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社会は戦場だ

そう社会は戦場だ。私たちは学生生活を終え、このステイホームな極めて退屈な休暇を終えたら社会という戦場に向かっていかねばならないのだ。戦場、私たち平和な学生生活を送ってきた人間にとっては全く見知らぬ世界だ。この社会という戦場は私たちをどうやって出迎えるのか。戦場、もう猶予期間は終わりだと自分に活を入れても、それでもやっぱり自分のこの部屋が愛おしくてしょうがない。もうじきこの部屋ともサヨナラするなんてたまらないと涙さえ出てくる。戦場、いい加減覚悟を決めろと頭を洗浄してもフケ以外は何も取れないだろう。どんなに頭を洗浄してもためらいだけは取れはしない。最終面接のとき、担当者が私に「君は戦力になる」と言ってくれた。私はその時この思わぬ言葉に喜んだが、しかしよくよくこの言葉を考えるとその言葉に秘められた意味を悟って恐ろしくなる。私は社会の最前線に送り込まれるのだろうか。だが、もうためらいの猶予期間は終わりだ。さあ、さっさと準備を進めよう。社会という名の戦場に向かって行くために。

私は入社日に自動小銃一式を持って家から出た。勿論服は迷彩服だ。これが私の制服だ。私は銃を乱射しながら社会へと向かう。目の前に広がるのは社会という名の戦場だ。目の前にいる人々はすべて私の敵。そして私は孤独な女戦士。私は絶叫しながら辺りに銃を打ちまくった。


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