自分の好きなことで生きていくっていうこと
自分の好きなことで生きていくって、やりがいもあるし、楽しそうだし、輝いていてカッコ良く見えるし、誰もが理想とする仕事の形ではないでしょうか?
私もずっとそんな風に生きていくことに憧れてきました。
学校教師の仕事はやりがいもあったし、教えることは好きだったから、続けていこうと思えば、定年まで問題なく続けていけたんですが、
だんだんとそのシステムの外で自由に教えたいし、チャレンジしたいなって思い始めていました。
自分の理想の環境をつくって、自分の理想のカリキュラムを使って、自分の好きなスケジュールで、自由に楽しく教えたかったんです。
そしてそれよりも、もっと私がやりたかったことは、スタジオを作って、そこで英語だけじゃなく、大好きなヨガも教えたかったんです。
20年以上教師一筋で積み上げてきて、ずーっと学校に勤めてきて、安定していて、社会的な信頼もあって、そんなにストレスにならずに、結構上手くいっていたのだけれど、
どうしてもそんな「自分の好きなことで生きていく」っていうことにチャレンジしたかったんです。
「日本に帰りたい!」という気持ちが出てきたとか、
子どもたちが大きくなって、「第二の人生」について考えてたとか、
家族の病気や他にあった辛い経験などが「後悔しない人生を送りたい!」と強く私に思わせてたことなどが、
ちょうどそれと同じタイミングで重なったことも「自分の好きなことで生きる」という挑戦へと背中を押してくれたと思います。
学校を辞めるって言っちゃたし、
住んでいた家を売って日本に引っ越しちゃったし、
ビジネスの物件も見つけちゃったし、
スタジオの改築なども始めたし、
自分でもビックリするほど、そんなに入念に準備や計画をしなかったのに、「エイヤー」っていう感じで、「好きなことで生きていく」道へと歩き始めてしまいました。
やり始めたら、もうやるしかないので、その思いを叶えようと歩き始めました。そしてついに2019年の9月に、私の経営するスタジオ、「ナチュディオ」は正式にオープンしました。
🔶 大きな喜び 🔶
自分のビジネスをすることは、とっても大きな喜びになります!
自分が信じているものや、人生をかけて作り上げてきたものや、自分が心から表現するものが、誰かに感動を与えたり、誰かの成果や成長となっていったり、何かしらの価値を生み出していくのを見ることは、やりがいがあるし、言葉には表せないぐらい嬉しいものです。
全てを0から自分で生み出して、作り上げていくので、雇われた身で生きている時には味わえないような達成感が得られるし、試行錯誤で色んなことをしていくプロセスを通して、自分自身も大きく成長できます。
確かに、この1年半は、今まで学校で勤めてきた時の数倍のスピードで、色んなことを吸収して、色んなことを手放して、色んなことを感じて、私は変わってきたと思います。
人脈もビジネススキルも全くないところから、新しい土地で手探りで始めてきて、ちょっとずつ利益も出すことができるようになっていることは、とても喜ばしいことです。
🔶 それは厳しい道 🔶
でも、「好きなことで生きていく」のは、決して楽で簡単で甘い道ではありません。
自分の好きなことで生きていくということは、自分の社会的な価値と正面から否応なしに向き合わなければならないプロセスです。
組織の名前や肩書きなしに、自分個人として動いていくのは最初は全く信用がないので、とっても大変です。
「ビジネスの売上げ = 自分の価値」となってしまいがちなので、お客さんが来ないと、「自分には求められる価値がないのでは…」と思ってしまい、自信や自尊心がめっちゃ下がります。
かと言って、焦って自分の価値を下げてまで、激安で売ったり、ボランティアで奉仕するわけにもいきません。趣味ではなく、ちゃんと仕事としてやっていくんです!
