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山口県萩市 Rise of the Ronin(ライズオブローニン)長州藩聖地巡礼弾丸旅行記
概要
2024年に発売された幕末オープンワールドゲーム「Rise of the Ronin」に登場する長州藩のキャラクターにゆかりのある地に行ってきたので、個人的な備忘録としてまとめます。
ライズオブローニンには長州の人物が多く登場し、ゲームのタイトルも吉田松陰の言葉由来らしい(「草莽崛起」由来だったと思うのですがあやふやなので違っていたらすみません。)ことなどにより行ってみたくなりました。作品中に長州が舞台として出てくるわけではない(横浜、江戸、京都が舞台)のでそれは聖地巡礼なのか?という疑問もありますがそこはご容赦ください。
(関連記事)
ゲームに登場する長州藩出身の人物について
東京から1泊2日というかなりタイトなスケジュールなので、下記の人物達ゆかりの地に絞って巡りました。
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旅行日程概略
首都圏から公共交通機関のみによる1泊2日の行程です。
なお一人旅です。
東京から萩までは片道約6時間かかるので、2日間のうち12時間は移動時間という…余裕を持って楽しむなら2泊3日の方がいいですね。距離が近い西日本からの旅行だとまたスケジュール感が違うと思いますが。
飛行機で行くか新幹線で行くかも迷ったんですが、空港より新幹線の駅の方が自宅から近いこと、キャンセル料が安いことや時間変更が簡単(ネット予約の場合)なことから新幹線にしました。飛行機の方が運賃自体は安いものが多いけどキャンセル料50%となるとちょっと躊躇ってしまい…。
遠いは遠いんですが、幕末に長州と江戸を行き来していた当時の人からしたら6時間はめちゃくちゃ早いんだろうなぁなどと思いながら移動していました。
せっかく山口県に行くので2泊3日にして下関にも行こうかとも考えたんですが、調べたら萩から下関まで公共交通機関だと3時間かかるということで、体力的にきつそうだったのとどちらも中途半端にしか滞在できなくなったら嫌なので今回はやめました。(今振り返ると萩だけにして正解だったと思います)3泊4日できるなら萩と下関両方いける気がします。光市の伊藤公資料館も気になる展示をやっていたのですが更に遠く…同じ県内なら近いというのは幻想だった。
車であれば1時間くらいみたいなので、車が運転できるならレンタカー借りて両方行けるんじゃないでしょうか。車ってすごい、改めてそう思った。
・1日目
6時ごろ 東京から新幹線乗車
10:30 新山口到着
高速バス スーパーはぎ号乗車
11:50 萩到着
17:00ごろまで萩明倫学舎、城下町を中心に自転車で観光
18:00過ぎホテルチェックイン
(終了)
・2日目
8:00〜12:00 松陰神社周辺エリアを自転車で観光
12:00〜13:00 休憩、循環バス移動
13:30~14:30 萩城址周辺エリアを自転車で観光
14:30〜15:30 萩明倫学舎でお土産購入
15:30〜16:50 スーパーはぎ号で新山口駅へ
17時〜22時頃 新幹線で東京へ戻る
(終了)
萩の観光エリアを明倫学舎・城下町、萩城址、松陰神社周辺の3つに分けて考えて周りました。
萩は観光地がコンパクトにまとまっているので、街に着いてしまえば全てのエリアを自転車で回ろう思えば回れるところが非常に良かったです。
ただ、あらゆる観光地やサービス(レンタサイクル、荷物預かりやロッカーなど)が17時で営業終了するので、1日目は実質16:30くらいには切り上げることになり思ったより時間に余裕が無かった。
また2日間とも昼食は取りませんでした。
今回は観光に全振りのスケジュールになりましたが食事も温泉も観光も存分に楽しむということなるとやはり2泊3日あるとよさそうです。
あと私は場所によっては2〜3時間かけてじっくり見ていたので、一箇所あたりの見学時間を30分〜1時間などきっちり決めて回ればもっと他に出来ることが増えると思います。(出来なかった)
・萩の良かったところ
①偉人の人口密度の高さが半端ない
城下町などを巡って思ったんですが、ほんとに偉人同士がご近所さんだったことがわかり、こんなお互い歩いていける家に住んでたの!?と驚きました。
しかも教科書に必ず載ってるレベルの超有名な偉人達です。
色々見ているうちにローニンには出てこないですが日本初の留学生と言われる長州ファイブなどの日本の鉄道や造幣の父となった人たちのことも知り、当然のように長州出身で、すご過ぎ…と慄きました。
自分が住んでる街の出身で教科書に載るレベルの偉人はいなかったと思うので、差がすごすぎてたまげることしかできなかった。
東京とか京都のような首都的な街以外でこんなに偉人が多い場所って他にあるんでしょうか。すごすぎ。
②観光地の周りやすさ
前の項目でも既に書きましたが、萩の観光名所は一定エリアにまとまっているのですごく回りやすかったです。
中心地に萩明倫学舎があり、西側に城下町、海側に萩城址、少し離れた東側に松陰神社という配置もわかりやすくてよかった。
市内循環バスとレンタサイクルの二つが観光客のメジャーな交通手段と思われます。
坂道が少ないので自転車の移動に適していましたが一箇所だけ、吉田松陰先生誕生の地だけはかなり急な坂道を登っていく必要があり、普通の自転車では登るのが難しくハァハァ息切らしながら押して登りました…そこで体力をかなり消耗してしまったので電動自転車か巡回バスにすればよかったです。Googleマップでは高低差がよくわからなかったのが罠でした。
