新卒でエージェントを使ってはいけない理由。
こんにちは。夏明びびです。
私は現役就活生です。現状について記事を書いていますのでそちらも目を通して下さると幸いです。
さて、今回は私が就職活動を通して感じた『就活エージェント』のサービスについての見解を書いていこうと思います。
私の経験上の《反面教師》として見ていただけたらと思います。
※あくまで個人の見解でありサービスや利用者の価値観を否定するものではありません。
では、いきましょう。
【就活エージェントとは?】
まず、就活エージェントのサービスについて説明します。
『エージェント』と呼ばれるサービスはいわゆる『仕事紹介』サービスです。
就職先が欲しい人々に向けて、キャリアコンサルタントと呼ばれる人材スタッフが求人情報を紹介してくれます。(キャリアコンサルタントの資格を持っていない場合もあります)
簡単にイメージで言うと、アルバイト先を探している人に向けて「こんなアルバイト募集があるよ~!」と複数の選択肢を紹介してくれるサービスのようなものです。
主に転職希望者を対象としたサービスが盛んです。
その『エージェント』ですが、今では新卒採用にも力を入れています。
学生側からしてもエージェントの存在は当たり前のものになってきています。
【エージェントを利用する前に】
ここでまず考えて欲しいのは私が欲しいのは就職「先」なのか、ということです。
先程も述べたようにエージェントは基本的に就職「先」を紹介するサービスです。
自分のやりたいこと、目標がある人にはオススメしません。
そういう人にとって『新卒でエージェントを使うこと』は『自分の人生を放棄している』ということにもなります。
あらかじめ用意された選択肢から選ぶのですから、自分の人生を自分で決めている、ということにはなりません。
また、エージェントを利用したからと言って、内定をあっさりもらえると思っていると痛い目にあいます。
実際に私もコロナ禍で志望業界が打撃を受け、持ち駒を効率よく増やそうとあらゆるエージェントサービスを利用しました。
その軽率さがどんどん悪循環に飲み込まれているとも知らずに。
【新卒でエージェントを使ってはいけない理由】
なぜ、新卒でエージェントを使ってはいけないのか?
正確に言うと《エージェントに頼ってはいけない》ということです。
エージェントサービスは大手人材会社~フリーランスに近い小規模のサービスまで様々です。
就職活動をしている学生に対して、SNS(LINE・Twitter・Instagram・YouTube…)やメール、イベントを通して勧誘があります。
内定という就職「先」が欲しい学生(私もそうでした)は、利用できるなら利用してみようという気になってしまうのです。
エージェントサービスは基本的に利用料無料です。
しかし、エージェントサービスを通して親切心で接してくれているかのような振る舞いのキャリアコンサルタントの裏には学生一人あたり100万円に近い金額が動いている、ということを予め理解しましょう。
(具体的には企業に紹介した学生が内定を取り承諾するとキャリアコンサルタントに100万円の報酬が与えられるという感じです。)
つまり、エージェントにとって学生は客でしかないということです。
きつい表現に言い換えるならば、カモです。
そのことを予め念におきましょう。
エージェントサービスを利用してみれば分かるのですが、エージェントのサービスは「求人紹介」だけではありません。
就職活動中の学生に対して就活支援のアドバイスなども行っています。
これだけ見ると「無料だし利用するだけお得じゃん!」と思いますよね。
しかし、就活エージェントは要求タスクが多いということを伝えたいです。
効率よく内定を増やしたい、言い換えれば「ラクして就職先が欲しい」という思いでエージェントを利用しがちです。
しかし、実際には真逆です。
エージェントサービスに一度登録するとまず強制的に『面談』から始まります。
その面談を通して紹介する求人をエージェント側が選定していく、という感じですね。
面談は事細かく何回も行われます。日時なども基本的にエージェントの都合に合わせて決まります。(選択肢はありますが)
まず、これだけで貴重な時間が拘束されるということ。
