。

また、他の方法としては、受け手に机などに突っ伏してもらう方法があります。
クッションなどを抱いてもらうと、やりやすいと思います。
座ったまま背中のマッサージができる専用のチェアも、そういう構造になっていますよね。
さすがにそのために専用のチェアを購入するのも大変でしょうから、机に大きめのクッションを置いて、そこに突っ伏してもらうといいでしょう。

この方法だと、手を当てる位置が遠くなりますが、手首の角度は浅くなって当てやすくなります。
背中は、ある程度圧力があっても受け手が気にならないので、受け手の背中に手を置くようにして、手の重さをそこに預けるようにするといいでしょう。

クッションを利用する

長時間同じ姿勢を保つ必要があるレイキでは、クッションの利用が効果的です。
床に直に座る時は座布団を敷いて、足のしびれや痛みを軽減する工夫をしましょう。
腕を伸ばしてレイキをするときは、なるべく肘をクッションの上に乗せるようにして、腕の重さを軽減するようにします。
また、肘で上半身の重さを支える場合も、肘の下のクッションは、肘の痛みを軽減します。

クッションは、ソファなどに置くものを使うこともできますし、座布団を丸めたりしても使えます。
丸めたヨガマットも使えますし、何もなければ物が入ったカバンを使うこともできます。
工夫次第でいろいろな物が使えますから、体勢の維持を無理するよりも、「何か使えないかな?」と考えてみましょう。

体勢を変える

起立して「休め」の姿勢を取る時、時々、横に出す足を入れ替えたりしますよね?
それと同じように、ずっと同じ体勢を続けていれば疲れるので、時々体勢を変えるとよいでしょう。

直に床に腰を下ろしている場合、正座をしたりあぐらを組んだり立て膝になったりなど、体制を変えることでしびれや痛みを軽減し、疲れを防止することができます。

その際、手を当て続けたままで体勢を変えられれば、受け手は気づかないかもしれません。
しかし、無理に手を当て続けなくても、その時だけ当てている手を離しても大丈夫です。
マスターによっては、「手を離すとレイキの流れが止まるから、なるべく離さないように」と指導する人もいます。
しかし私は、それほど気にするほどの違いはないと思います。

重要なのは長時間手を当てること

このように、様々に工夫することによって、なるべく長い時間、手を当て続けるようにしましょう。
それが、レイキの施術において最も重要なことだと思います。

受け手の同じ箇所に1時間レイキをし続けること。
これができることが、一人前の施術者としての1つの目安だと思っています。


すべて無料で公開しています。多くの人にレイキのことを知っていただき、役立てていただきたいからです。 もし内容を気に入られて、本1冊分以上の価値があると思われましたら、ぜひサポートしてくださいね。よろしくお願いします! 心を込めて書いていますので、とても励みになります。