暴力教師
3年B組の担任小坂康介は生徒への暴行の件で校長に問い詰められていた。
「君、どうして土手で生徒を殴ったんだ!理由を言い給え!」
小坂はそう聞かれると顔を上げて重い口を開いた。
「私だって暴力なんか振るいたくて奮ったわけじゃないですよ!だけどアイツを立ち直らせるためにはしょうがなかった。一発ガツンと殴んなきゃわかんないやつだっているんですよ!」
「だからといって土手で生徒を殴るやつがあるか!君は彼を衆人の見ている前で殴って恥をかかせたんだぞ!おかげで彼は家出してしまったじゃないか!親御さんが息子が戻って来なかったら学校を警察に訴えると言っているんだぞ”!どうするんだ!どうしてくれるんだ!君は担任だろ? 彼の行きそうな場所に心当たりはないのか?」
「残念ながらわかりません。あの時思いっきり殴ったからどこにいったか検討もつかないですよ」
「何を分けのわからないことを言ってるんだ!早く探さんか!」
その三日後、アメリカから日本の高校生が空中から落ちてきたというニュースが届いた。記者が日本語通訳を通してインタビューしたが、その高校生の語るところによれば、自分は土手で教師に思いっきり殴り飛ばされてハワイを超スピードで通過してここに来たということだった。高校生はまたこんなことも言っていたらしい。
「カツラ取ったぐらいであんなに担任が怒るとは思わなかった。まじでアイツ思いっきりぶん殴ってきたからな」