そしてその後、エージェントに対しての履歴書や自己PRガクチカ等の提出物が課せられます。
その手間を経ていざ企業の選考開始!となった後も感想や近況報告などの提出や面談が課せられます。
明らかに自力の選考よりもタスク(課せられる拘束時間)が多いのです。
エージェントサービスは企業を自分で探す手間を省くことだけがメリットと思ってください。
各エージェントサービスに紹介できる(繋がっている)求人も異なりますので、求人情報にも偏りがあるということも理解しておかなければならない点です。
「受けたい企業だけ受けて、ESの添削などに使うだけじゃダメなの?」
と思う方もいるでしょう。
エージェントサービスに登録した時点で《拘束》は始まると思ってください。
その時間があればもっと別のことができるはずです。
エージェントに登録後、LINEやメールなど・・・連絡は絶えません。反応がない場合は電話がかかってきます。
これはどこのエージェント会社もそうでした。
所によっては夜遅くにもかかってきます。
突然の電話 = こちらの時間を一方的に拘束
という行為になります。
電話に出れば、面談や企業紹介などの《次の拘束》に繋がっていきます。
こうしてどんどん拘束されていき、《エージェントの手の内》になってしまうのです。
これを続けていると最初は違和感を感じていても次第に〈就活した気になっている〉状態になります。
これが就活エージェントを使ってはいけない理由です。
頼ってはいけない、が、頼る頼らないの意思に関わらず一方的に拘束されていくのです。
【エージェントを使ったから内定が取れるという訳ではない】
それでも無数にある企業から探し出すのがむずかしい!まず一歩目としてエージェントを使いたい!
という人もいるでしょう。
そこで知っていて貰いたいのは
エージェントを利用したからと言って内定が貰える訳ではない
ということです。
「エージェント経由の企業なら企業側も学生側も求められる基準が低くて内定が出やすいのでは?」
という考えを持っていたら大間違いです。
企業側から求められる基準はエージェント経由だろうが関係ありません。
企業側はただ、優良な人材を求めています。
「ここの会社に絶対入りたいのか」という意思は必ず問われます。
エージェントを経由している時点で、選考を受ける会社に対しての熱量は高いとは言えませんよね。
『本当に入りたい』と思える会社でない場合、落ちます。
いくら志望動機、業界動機を考えていても熱量が問われますので惰性で選考を受けるのはやめましょう。
エージェントサービスを提供している会社を調べてみると低評価を下して
「エージェントを利用したのに落とされた!内定は出なかった!」
「志望業界の会社は紹介してくれなかった!違う求人ばかり勧めてくる!」
と憤慨している人はいます。
エージェントサービスはそもそもそういうもの。と認識する必要があります。
エージェントは元々転職志望者向けのサービスです。
新卒採用というこれからの自分の人生が問われる場でエージェントを使うこと(他人に身を任せること)がそもそもズレている気がします。
新卒採用は中途採用と違って、受ける側は大量です。
しかし採用人数は少数とされていることが多いです。
大量の就活生の中から内定を得られるのは『本当に入りたい人』であり採用人数の定員はそれだけで埋まるもの。だということを肝に銘じておきましょう。
エージェント側からすると学生を1つの企業の内定に導けば多額の報酬を得られる訳ですから手当り次第、同時進行で企業の選考を勧めます。
就活生の時間さえ拘束しておけば、数打ちゃ当たるということです。
エージェントの沼にハマってくると、エージェント経由でしか就活をしなくなります。
そうなるとエージェントの思う壷ということです。
またエージェントサービスは基本的に1:1で進行していきますが、それは「利用者側からすると」です。
エージェント側は手当り次第な訳ですから、当然相手をしている学生も複数人います。
「選考企業の持ち駒にすぎない」と思っていても、エージェント側からも「手駒の一つに過ぎない」ということです。
担当のキャリアコンサルタントは親切心で就活生の弱みに付け込むような誘導をしてきますが、そこに人間としての情はありません。
