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台湾の環境にもやさしいUXデザイン

最近グラフィックデザインからめっきりUIデザイナーに移行しつつあって、
UIのその先はUXデザインなんだな。とか思いつつ日々を過ごしていたら。
使っていた折り畳み傘が壊れて、
この傘屋のUX(ユーザーエクスペリエンス)デザインに感動したわけです。
なので、今回はこの傘屋での顧客体験をご紹介したいと思います。

と、その前に簡単に今回の顧客体験に至った経緯を説明。
その傘の名前はBig Redちょっとダサい傘屋の屋号は『雨傘王』
Big Redはおそらく傘自体のデザインラインの名前かと思います。
adidasのStan Smithみたいな。

私の購入したBig Redはグレーの折り畳み傘で、
雨傘にもなるし日除けにもなる。
重たいのが嫌で自動開閉機能は付いてないけど、
なかなか人にやさしいデザインが気に入っていました。

折り畳み傘の巻き付ける部分が使用中パタパタ動いて
人様の邪魔にならないようにマジックテープで止めておけるデザイン。
傘の先端が平らになっていて
人にぶつかってうっかに目を刺したりしないように工夫されている

こんな謙虚なデザインの傘が、
初夏の暑さにも負けず、ビル風にも負けず、
ひっくり返っても、巻き返しては
私を雨風から守ってくれていたのですが、
本格的な梅雨に入る前から柄の部分が壊れて、
傘を開いても、力尽きたように開ききらず、
閉じてしまうようになりました。
これでは台湾の梅雨が越せない。
新しい傘ではなく、この謙虚な傘を使い続けたい。
という思いで、最寄りの『雨傘王』に修理を依頼しに行ったのです。

Point 1 : 傘の修理承ります

これは台湾では比較的一般的なことなのですが、
台湾製造の手作り傘は、
壊れても、購入したお店やそのチェーン店に持っていくと
1〜2週間で修理してくれます。

Point 2 : 修理中の予備傘お渡しします

ここが今回私の買った傘屋さんの
かなり感動した顧客体験の一つなのです!

Point 1にも書いた通り、
修理は結構どのメーカーでもやってくれるのですが、
修理中は他の傘を使用しないといけないわけです。
それで傘を1本しか持っていないような人は
そのお店で修理中の間に代用できる傘を
もう1本買ったりするわけなんですが、
『雨傘王』はココが違ったのです。

修理に持っていくと、
店員さんは素早く修理伝票を記入し、
「予備の傘入りますか?」とカウンターから
何本か傘を出して選ばせてくれました。
黄色や紫の明るい色の傘ばかりを出してきたので、
元々使ってたような色のはあるかと聞いたら、
グレーの自動開閉の折り畳み傘を渡してくれました。

予備傘なので、一般の傘と混ざらないように巻き付け部分に「予備傘」と記載されている

Point 3 : 予備傘の保障金不要、壊れてもOK

予備傘を受け取った後に、
「あの、保障金はいくらですか?」と恐る恐る聞いてみると
愛想の良い店員さんは、
「使用中壊れても無くさなければ問題ないので、そのまま使ってください」
「なくならない限り費用は一切発生しません」
とゆーことで選んだ予備傘を鞄にしまった。

Point 4 : 修理完了報告はLINE

一応紙の伝票ももらっていたのだけど、
紙の伝票は無くすこともあるし、
修理後に取りにいくのを忘れるれることもある。
かといって、電話で修理完了の報告連絡をもらっても、
電話に出れないこともある。
そして現代人は電話を受けるのが嫌いという側面もある。
『雨傘王』の店員さんは予備傘と紙の伝票を手渡すと、
『雨傘王』のLINEアカウントを追加して、
私の傘の修理暗号を送るように言ってきた。

その後待つこと1ヶ月弱、
予備傘にだいぶ助けられつつ、
修理完了報告をLINEで受け取った。

その間この公式アカウントからの
執拗な広告メッセージなどは一切なし。

Point 5 : 傘骨の修理費無料

週末に傘を受け取りに行き、
修理にかかった材料費とか払うんだろうな、
と思いつつも店に入ると、
唯一の店員さんはちょうど他のお客さんを接客中。

「傘の布地が破けたとかいう場合は布のお金がかかるけど、
開閉部分に問題あるとかは無償で修理してるんですよ」
お!ってことは私のも修理費タダ?!

修理伝票を手渡すと、店員さんは中に入って
修理の済んだ傘を開いて見せ、
私にも「自分で修理状況を確認してみてください」と
傘を手渡し、問題ないことを伝えると、
「じゃあ、お持ち帰りください、ありがとうございました」
と言われた。
思わず、その場で傘を選んでいた他のお客さんに、
この店めっちゃサービス良いから、
ここの傘買った方が地球環境にも
あなたのお財布にも優しいですよ!
と宣伝したいほどだった。

この傘屋の経営の仕組みは他でも真似したら良いのにと思う。
日本の傘屋さん、いかがでしょうか?


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