またそれとは逆に、ビジネスモードになりすぎて、数字にこだわった集客中心なやり方や、自分の身体にムチを撃ちながらの激ハードスケジュールでやったりすると、幸福度や満足度、そしてモチベーションも下がります。
それでは、まるで「ビジネスの奴隷」となってしまい、雇われている身と変わりなく自由や喜びを失ってしまいます。ものすごくデリケートで、バランスをとるのが難しいんです!
自分の人生をかけて培ってきた知恵や経験などを全力でサービスしていき、顧客に喜んでもらいながらも、自分の情熱も維持し続けて、そこから適切な報酬をもらって食べていくんです。
「みんなも好きなことで生きていこうよ!」なんて、ヘラヘラと軽々しく言えるほど、決して甘いことではないなぁと感じてます。
🔶 好きなだけじゃ足りない 🔶
自分が好きなことであっても、それが他の人からのニーズとマッチしていなければ、そこからお金を生み出していくことは難しいでしょう。それでは、ただの自己満足でしかありません。
社会からその価値が感じられなければ、ビジネスとしては成り立たないんです。価値が感じられるものにしか、わざわざ人がお金を出して求められないわけです。
好きというだけじゃなくて、それに関するある程度のスキルや他の何かが必要になってきます。
誰にでもできるようなありふれたものではなく、経験を積んで、学び続け、磨き続け、その人にしかできないようなオリジナルなスキルが必要なのかもしれません。
または、惹かれる人間性、憧れるスタイル、信頼できるイメージ、近くにいるだけで喜びや癒しになるようなオーラ、共感できる感性とかかもしれません。
そこはビジネスによって、それぞれ違うので、個々にブランドを確立していかなければいけないものだと思います。
よく「Will(自分が好きなこと、やりたいこと)」 と「Can(自分ができること、得意なこと)」と「Need(社会から求められること)」がうまく交わるところに自分の「天職」とか「人生のミッション」とか「生きがい」のようなものがあると言われますが、それは的を得ているなぁと自分でビジネスを始めてみて、改めて感じました。
その3つがバランスよくマッチしていないと、起業してもなかなかうまくいかないんですよね。
私にとって、ヨガや英語を教えることは、好きだし、得意だし、今のところは、それなりに周りからの需要があることだったのが、ビジネスセンス0の私にとって、ちょっとだけ救いでした。
🔶 覚悟やメンタルの強さが必要 🔶
自分の好きなことを仕事にして生きていくって、とってもやりがいがあるけれど、きれいごとで語れるものでもないし、「何とかなるさ」という楽天思考だけでは、とっても乗り越えられるものではないチャレンジだったんだと実際に経験してみてから知りました。
「好き」を優先するとは、その引き換えに、起こってくる全てのことに立ち向かえる覚悟やメンタルの強さなどがとっても必要なんです。
成果がみられない時期があったり、資金繰りがヤバくなったり、集客がうまくいかなかったり、自然災害やウイルスにも影響を受けたりと色々チャレンジがあって、焦ったり、不安になったりと
「あなたは、それでもやり続けれるの?」と試されるように、次々にいろんなことが起こってきます。
例えば私の場合、オープンした次の月の10月に歴史的な規模の台風が千葉に来て、改装したばかりのスタジオの看板が壊れ、屋根が飛び、倉庫にしていた小屋のガラスも割れました。その後、停電・停水になって暑い中クーラーやトイレも使えない状態になりました。
その次の月にまた台風が来て、幸い被害はなかったものの、近所が大雨によって洪水になりました。
レッスンが終わった後、まるで遊園地の水上アトラクションに乗っているようなぐらいタイヤより高いところまで水量が上がっている中、車が沈まない道を選びながら、ドキドキしながら気をつけてドライブして家に帰ったことを覚えています。
その次に来た大きなチャレンジは、コロナの影響から、自粛が必要になり3ヶ月スタジオを閉めた時でした。
この頃はとっても不安でした。せっかくビジネスが軌道に乗り始めて、生徒さんが増えてきた時のことだったからです。
スタジオを閉めて最初の1ヶ月は無料でオンラインレッスンをしたので、収入が0になりました。光熱費や保険料、通信費などの固定費を払っていたことを考えると、マイナスでした!