私が巡った場所の中ではそこ以外は全然普通の自転車で大丈夫でした。
あと萩の特徴として江戸時代から街の形が変わっていないというのがあり、すごく整然としてシンプルな街並みなので、初めてでも道に迷わず目的地に辿り着けました。
地図を読むのが苦手で方向音痴な自分でもちゃんと道を理解できたのでちょっとした感動がありました。
萩の景色の印象として空がめちゃくちゃデカいというのがあるんですが、高い建物があまり無かったので道の先まで見渡せるのも迷いにくい理由かも?
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③のんびりゆったりとした空気感
観光地や店、交通機関など混雑や待ち時間がほとんど無く行きたいときに行けるのが良かったです。
観光バスも多く見かけられ、観光客は絶えず来ているものの程よい人出。
多分幕末明治維新関係の史跡となると理解するには多少でも歴史の知識があった方がいいので、基本的に日本人向けの観光地だからか、いわゆる昨今の過剰な観光地価格みたいなものもあまり感じませんでした。(平日とはいえ泊まったビジネスホテルが一泊7千円代で温泉と朝食バイキング付きだったのはちょっとした感動でした)
昨今、都心などはあまりにも人が多過ぎて疲れてしまうのでこのまったり感はほんとに癒される。
街の雰囲気がのんびりしていたのでリラックスできました。
トータルで言うと大満足でした!!!
・旅行の思い出
ここからはただの思い出話になります。スケジュールはキツキツだったけどめちゃくちゃ楽しかった。
1日目
①新山口駅からスーパー萩号への乗り換え
新山口駅はとても新しくて綺麗でした。新幹線到着からバス出発まで15分くらいしかなく、乗り遅れたら次は2時間後になってしまうという緊張感がありましたが無事に乗り場を見つけて乗車できました。
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②萩明倫学舎へ
萩明倫学舎に最初に降り立ちました。
観光案内所もありパンフレットや地図も貰えるのでここからスタートしてよかったです。
レストランやカフェ、お土産屋もあるのでとりあえずここに来れば何とかなる。レストランのメニューが美味しそうだったので行こうと思ってたんですが残念ながら団体客の貸切時間で満席だった。(そして昼抜きを決断)
無料で見られる区域だけでも楽しめますが、やはり幕末目当てで来たので有料展示も見てきました。ローニンに出てくるキャラが身につけているアイテムや武器も見つけることができ、これ本当にあったんだ!という驚きもありました。見応えがあったので思った以上に長居してしまいました。
見学するとロッカーを使わせてもらえる(閉館の17時までに取りにくるなら外に出てもいいと確認しました)ので荷物を置いて観光案内所で自転車をレンタルして、次の目的地へ。
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数ヶ月前までは髷姿に刀を差していた侍たちとは思えないポージング。
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③山縣有朋誕生地
明倫学舎の次に向かったのが山縣有朋誕生地です。他のスポットから少し離れていたのですが、ローニンのキャラの中でも特に好きなのが山縣さんなのでここは行かねばと思い行ってきました。
川の近くの閑静な住宅街の中に佇んでいました。良い場所だ〜。
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④萩中央公園(山縣有朋銅像、久坂玄瑞進撃像)
再び明倫学舎付近に戻り萩中央公園で山縣有朋と久坂玄瑞の銅像を見てきました。
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⑤木戸孝允旧宅
公園からすぐ近くの城下町にある木戸孝允旧宅へ。
部屋がたくさんある大きなお家で、裕福な家庭だったのかなぁと思いを巡らせました。
写真などの資料や桂さんに関するエピソードなんかもところどころに掲示してあり見応えがありました。
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⑥円成寺
伊藤博文と高杉晋作が幼少期に遊んだというお寺だそうです。
2人も遊んだという馬の像なども見られました。
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⑦高杉晋作立志像、高杉晋作誕生地
また城下町を進み高杉晋作広場にある像とその近くの誕生の地へ。
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⑧萩博物館
城下町からほど近い博物館へ。萩の歴史について詳しく学べて勉強になりました。とにかく歴史が濃厚過ぎる。特濃の幕末明治維新成分を摂取できました。薩長が倒幕の中心だったということ自体は当然昔から知っていたんですが、今まで深掘りするほどの興味がなかったのでその過程でいろんな困難もあったんだなぁと知ることができました。
あと萩の特産が夏みかんなのも明治維新が関わっていたんですね。
本当はこの後萩城址まで行こうと思っていたんですが、自転車の返却時間が近づいてきたため1日目はここで終了としました。
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ちなみに夜はせっかく海沿いの街に来たのでお寿司が食べたくて思い切って回らない寿司屋に入りました。
お店の方は記念に萩の写真をくださるなど親切で、味も美味しかった…!