就活生の選考状況や悩み、もっと言えば名前すら認識していないと言っても過言ではないです。
人間として向き合ってはくれません。
あくまで客。商売道具なんです。
私がエージェントを利用して感じた一番のデメリットは『業界が広がってしまう』ことです。
エージェント側は手当り次第で企業を勧めてくる訳ですからそれを鵜呑みにしていると選考企業・業界がバラバラになってきます。
『就職活動の軸』や『自分の熱量』が求められる新卒採用ではこれが仇となってきます。
新卒採用の面接では〈就活状況〉が聞かれます。
いくら自分の軸に沿って企業を選定していても、業界が広がってしまった結果…
面接官の中の企業イメージによって『軸がない』『熱量がない』という判断になりがちです。
具体的な企業名を絡めた質問があると尚更です。
〈就活状況〉は最初の導入として扱われることが多く、一度判断されてしまうと覆しにくいです。(第一印象として定着してしまう恐れがある)
エージェントを利用することは、今後の選考を不利にするリスクがあるということを予め伝えておきたいです。
【エージェントはお人好しサービスではない】
私は持ち駒を増やすことに必死で多くのエージェントサービスを並行して利用しました。
最後に、その経験から感じた傾向や私の想いを述べていきます。
まず、SNSなどを通じてアプローチしてくるエージェントは使わない方がいいです。
小規模なところだとフリーランスに近い個人の場合もあります。
最近、就活生をターゲットとした悪質なエージェントがいることも事実です。
『わたし一人に100万円が賭けられている』
と自覚しましょう。
サークルや大学、友達からのLINE紹介での求人も基本的には信用しない方がいいです。
これはマルチ商法などにも通じることですが、上手い話には必ずワケがある。と思いましょう。
規模が小さくなればなるほど所謂ブラック企業の確率も高くなります。
『内定直結』『特別選考ルート』などの魅力的な謳い文句に誘惑されますが、これも基本的にないと思いましょう。
選考ルートは変わらないですし時間も拘束されます。
基本的にエージェント側は「数打ちゃ当たる」考え方のため就活アドバイスなども鵜呑みにしすぎてはいけません。
鵜呑みにすればするほどエージェントの手の内となってしまいます。
また、エージェント側から要求される提出物などをしっかりこなしたとしていても対応は乱雑です。
これはどこのエージェントにも通じると感じています。
要求された内容を全てこなしたからといって選考に進めるとは限らない
と思いましょう。
返信がない。対応がない。放置されている。忘れられている。選考状況を忘れている。…等
よくあることです。
学生・企業に対しての責任は薄い立場ということは知っておいて下さい。
提出物や説明会出席などの拘束時間を経ても、選考に乗っていない・企業側の募集が終わっている(もしくは選考途中で終了)などはザラにあります。
名前や人物を間違えて対応されることがある ことも、態度が高圧的な人がいる ことも、エージェントの希望に沿わない場合人格否定をされることがある ことも予め伝えておきます。
しかし、それらはエージェントサービスを利用した自分の責任です。
私の場合エージェントを利用した就職活動をしていると心の中でどこか虚無感がありました。
私は就職活動を経て 《自分の人生は自分で拓く》ことが大前提だと実感しました。
エージェントを利用することでこの大前提を拒否していたことが虚無感に繋がっていると気付きました。
エージェントは就職先と引き換えに報酬を得る。就活生の人生については眼中にありません。
ここだけは理解しておいて欲しいです。
この記事を読んで、それでもエージェントを利用しようと思う人がいても私は止めません。
それは自分の選択です。
ただ、私のように一時期の焦りから軽率に利用しようと思っている人がいたら一度考え直して欲しいです。
『自分の人生』に『他人の人生』は関係ありません。
他人に流されず、自分で行動することに意味があると私は思います。
就職活動を機に、今一度『自分の人生』について考えてみると新しい発見があるかもしれません。
この記事を読んだ人が『自分の人生』に素直になって、より良い選択ができることを願っています。