他にも数々の色んなハプニングがありました。そんな不安やストレスを乗り越えていける強さが必要なんです。
🔶 それでも好きであることは大切 🔶
「自分の好きなことで生きていく」のは、キツいし大変だからこそ、やっていることが好きであることが大切になってきます。
うまくいっている時は、楽しく続けられるかもしれないけれど、うまくいっていない時にも、あきらめずに続けていくには、好きじゃないと無理です。
世間では、上手くいっている人の成功経験だけがクローズアップされがちですが、ほとんどの場合、花が咲かない時も諦めずに積み重ねてきた何かしらの経験があるはずです!
どんなプロでも、最初は誰も知らない無名のアマからスタートします。少しずつ積み重ねていって、だんだんとスキルがついてきて、できることが増えていって、成功していったんです。
「一攫千金」みたいに、運だけで急激に上がった人は、実力が伴っていないことも多いので、すぐに消えてしまうことも多いような気がします。
私も「楽に苦労せずに、手っ取り早くビジネスが軌道に乗って安定できれば良いな!」って思っていた時期もあったけれど、今は「コツコツと地道にできることを続けて、自分のスキルを上げていく時も必要!」と感じています。
未来の結果ばかりを求めて、今を犠牲にして生きていくのではなく、「このビジネスを育てていく今の過程を楽しんでいきたい!」と思えるようになりました。
有名になったり、ガッツリ稼ぐことを目標にするのではなく、「私を選んでレッスンに来てくれる生徒さんに成長してもらいたいし、喜んでもらいたい!」というベースを忘れずに、これからも進んでいきたいと思います。
なんてカッコつけちゃったけれど、まだまだ不安になって、心が揺れたりすることがほとんどです。だから、調子が良い今、この思いを忘れないうちにここで宣言しておきたいと思います。
🔶 なくなってわかるありがたみ 🔶
雇われている時には、自由になりたくたくて「毎月心配しなくても同じ額の給料がもらえる!」っていうことは、当たり前すぎて、そのありがたみは全く感じていませんでした。
「自分の時間やスキルと交換に、安定・安心できる毎月の給料というものをいただいてきたんだ!」っていうことに気づきました。本当にありがたいことだったんですよ!
病気になって健康のありがたみを知ったりするのと同じで、今まで普通にあったものがなくなるまで、その本当の価値にはなかなか気づけないのが人間なんですね!
🔶 最後に 🔶
『自分のビジネスを始めてまだまだ「ひよっこの私」なので、これからも長く結果を出し続けないとビジネスについては語れないよ…』とか
『学生時代のバイトを除いては、他の仕事についた経験が全くなく教師一筋で生きてきた「世間知らず」な私に、ビジネスのことを偉そうに語る資格はないよ…』など
と思って、こんな風に自分のビジネスについての記事を書くのをためらっていました。
そんな時にテレビからこんな言葉が流れてきました。
「経験するだけじゃ学びにならないんですよ。経験を振り返ることで初めて、その経験が学びになっていくと思うんですよ!」
そんな言葉を聞いて、「今までの自分のビジネスの道のりを振り返って、『経験』を『学び』にしよう!」と思いを固めました。だからいつものように、この記事は私のために書きました。
単なる個人の振り返りの記録だし、1人の意見なので、軽い気持ちで読んでくれたら嬉しいです。
あなたは、あなたの道を歩いていってください!「好きなことで生きる」道へとチャレンジしても良いし、しなくても良いんです!
私は大変だけれど、自分の好きなことで生きていく道を選んだことに後悔はしていません!そして今のところは、このまま「好きなことで生きていく」道を、自分のペースで歩き続けたいと思っています。