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目を閉じて、深呼吸して、息を止める 一歩前に踏み出し、落ちていく しばらくして目をあければ、青色の世界の中に自分がいるかのように錯覚する ゴツゴツと、厳しさを教えるように佇む岩 サラサラと、流れに逆らわず、優雅に揺れる砂 キラキラと、まるで宝石のようにきらめくサンゴ ワチャワチャと、楽しそうにおしゃべりする魚たち まるでそれらの仲間になったように、綺麗な世界の住人になったように、その世界を見回す それらと違う事といえば、ここにずっといられないことだけだ ブク
書くことは誰にでもできる、手軽な表現方法だ 小さい頃、夏休みや年末年始に書き初めなんかをさせられた記憶は、大抵の人なら頭の片隅に置いてあるだろう 書いて、見て、目標として掲げて それほど、書くという行為は単純で、誰にでもできることだ しかしながら、小説や詩などは、誰にでも書けるだろうか これもYESだ 誰にでも書ける じゃあ世の中物書きだらけじゃないかと言われると、そうではない 見て分かる通り、そういったものが周りから認められる人は、この世界ではごく一部なのだ
生きていることが、たまに馬鹿馬鹿しく思える 生きていれば、お腹は空くし、睡眠をとらなければ体は動かなくなるし、仕事をしてお金をもらわないと何もできない それが普通だと言われれば、それは普通だと思うと返すだろう でも、何故この普通を普通と受け止めて、普通に生きているのだろうか この普通の中で、きっと色んな人はいろんなことを成しえるのだろう だが僕はどうだろうか ただ生きて、限られた時間を無意味に過ごして、何もできなくて そして、何もできないのが怖くて、こうして何の
街の真ん中で深呼吸をする 人、アスファルト、植物、太陽 色んなものが匂いとなって、身体をめぐる おしゃれのために身に着けた香水、学校帰りの汗、普段使っているシャンプーや柔軟剤 砂、コンクリート、ペンキ しぶとく生えているタンポポ、街路樹、休憩用に置かれた木製ベンチ その中で目をあければ、その匂いがどういうものか、はっきりとする あぁ、この人はお出かけの最中か、この人は学校帰りの寄り道の途中か、この人はもう帰宅する人か あぁ、近くに公園があったのか、今舗装の最中
ハローハロー、僕の声が聞こえていますか? 届いていますか? 愛する隣人たち 僕が僕でいるために、あなたたちの支えが必要だった 僕が僕でいられるのは、あなたたちが今隣にいてくれるから ありがとうございます きっと、あなたたちと出会わなかったら、今の僕はいなかったことでしょう 捨てられるものを捨てて、削れるだけ自分を削って、その度に悩んで、苦しんで、涙して 今にも消えそうだった僕を、消さないようにしてくれたのは、あなたたちだった だからこうして、バカみたいに笑っ
ふと、空を見上げた 雲一つない青空 清々しい気持ちを、伝えたいと思った かつて愛した隣人たちへ 思い返せば、色んなことが頭をよぎる 楽しかったことよりも、辛く、苦しかった思い出の方が多い いや、多いというよりは、残り続けている あの時の心も、もう微かにしか感じないし あの時苦しめられたあなたたちの名前も、顔も、もう思い出せなくなってきている それでも、僕を傷付け、裏切ったあなたたちのことは、一生忘れない気がする 別に恨んでいるとか、そういう感じでは、ないと