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2日目
①松陰神社
2日目は今回の旅の最大の目的地でもある松陰神社へ朝一で向かいました。
ライズオブローニンにおいて吉田松陰の出番自体は序盤までで、門下生から間接的に話を聞くことはあっても本人から直接的に多くは語られないため、どういったことを教えていたのか気になっていました。
神社、松下村塾、歴史館や宝物館など見どころが多過ぎて3時間近く滞在してしまった。
宝物館では松蔭先生や高杉、伊藤、山縣、久坂などの門下生たちの直筆の書などの数々の貴重な展示があり見入ってしまいました。
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目の前にしたとき本当にテンション上がりました
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②伊藤博文旧宅・伊藤博文別邸
伊藤博文が幼少期から長年住んでいた旧宅の隣に、東京から移築した別邸が並んでいます。
旧宅は外観のみ見学、別邸は内部も見学できました。
かなり立派なお屋敷で、内部でパネル展示などもあったので見るところがたくさんあり予想以上に時間がかかりました。
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一等地ですもんね。
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伊藤さんもここで寛いでいたんでしょうか。
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余談になりますが、ライズオブローニンで伊藤博文と山縣有朋が出てきた時に、えっ総理大臣の?明治時代の人じゃないの?幕末から何か活動してたの?と驚いたんですよね。桂小五郎や高杉晋作はゲームや漫画作品などでよく見るので幕末の志士と知ってたんですが…。考えてみれば幕末から活動してたから明治時代に偉くなってるわけなので当たり前なんですが、この2人をゲームのキャラ化してるのって結構珍しくないでしょうか。
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③吉田松陰誕生の地
続いて吉田松陰誕生の地へ。前述の通りかなり急な坂道を登って向かう必要があり、普通の自転車ではかなりきつく、到着した頃には疲れ果てていました…でもその分街全体を見渡せて景色はすごく良かったです。すぐ近くの東光寺も行こうと思っていたんですが、これ以上自転車で坂道を行く元気がなかったのでここで街に戻ることにしました。
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④萩城址
東萩駅で自転車を返却。巡回バスで萩城址に向かおうかとも思いましたが、たまたま来たのが明倫学舎の方に行くバスだったので一旦そちらに向かい、そこでまた自転車を借りて向かうことにしました。手段が色々あるのでどう行くのが正解だったのか正直なところわかりませんが、自転車だと時間に縛られず寄り道も気軽に出来るのが良いです。ただどこまで行っても100円の巡回バスの方が圧倒的に安い。
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そして萩城址へ到着
自転車の乗り入れ可能なのがありがたかったです。
まずとても立派なお堀に目が奪われます。
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⑤萩明倫学舎から新山口駅へ
ひとまず見たかった場所は全て見ることができ満足したので、明倫学舎に戻ってお土産を買ってバスで新山口駅に向かい、新幹線で東京へと戻りました。
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普段あんまりお土産買わないんですが自分にしてはたくさん買ってしまった。
ライズオブローニンって令和のゲームとは思えないくらいなぜか一切グッズが出ないので、ここでグッズ欲を発散したのかもしれない。
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1泊2日という短い滞在時間でしたが、濃厚でとても楽しかったです。余韻がすごい。しばらくは写真などで振り返りつつ反芻したいと思います。
萩はいいぞ。
ライズオブローニンもいいぞ。
https://www.playstation.com/ja-jp/games/rise-of-the-ronin/?pid=JP9000-PPSA04542_00-RONINDEMO0000000&pdpr=1