信長、本能寺に消ゆ
光秀の思わぬ裏切りで夜明け前の本能寺は突如騒音飛び交う戦場とかした。しかし戦況は一瞬にして決し、信長を守る兵たちは、光秀軍から放たれる銃弾と矢の雨に打たれ、次から次へと倒れていった。このあまりにも突然の裏切りにさしもの信長も何もすることが出来ず、もはや運命は決したと、すでに切腹の準備を始めていた。
「光秀め!あれほど恩をかけてやったのにこの仕打か!何故儂に謀反を起こすか!お主のかつらを家臣の前で取ったのが悪いのか!お主が包茎であったことを家臣の前でばらしたのが悪いのか!しかもお主が性病持ちだともばらしたのが悪いのか!許さん光秀!あの世で貴様を呪ってくれるわ!」
「殿、もう時間が!この蘭丸、殿の介錯を務めさせていただきます!」
「蘭丸、やっぱりお主だけは儂を……」
信長と蘭丸はまた燃え上がった。昨夜も熱い情事を交わしたが、今度は死の前の最期の情交である。二人の目があった。お互いの熱い想いを感じた二人だった。四十九の老年を迎えようとする男と、二十歳前の若々しい男のピュアな恋。もう一度二人は裸になる。二人で過ごす最期の時間。果てしないほど深く互いの愛を感じたい。また初めて出会った時のようにキスからはじめよう……。
「何やってんだお前ら!私達があんたを守るために戦ってるのが見えないの!あんたも槍持って戦いなさいよ!」
「なんだよお農、お前オレらのところに勝手に入ってくるんじゃねえよ!お農さぁ!戦ったってこの大軍相手に勝てるわけ無いじゃん!オレ、最期は蘭丸といっしょにイクからさ!お前もどっか好きなところに行けよ!……いつまでおれら見てんだよ!さっさとあっち行けよ!俺は今から蘭丸と一緒にイクんだから邪魔すんなよ!」
「……あっそ、じゃあ今すぐ一緒にイカしてやるわ!」
そういうなりお農は中年太りの裸の信長とゲイビデオに出てきそうな筋骨たくましい蘭丸を一刀両断にしてしまった。そして憎しみのあまり二人をミンチにすると寺に火をかけたのだった。