梅雨

 梅雨にはそうめんが似合う。昔そんな事を言っていた人がいた。きっとその人は浴衣姿の女性がそうめんを食べている姿を想像したのだろう。しかし現実ではそうめんを食べているのは浴衣姿の女性ばかりであるはずがなく、そうめん台をそうめんを食べるためだけに使う人ばかりではないのだ。私の知り合いはプールの滑り台みたいにそうめん台で滑っていた。私たちがそうめんが流れてくるのを待っていると、そうめんの代わりに褌姿の彼が流れてきたのである。私たちは頭にきて彼のものを摘んでやろうとしたけど、実際の彼のものを見て悲しくなってやめた。彼とはそれからもずっと友人だけど、あの時の事を話すと彼は決まって恥ずかしそうにこう言う。

「あれはやっぱり女性陣に対して失礼だったよな。あんなに形が剥き出しの褌姿なんて履くんじゃなかった。トランクスでも履いてればよかったんだ」

 私たちは彼の言葉を聞いてみんな彼に対して何も言わないけどいつも心の中でこう思っていた。

『形なんかあったっけ?微かな膨らみさえなかった気がするけど』

 まぁ、私の青春の今となってはちょっと恥ずかしい一エピソードである。


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