私が応援する
いきなりステーキが、お客に対するメッセージを店頭で掲示し、大きな反響を呼んでいる。
大体は「上から目線」とか「客のせいにしている」とかネガティブな意見が多い。
いきなり店舗を拡大して経営的にどうなの?っと思っていたが、まさしくみんなが思っていたとおり、経営が厳しくなり、ついには閉店を余儀なくされた店舗もあるようだ。
いきなりステーキの経営やトップセールスのまずさなんかは一旦おいて、冷静にこのメッセージを考えてみると地方にとってとても重要なものだと思う。
確かにお客が来なければ店は潰れてしまう。
お客あってのお店でなければ、お客は来ない。
お客が来なければ、経営努力をする。
じゃあ経営努力をしても、お客が来ないときは・・・
今、地方ではお店がどんどんつぶれている。
そして、空いた店舗だけが町の残っている。
その店がなくなって、初めて「このお店なくなったんだショック。」とか「このお店おいしかったのに」「意外と便利だったのにね」と気付く。
いつもと変わらない風景が徐々に色あせていることに気付いた時は、すでに手遅れだった。
町にお店があるということは、それだけで町に人がいるんだなと思わせてくれる。それが、飲食店でもスーパーでも、個人商店でも、チェーン店でも。
でも、その町を支えてくれていたお店が一つ、また一つとなくなっていく。
地方の町が崩壊する、カウントダウンだ。
私の住む田舎のまちで、個人商店が次々となくなり、スーパーがすでに3軒も閉店した。元コンビニの建物の数件ある。小さなころからある昔ながらのショッピングモール(もどき)は、テナントが激減し広々している。
閉店した要因はいくつもあるけれど、大きな原因はわかる。
私たちがお客として来店しなくなったからだ。
田舎にいても、ネットを使えば自由にものが手に入る。欲しいものがあれば、欲しいものを売っている街に行って買えばいい。この町で買い物をしたり、ご飯を食べたりしなくなった。
お客様のご来店が減少しております。
このままではお近くのお店を閉めることになります。
このいきなりステーキのメッセージはまさしく真理だ。そして正直すぎる。
私は、いきなりステーキが特別好きなわけでも、肉マイレージをためているわけではない。
でも本当に来店しなければ、店はつぶれてしまう。この真理は、いきなりステーキに限ったことではない。
もちろん私の町を支えてくれている、数多くのお店たちもそうだろう。
中には、行ったこともない店もあると思う。行ってみて「二度と行くものか」というお店もあると思う。
でも、私が住む町を支えているお店を支えれるのは、住んでいる私たちだけだ。
日本全体で人口が減っている。
中でも地方は、とてつもない速さで人口が減少している。
それだけで地方にとって大ダメージなのに、地方に住んでいる私たちの意識は、自分の町に向いていなかった。
自分の町が消えるなんて考えはないし、身の回りにあるものは、あって当然だった。
それに気づかせてくれた、メッセージだった。
上から目線だけど、シンプルで真実で正直だった。
この町が少しでも長生きしますように。
書を捨て、小銭を握りしめ、自分の町に出よう。
自分を支えてくれる店を、少しでも支えるために。