後悔(詩、ポエム)
後悔先に立たず
過ぎ去ったことを後から悔やんでも、どうしようもない
当たり前のこと
分かりきっていること
だから忘れてしまえばいいこと
そんな簡単なことすらできない僕は、苦しまなければいけないこと
あの時ああしていれば、なんてIFの世界を思ったところで、何も変わりはしないし、何も進めはしない
頭の中や、物語の中で、都合の良い展開を並べたところで、あの時の自分も、あの時のあの人も、あの時の思いでも、何も変わらない
前を向いて、過去なんて寝たら忘れて、そんな能力があるならば、ぜひとも欲しいと願うほどに、僕は過去から逃れられない
一歩進めば後ろ髪を引かれ、一歩進めば腕を捕まれ、一歩進めば足を戻される
前に行こうとすればするほど、髪は千切れるほど力強く引っ張られ、腕には爪が食い込み、足は重りを付けたように重くなる
前に進むことを少しでも止めれば、それらによって戻され、胸を締め付ける
年を重ねれば重ねるほど、その数は増えていき、いつの間にか自分が見えないほどの過去に引っ張られ続けている
息苦しくて、すきまから辛うじて息をして、でも止まることは許されないから前に進む
目も見えない、耳も聞こえない、匂いもなければ、誰かに触れることもなく、過去に包まれながら進み続ける
何も見えないはずの目に見えるのは、あの日の辛い日々
何も聞こえないはずの耳に聞こえるのは、あの日の君の声
何もわからない鼻に香るのは、あの日の涙の匂い
誰にも触れられなくなった手に残るのは、あの日の君の肌の感触
後悔したところで消えはしない過去が、今でも僕を苦しめる
もう感じることのない幸せを、僕だけに残して