ワークライフバランスの大切さは体調を崩してから気付く

「ママは仕事の鬼だったよね~」
未だに言われるこの言葉。
小学生の娘が、去年までの私を「仕事の鬼」と言う。
おそらく「仕事人間」的なニュアンスなんだろう。

私はよく仕事を持ち帰っていた。
だって終わらないんだもの。
学童と保育園のお迎えのリミットで
毎日、無理やり強制終了
というのはまだいい方で、
明日普通に出勤できる保証はないし、
むしろ、保育園からの電話によって
1時間後には帰らざるを得ない状態に突然なるという可能性もあると、毎日、常に頭に入れながら仕事していた。
だからいつもお迎えのチャリを漕ぎながら
「今日も一日仕事できた!良かった!!」と心の中で叫んでいた。
大げさではなく、子育て世代はそうだろう。

仕事には優先順位があるけれど、
ワーママになってから、試行錯誤して編み出した仕事方法がある。
それは「社内でできる仕事」と「持ち帰れる仕事」に分けてから、優先順位をつけること。
もちろん、締切が優先で、早急にする仕事が先なのだが、
例えば1週間後が締切の仕事の場合、とにかく社内でしかできないことを優先してやるのである。
そして、余裕が出てきてから、持ち帰れる仕事に手を出す。
なんでそんなことをするかって?
そうすれば、急に明日子どもが熱を出して休むことになっても、家で進められるから。
ただし、これは業種にもよるし、今はセキリュティの関係上難しい方も多いだろう。そして何より、サービス残業になるので本当はおすすめしない。
それでも、少しでも「仕事が終わらないので丸投げ」というのを避けたかった私は、そうして家でも仕事していた。
前の職場はアナログな仕事が残っていて、手書きの書類もあった。
だからこそ出来た術なのだが…

子どもが熱で休んでいるとき、
夫が帰ってきて子どもを見てもらえるとき、
仕事が押しているときに、少しでもこの後の仕事をする自分のためにと家で仕事をしていた。
そして、ある金曜日の夜、何気なく私はこう言った。
「明日休みだ~!この土日で仕事進めるぞ!!」
横で聞いていた娘は苦笑しながら
「ママは休みの日も仕事しているね」と言った。

今考えれば、仕事を持ち帰るというのはおかしいのだ。
当たり前だが、私の仕事はテレワークではない。
素直に「頑張って仕事をしても業務時間内に終わりません」というべきだった。あの時の自分のためにも、一緒に仕事をするメンバーのためにも。
無理してサービス残業をして終わらせていた仕事は上層部には理解されることもなく、「○○の仕事を簡略化するから、産休に入る人の分は新しく入れない予定です」と言われたのだった。

私は「小さな子どもがいるけれど、お迎えに間に合うように帰り、日々の業務をこなしている」とおそらく職場では思われていた。
でも、そんなことは全然なくて。
必死だったし、持ち帰ってなんとか終わらせていただけで。
今になって、私の後の、育休復帰をした後輩がワークライフバランスを崩さないか、体調を崩さないか心配になる。
私は「子持ち様」と言われる側だったので、一緒に働く仲間には助けてもらってばかりだった。「急な早退、欠勤がある社員=半人前」のような気持ちで、ずっと申し訳なく思っていた。だからこそ、足は引っ張るまい、と持ち帰って出来る仕事だけは終わらそうと決めていた。

男女問わず、独身も既婚も、子の有無も関係なく、ワークライフバランスが崩れれば、心と体を病む。私は適応障害になり、すべてのことを無理しすぎたと反省した。
働く環境を整えるのは、職場の上層部の仕事。
つらかったら、何かおかしかったら、きちんと声を上げるべきだと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?