作家尻取り
作家の尻を取るなんてあまりにも猥褻すぎると僕は思った。アンデルセンの尻をセルバンデスが取りセルバンデスの尻をスタンダールが取る。こうして出来たのが作家同士の熱いつながりである。尻取りの世界ではランボーの尻をボードレールが取ることもできるのだ。だがそうなると決して繋がることのできない作家も出てくる。例えば現世で熱く愛しあったランボーとヴェルレーヌ。彼らを尻取りで結びつけることは不可能だ。ヴェルレーヌがいくらランボーの尻を取りたくてもボードレールが既に尻を取ってがっつりはめてしまっているのだ。そしてヴェルレーヌにははめられる尻はなかなか見つからない。語尾にヴを持つ作家がなかなか現れないからだ。ヴェルレーヌは一人こんなことを呟くしかできないだろう。
秋の日の
ヴィオロンの
ため息の
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?