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妊娠…ダーリンの下へ 第3章 その6

 しょうがないわねと、私は自分のサイズのジーンズを適当に選び、そのまま着て行くねと試着室で着替えました。やっぱりピッタリ!私はモデル顔でセクシーボディでツルンツルンのお肌を持っているので、自分のサイズは完璧に把握しているのです。

 そしてダーリンそっくりの猿のTシャツ。よく見たら絵の下にWANTEDとかプリントされてました。まるでダーリンと私が罪人みたいじゃないと思いましたが、こうして着てみると私はダーリンに一生WANTEDされちゃったのかなと思えてきて少し嬉しくなりました。シャツの生地はザラザラしていてそれが、私のツルンツルンのお肌を私を抱きしめてくれた時を思い出させて……。一瞬体を丸ごとダーリンに包んで貰いたいと思い、ブラまで外そうとしましたがそれは流石にやめました。

 しかしダーリンそっくりのただの猿のくせに見れば見るほどダーリンを感じてしまう。Tシャツの猿からダーリンがピョン吉みたいに飛び出て来るかも。『オレはサルじゃねえオマエの愛したダリ吉だ』って。このTシャツが私を守ってくれるような感じがして勇気が出ました。私は戦闘、開始と気合を入れダーリンの死に場所へと向かう決意を固めたのです。

 試着室のカーテンをサッと開けて出ると、店員と男の子はビックリした顔で私を見ています。男の子が「あんれま〜変われば変わるもんだなや!すっかりワイルドになっつまって!」と感嘆し、店員も訛り丸出しで「まるでナチュラリストみていだべ」とベタ褒めです。

 私はすっかりナチュラリスト気分になり札束を掴んでお店にバラまいてやりました。もうお金なんかいらない!これからはナチュラリストになるの!ダーリン生まれ変わった私を見て!今から逢いに行くから!私は口を開いたまま棒立ちになってる二人に「ごきげんよう」とお別れの挨拶をして、そして駐車場まで全速力で駆け下りて行きました。

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