二人目ラッシュと療養
上の娘が2歳のとき
悪性腫瘍が見つかった。
なんとなく鼻水が止まらなくて
かかりつけの耳鼻科を受診したところ
👨⚕️何か〈できもの〉があるね
レントゲン撮るよ。
紹介状書くから、大きい病院で
診てもらって。
あっという間の出来事。
健康には自信があったから
あーなんか
できちゃったのね
くらいにしか思わず。
市立病院で色々調べてみても原因不明。
👨⚕️なんだろうね、
とりあえず手術で取りましょう
入院、手術が決まった。
なんか大事になってきちゃったな
気がかりだったのは娘のこと。
まだ2歳。
夫は仕事もあるし、
一日中パパと娘
2人だけで過ごしたこともない。
私が入院中は近くに住む
私の両親のところで
娘は過ごすことになった。
自分の病気なんかより
娘のことのほうがずっと心配で。
両親は娘がいつも通り過ごせるよう
車で30分以上かけて保育園にも
登園させてくれた。
私は娘がさみしくないように
毎日渡せる
手紙を書いて託した。
そして、
手術は無事に終わった。
お迎えに来てくれた娘は、
笑顔で駆け寄ってきてくれた。
すっごく良い子にしてたんだよ。
両親から教えてもらった。
私は溢れる涙が止まらなかった。
毎日一緒にお風呂に入って
毎日一緒にお布団に入って
さみしくないわけないのに
こんなに小さいのに
よく頑張ったね。
たくさん我慢してたんだろうな。
無事に終わったと思ったのも束の間。
手術後の病理検査を経て
診断された病名。
鼻の奥にできる
とても珍しい悪性腫瘍。
👨⚕️うちでは症例がないから
今後の治療については
もっと専門的な病院で
診てもらってください
どうやら、宝くじに当たるくらい
珍しいらしい。
それなら宝くじに当たりたかったな…
なんて周りの人には
笑って話したけど
何もわからない不安。
夫には
病名をネットで検索するのはやめなさい
と言われ、
思った以上に深刻なのかなと怖くなり
素直に従い、検索しなかった。
そこからは
信頼できる先生に出会い、
診療方針を決め、放射線治療を経て、
検査、診察を繰り返し今に至る。
仕事は3ヶ月ほどお休みさせてもらった。
これまで頑張ってきたんだし、
子育てしながらの通院は大変だから、
今は治療に専念して
きちんと療養してから戻っておいで
と言ってくれた上司のおかげで
無理せず放射線治療に通うことも
できた。
その頃、
娘を通じて知り合ったママたちは
二人目ラッシュの時期。
妊娠、出産の話題を聞くことが増えた。
笑顔でおめでとうを言い、帰宅。
洗濯物を取り込みながら
ベランダから見える青空が澄んでいて、
私は一人で泣いた。
心からおめでとうって
思っていたんだけどな。
私もそろそろ二人目を授かれたら
いいなって
考えていたタイミング。
私は病気か…。
人生は
思い通りにいくことばかりじゃない
わかってるけど、やっぱり辛かった。
仕事に復帰し、
いつもの日常が戻っても
不安が襲ってくることは何度もあった。
私は娘の成人式を
見てあげられるのかな。
当たり前だと思ってたことが
当たり前として存在しないかもしれない。
幸い、病気は初期だった。
それでもやっぱり色んなことを考えた。
病気のこと、療養のことは
聞かれたら隠さず話している。
なぜだか、隠したい気持ちはなかった。
驚いて涙を流してくれた友人や同僚。
反応はそれぞれだったけど、
話したことで関係が変わるなんて
ありえなかった。
そして、ずっと背中を追ってきた
大好きな先輩は
「みんなそれぞれ、色んなことを抱えてる。
あなただけじゃない。
だから、気にせずに真っすぐ進めばいい。」
と、優しさだけじゃない
厳しくて温かいエールを送ってくれた。
今も1年に一回の定期検査と診察は
続いている。
一人で病院に向かうとき、
結果を先生から聞くとき、
とても緊張するし、不安になる。
療養していた頃に何度も聴いた曲は
今でも涙が出る。
それでも、
早期で見つかってよかったと思うし、
自分の体や心について
深く考えるきっかけを与えてくれて
感謝している。
前向きに解釈して、
受け入れて
笑顔で毎日過ごせている
幸せだ🍀
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