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勿忘草、語ります。/表現の力

表現の底力を感じたので、語る。



昔、友人と話していた時のこと。

友人が言った。
「昔、高校で薬物乱用教室があってさ。」

私は慌てて訂正した。
「防止、防止!薬物乱用防止教室でしょ!!」

知り合いは、「ははっ。」っと笑って続きを話した。間違えてはいけないところだと思うのだが、、、


友人曰く。
友人が高校生の時、薬物乱用防止教室があったそうだ。その時に流れた動画が、とにかくリアルで怖かったらしい。


聞いたところによると、動画のあらすじはこうだ。




ある男子高校生のお話。
先輩に誘われて知らずにアヘンを吸ってしまった主人公。アヘンだと知った時には時すでに遅し。

主人公は、アヘンの摂取を2回、3回と繰り返す。半狂乱になった主人公は、警察に助けてくれと駆け込む。

逮捕された主人公。
釈放された主人公。
出所しても繰り返してしまう薬物。

「もうやりたくない。」
そう言いながら注射を打つ主人公。

家族も自分も不幸にした主人公は最後、刑務所の中で無表情のまま、時を過ごす。

そこに救いはない。
希望も未来も何も無い物語は、そこで終わる。


怖っ!!

知り合いが言うことには、薬物中毒になってしまった主人公の表情がリアルで、「この人、本当に薬物やってないの?」と思うほどだったらしい。
もちろん、役者さんなので、そんなことしてはいないのだが、そう思うほどリアルだったらしい。


「あれ見たら思うよ。マジで薬物なんてやんないって。」


動画のメッセージが、友人に届いたようだ。


ああ、これが表現の力か。
その時ふと思った。

薬物なんて、人の多くの人にとって自分には関係ないことだと思うだろう。インパクトには残りにくい。もしかしたら、「ふーん。」で終わってしまったかもしれない話だ。それを、動画で疑似体験に変えて、その恐ろしさを伝える。


全身全霊で訴えて、「自分事」にさせる。
相手に、自分の知らない世界を想像させる。

表現力のなせる技だなぁ。

そう思うとこの動画。
見てみたいような見たくないような、、、


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勿忘草(わすれなぐさ)
よければ応援お願しいます(*・ω・)*_ _)ペコリ