初夜
「やっぱり新婚旅行熱海に選んでよかったわ。友達や同僚はなんで熱海なんて笑ってたけど、やっぱり私たち日本人じゃない。日本人だったらやっぱり和風の旅館で海に浮かぶ月を見ながら初夜を過ごしたいわ。ねぇ、もういいでしょ?早く一つになりたいわ。やだわ、もうお淑やかな私にこんなこと言わせないで」
「でもいいのか?男は夜は狼だっていうけど僕はそれ以下なんだ。いいかい?本当の僕は虫けらなんだよ。ウジそのものなんだよ。体の隅々まで汚いやつなんだよ。それでも僕を愛してくれるかい?」
「私はあなたの全てを受け入れるわ。だって私たち夫婦じゃない。私だって性欲ゴリラだって元カレたちに言われていたわ。さぁ、こっちに来て。そして本当のあなたを見せて」
わかったと夫は妻に頷くと暗闇の中浴衣を脱ぎ出した。妻は夫が浴衣を脱ぎ出したのをみて目を閉じた。ああ!今夜は両腕と股で夫を縛りつけて搾り取ってやりたい。多分夫は童貞のはず。ああ!なんて最高なんだろう。新鮮なむき卵を最初にしゃぶって食べ尽くすのが私だなんて。彼女は浴衣の襟の中に手を入れて乳首が男性器のようにそそり立っているのを確認した。ああ!こんなに勃ちまくっているわ。下はもうびしょ濡れじゃない。全くいつまで焦らしているの。早く布団の中に入って来なさいと目を開けようとした時彼女は胸に冷たく不快なヌメヌメ感を感じた。彼女は目を瞑ったまま胸の上に乗っかったそれを掴んで握り潰してしまった。虫らしきものを握り潰した瞬間彼女は夫の断末魔らしき声を聞いた。彼女は驚いて部屋の明かりをつけて自分の手のひらを見た。そこにあったのは一匹のウジの死骸であった。そのウジは一瞬で事切れる前に飛び出した自分の体液でダイイングメッセージを書いていた。
「あの、このウジ僕だから潰さないで……」