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toricollector
世界を置きざりにした私たちへ
たった一点に向けられた否定が、気づくことのできない奥深い部分まで否定する。
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それと逆に何気ない肯定が気づかない深いところを認めていることもある。
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あなたの引いた直線の下には、いつも無数の別の直線が眠っている。
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そのどれか一本が誰かの中でめざめるとき、あなたはその直線を引いたことになるだろう。
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あなたの手の動きに世界はいつも置いていかれているが、それはこんなふうな形でだ。
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いつどんな世界があなたに追いつくかはわからない。
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永遠に世界はあなたに追いつかないかもしれない。
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あなたを説明する言葉を世界はもっていないかもしれないのだ。
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それを孤独と呼びたがる。
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だがこれは孤独というより、ある可能性の息遣いだ。
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どれだけ近づくことがなくても、せめてそばにいて、その息遣いを感じていよう。