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君に再び巡り合うために転生したのだが・・・

 君への想いをここで長ったらしく書いてもしょうがない。ただ君に再び巡り合うために転生したことを書けば充分だ。君は僕をストーカー呼ばわりするかもしれない。けど君への未練で死んでも死にきれず転生までした男の気持ちはわかって欲しいんだ。神様は僕の願いを聞き届けてくれて君のそばに転生することを許してくれた。本当に南極にアザラシにでも転生したらどうしようかと思ったよ。あるいはアラスカの狼にでもなったらどうしようかとも不安になった。そうなったら僕は寒さに凍えて君に再び会うこともなく死んでいただろう。とにかくこれで再び君に会えるのさ。僕は転生すると早速前世で君とよく会っていた公園に向かった。

 公園に入った瞬間僕は息が詰まりそうになった。目の前に君がいるじゃないか?日君が秋の日差しを浴びて輝いているじゃないか。僕は胸の鼓動を抑えながら君に近づいた。

「久しぶりだね。僕だよ」

 と口にした瞬間僕は馬鹿げたことを言ったと思わず口を塞いだ。全くバカバカしい話しだ。彼女の知っている僕はすでに死んでいて、今彼女の前にいる僕は別人のはずなのに。

「な、なんですか?」

 今まではしゃいでいた君は僕が声をかけた途端驚いて顰めっ面をして僕を仰ぎみた。警戒しているのかい?当たり前だよね。だって転生した僕は君にとって道の人間なんだもの。

「聡子……」

 僕は思わず君の名前を呟いた。もう耐えられなかったんだ。本当なら僕が転生したことを一から話せばよかったんだけど、君を目の前にしたらそんな説明できる余裕なんてなくなってしまった。僕はただもう一度君の名を呼ぶ。

「聡子、僕だよ!君に再び巡り合うために帰ってきたんだ!」

「はぁ、聡子?私恵子ですけど誰かと勘違いしてません?」

「いや。前世でも散々言ったけど僕が再会したと言ってるのはあなたじゃなくてあなたがつれてるペットの犬の聡子ですよ。散々あなたに僕と聡子の馴れ初めを話しましたけどもう一度話してあげますね。僕は子供の頃道に捨てられていた子犬を拾って聡子と名前をつけて飼ってたんですが、両親がこの子は馬鹿だからペットは飼えないとか言って見知らぬ誰かに預けたんですよ。僕は悔しくて悲しくて泣き濡れましたが、ようやくあなたのペットななっていた聡子に再会することができた。だけど今度は僕の死が二人を引き裂いた。でももう離さないよ聡子!聡子そんなブスから離れて僕のところにおいでよ!二人でまた人生をやり直すんだ!」

「ああ!あなたもしかしてずっとポチ子をずっと付け回していたストーカーね!あなた死んだんじゃないの?まさかポチ子を付け回すためにこの世に戻って来たとか言うんじゃないわよね?さっさとこっから出ていきなさいよ!というかあの世に帰りなさいよ!」

「うるさい!そっちこそ聡子を置いてこっから出ていけよ!お前なんかに僕と聡子の絆を断ち切る権利はないんだ!」

 僕は聡子を取り戻そうとブスが持っていたリールを奪い取ろうとした。ブスはきゃあああと逃げようとする。逃すもんか。逃げたかったら聡子を置いていけと僕はブスを追いかけだけど、今まで毛を逆立てて牙を剥いていた聡子が僕に飛びかかってきた。聡子は僕を倒すと僕の顔に小便をかけて、さらにうんこまでぶっかけた。そして顔中うんこに塗れの僕を置いてブスと一緒に去ってしまった。


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