欠け(詩、ポエム)
人は欠けている
その欠けた部分を埋めるように、人は人とかかわりを持つ
ぴったりはまることもあれば、ズレて軋轢を生むこともある
何処にも、全てが満たされた人はいないし、もしいたとするならば、それは人ではなく、神に近いものだとすら思えてしまうだろう
欠けているならば、補えばいい
他の人からだろうと、自らの力だろうと
埋めるモノ、埋める人、埋める何かを見つけてはめ込めば、安定する
たったそれだけの話だと、そう思うだろう
だれしもそうできれば、きっと人同士が争うことだってなくなるだろう
それが簡単でないのだから、人はこうも苦しいのだろう
人よりおそらく異常で歪な形をしているこれに、今まで様々なモノをあててみた
補うに足りることもあれば、そうでない場合もあった
最初はあっているように思えても、形が変わってはじき出されることもあった
無理矢理あわせたために、こちらの形が削られ、ボロボロになることもあった
次第にあわせること自体が億劫になり、削られるのが怖くなり、試すことすら面倒になった
しかし欠けたままのこれは、満ち足らないことしか知らないこれは、満たしてほしいと、欠けた部分を補おうと、何かを求めてさまよいだす
止めようとしても、止まりはしない
まるでそれが人としての本能であるかのように求め続ける
全てが恐ろしく、全てに怯え、欠けたままでいいと願っているはずなのに、これは求め、足は止まらず、目からは涙があふれる
人であるうちに、人として終わりたい
終わらせてくれ
もう、人であることにすら、嫌気がさしているんだ