最後のワンピース
「探してるんだ。最後のワンピースを」
と健二は秋子の目を見て言った。その視線に動揺した秋子は健二の目を避けて答えた。
「何よ、そんなに私を見ても無駄よ。ねえ、もうやめて!そんなに見つめたって私から何も出てこないわ」
「無駄じゃないよ!」
秋子は健二の突然の叫びに驚いて再び彼を見た。健二はただ一心に秋子を見ていた。
「お願いだよ。君の協力がなかったらこのパズルは完成しないんだ。二人じゃないと無理なんだよ。君はなんで僕の気持ちをわかってくれないんだよ!お願いだから二人で最後のワンピースを探そうよ!」
「だから持ってねえってさっきから言ってんじゃん!ふざけんなよお前!突然うちに上がりこんで何するかと思ったらジグソーパズルなんてはじめて!何が最後のワンピースがないだよ!元々箱に入ってなかったんじゃないの?」
「うるさい!絶対にあるはずなんだ!やっぱり君が隠しているんだな!隠してないって言うなら服全部脱いで証明してみろよ!僕が全部チェックしてやるから!」
「ふざけんな!とっとと出ていけ!」