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長女の夢と美容院
秘密主義の長女。低学年の頃、クラスに掲示する自己紹介の用紙には
将来の夢:おはなやさん
と記していた。でも、本当はずっと美容師になりたいらしい。きっかけは分からない。
長女は私と同じ美容院に通っている。担当の美容師さんと店の雰囲気が好きらしい。友人と自転車で美容院の前を通ったときに自慢していてかわいかった。
担当美容師さんは私と同学年なのだが、おしゃれでかわいくて年齢不詳な見た目。私は話をしていて楽しすぎて、何のために通ってるの?!と思うくらい心も髪型も心地よくしてくれる。
子どもが通うには贅沢すぎると思うし、長い髪も前髪もそれしか切らないの?とツッコみたくなるくらいの長さの変化。柔らかい長女の長い髪をキレイにおさまりよく整えてくれて感謝している。
繊細で人見知りな長女。アシスタントのお姉さんがシャンプーで話しかけてくれたらちょこちょこ話していたけれど、切ってもらっている間はほとんど動画を見ていて美容師さんとは話さない。
だけど、娘は今の美容師さんじゃなきゃ嫌だと言う。最後に可愛くスタイリングしてくれるからかな、と思っていたけれどそれだけじゃなさそうな気もしている。
担当の美容師さんは予約が取りにくく、私だけで別の美容院へ行くことがある。担当の男性に娘が美容師になりたいらしいと話した。
美容師は大変ですよー、自分の子どもには勧めませんね、とネガティブな方向へ向かい途中でこの会話をやめた。
大変なのは素人でも多少は分かる。カラー剤で手が荒れて美容師を辞めざるを得なかった親戚がいた。トレンドを勉強し続けなくてはいけないし、技術向上も欠かせないだろう。腰痛など体力勝負だとよく聞く。憧れだけでなんとかなるものじゃないこともわかる。
それでも自分の仕事に憧れている人に対して、ネガティブな言葉でアドバイスをするのは残念な気持ちになってしまった。初めての客だけど、仕事には誇りややりがいをもって向き合っている人がいいなと思ってしまった。(偉そうにごめんなさい)
長女はついにクラスで本当の将来の夢について明かしたらしい。友だちに質問攻めにされてバレた…と言ってたけど、夢を口にするなんてすごい進歩だなと思う。
これから先、夢は変わるかもしれない。
それでも、自分でなりたいものを見つけ出した長女。
かわいい女の子のヘアアレンジ的な本を読み、美容院での仕上げに希望のアレンジをしてもらって恥ずかしそうにはにかんでいた数年前。
大好きな担当の美容師さんは、来月店を移るそうだ。長女は「ついていく、あの人がいいから」と。
意志の強さと自己決定力は長女の良さだ。
美容師になるにはコミュニケーション力が足りないだろーとパパにツッコまれていたけれど、このまま大人になるわけではないだろうし、長女なりにもがきながら成長したらいいと思う。
夢を描くのは自由でいいよね。