見出し画像

【読書感想】僕の帰る場所/S・E・デュラント

ウサイン・ボルトが駆け抜けた瞬間を共に見た、おじいちゃんと孫の少年。2人は公園を一緒に走っている、走ることがどれだけ楽しいことが知っている祖父と孫が世界記録が成し遂げられた瞬間を目撃した場面から物語は始まる。
しかし、おじいちゃんはいつものランニング途中で「疲れた」と言って家に帰りそのまま亡くなってしまう。少年は悲しみながらも1人で公園を走ることにする。おじいちゃんが若いころ、陸上選手として大会に出場していたことがわかったからた。

ここまで書くと、祖父の死を乗り陸上選手を目指す少年の話だが、彼の家庭は普通では無い。

両親が「学習障害」を持っている、この両親の障害は的確説明かわからないが、本書にはそう書かれている。
優しい愛情たっぷりの両親だが、お金の計算ができない、仕事が人より遅い、知らない人と話すのが苦手、三者面談で発言できないなど障害がある。
今までその支援をおじいちゃんがしていたから
おじいちゃんがいなくなって、12歳というティーンエイジャーになる少年は困り、深く悩む。
少年は他の大人に助けを求めるのが下手で
「両親が自分を育てられないとわかったら、施設行きになるのでは」と怯えている。

大人は、こういう少年に、時間をかけてゆっくりと信頼関係を築かなくてはならない。
障害があっても少年にとっては大切な両親で、家にいたいという意志を尊重し、適切な支援が行われるべきだろう。

様々な家庭がある。
家庭の中では問題が解決できない時、外に子供が助けを求められる制度が必要だろう。
もう少し深堀りして欲しかった、という所はあるが少年と同じような境遇の子の為に書かれた児童書であると思う。
近くの図書館の「障害を知る」というテーマで集められたコーナーにあって借りた。

いいなと思ったら応援しよう!