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『きみの脳はなぜ「愚かな選択」をしてしまうのか』 ダグラス・T・ケンリック、ヴラダス・グリスケヴィシウス 著 その1。


図書館で借りた本です。
進化心理学に関する本はなんとなく探していて、なかなかないなと思っていて、思いもよらぬ場所に心理学関係の本が置いてあって、その中にありました。

軽い気持ちで借りて読んだんですけれども、想像以上に面白くてびっくりしました。
進化心理学のポップで面白いところ凝縮したような作品です。

いつもの、約200万年続いた狩猟採集時代。
そこで培われて適応した脳が、まだ0.1万年も続いていない産業革命以降のこの現代に適応するわきゃないってやつですね。

で、作者の画期的なところ。
我々には、自分本来の自己とは別に、狩猟採集時代に培われた7つの下位自己の存在を主張してるところです。

その下位自己それぞれがしのぎを削ってるというか、やりとりしているというか。たまに本来の自己の中に顔を出したり出さなかったり、決断を強烈に後押ししたり。

とにかく、それらの下位自己をうまく把握し、コントロールしていきましょうってお話です。

まず、その下位自己を紹介します。
惜しむらくは、作者、明確に名付けてなくて、少しふわっとしてるところです。

1・自己防衛
2・病気回避
3・協力関係
4・地位
5・配偶者獲得
6・配偶者保持
7・親族養育

この下位自己にはそれぞれの役割があります。
書いたまんまですが(笑)

7つって多いですが、狩猟採集時代の人間の成長にあわせて発現していくイメージを考えていけば覚えやすいです。

1と2に関してですが、
まず、自身が無事に成長しないといけません。
子供時代はとにかく自分を守らないといけないし、病気を避けなきゃいけない。
あの時代、殺人率って、今の最も治安の悪い所もドン引きの高さだったようですし、一つの病気で普通に集団が滅びますしね。
とにかく大事です。

3と4に関して。
そうやって、何とか生き延びながら、さらに安全を担保するために、仲間と協力していきます。
さらにそのなかで、自分の地位を獲得していきます。
この時期、男は特にとんがっていきます。

5と6と7。
あるていど、地位を確定したら、それに合わせて配偶者をゲットし、守り、育てていきます。

こういう、狩猟採集時代の脳が強く生きているのを、下位自己ってかたちで、7つに分類して把握するのは面白いって思いました。
これが、本当に人の行動の謎を考える場合の、究極の理由を探る時に本当に便利なんです。

これをもとに、色々この本の魅力について書いていきたいです。

狩猟採集時代に適応している我々。
それがみんなが思っている以上に大変だっていつものをまず書いていきます。
今回は↓。

・書き読みより、話す方が簡単。

文字がいつ生まれたのか?ってのは、きっと諸説ありますよね。
今、話題のDeep Seekに聞いてみると、約5千年前って書いてありました。
そう。農耕文明が1万年前だから、そこが落ち着いて文字が生まれたのかもしれませんね。
そう。つまりは、文字を書いたり読んだりするのは、狩猟採集時代のシロモノではないんですよ。
つまりはこれも、そこまで遺伝子に刻み込まれていないんです。

それよりも、話す方が全然深い歴史を持ってるので、簡単なんです。

いってしまえば、話すのは歩くのと同じ。
人は、特に教えられなくても歩けますよね。
話すのも、ある程度教えますが、そこまでガッツリ教えなくても勝手にまねをして言葉を覚えていきます。

ただ、読み書きは違います。
幼稚園、小学1年のメインテーマになっていきますよね。
そこの教育にすさまじいエネルギーを注いでます。

そんなわけで、話す方が簡単・・・。
一瞬あれ?って思いました。

ほら。僕はコミュ障だし。なんなら、文章書く方が好きだったりするし・・・。

ただ、まあ確かに簡単な会話ならいくらでもできるから・・・。

きっと、コミュ障は、社会のややこしさが原因なんでしょうね。
今は、膨大な人数と、膨大な数の集団に属していかなきゃいけないですから。ただ話すだけとは別の能力なんでしょうね。コミュニケーションって…。つらい。

ちなみに、それを考えると数学なんてもってのほか。
ってのが面白かったです。

この本。図書館からなので、いつか返さなきゃなので。
少しずつ、やや細かくまとめていこうと思います。

なので、今日はこれくらいで。




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