文系学生が図書館を使えない状況を憂う
大学から主役である学生の姿が消えて数ヶ月経ちますが、以前のように人が賑やかに往来するキャンパスが戻ってくるのはまだまだ先になりそうな昨今です。
そんな中でも実験などを抱える理系学生が限定的ではありながらも登校を認められ始めています。もちろん感染防止策という緊張を伴うことではありますが、学生の姿が大学にあるのは今は失われている日常の影が見えて、ほんの少しですが、心に光が灯る感じがします。
しかし、文系学生においては、状況が変わらないままです。
文系学生は、動物を扱っていたり、機械を使ったりはしないので、登校の緊急性や必要性が低いように見えるのかもしれませんが、こんなにも長い間、大学図書館が使えない状況は研究上かなり手痛いことかと思います。
私が院生の頃は長い時間図書館に滞在し、自分の大学の図書館の所蔵だけではなく、レファレンスサービスを利用し、国内外の図書館から資料を取り寄せたり、実際に閲覧許可を取り、見たい資料がある図書館を訪問したりしていました。文系院生も実は結構アクティブに動いているのです。
もし私が論文を書いている時にこの状況だったらもう論文は諦めていたかもしれないです・・・。
国全体が理系志向に傾いている中ではありますが、哲学や文学などと同時並行でなければ、技術は単に技術に過ぎないものとなり、空虚なものになってしまうのではと僭越ながら危惧してしまいます。本当にコロナは色々なものを奪っていくのだなと呆然とします。
理系の人が人数や時間制限を設けながら研究室に行っているのと同じように文系の人も今はもちろん限定的にしながら図書館を使えるようにできないのかなと個人的には思ってしまうのですが、現実的にはまだ難しそうです。
もちろん命に代えがたいことは承知しております。ただ、文系学生も研究上本当に辛いということだけを今、言葉にしておきたかったため、記しました。
(全国の大学の状況を踏まえている訳ではありません。図書館を使えている文系学生もいるかもしれませんが、あくまで私の周りの大学の話がベースになっています。)