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台湾のフォント事情 - 2


今回は台湾で今ホットなフォントのニュースです。
台湾では繁体字という複雑な漢字を使っていて、
簡体字と違って画数が多い分、フォントの作成に手間がかかり、
開発しても、中国や台湾国内で違法ダウンロードの文化が
あまりにも根付いている為に、
日本のようにフォントを買うという習慣がほぼ皆無です。
そのためか台湾が独自に開発したフォントシリーズはたったの5つ。
日本が3000近いフォントを作り出しているのに、その差は歴然。
ちなみに簡体字文化の中国では繁体字、簡体字含めて300シリーズ、
とそれでも台湾よりは全然種類が豊富です。

私もまだそこまで台湾のフォントには詳しくないですが、
普段使っているのは華康麗黑體というゴシックが多いです。
他の台湾のデザイナーさんも華康か
たまに日本の小塚やヒラギノを無理矢理使って、
表示されない繁体字の部分のみ、
他の台湾の書体で代用したりする人もいるみたいです。


台湾人デザイナー期待の星「金萱體」

9月8日にflying Vという台湾版kickstarterで
just fontという台湾のフォントデザイン会社が
新しい書体「金萱體」(ジンシュエンティ)を作るにあたり、
資金援助のプロジェクトを立ち上げました。
私は台湾人デザイナー友だちのフェイスブックでこのニュースを知り、
今はたくさんの台湾人デザイナー達に注目されています。

なぜ、そんなにアツイのかっていうと、
このプロジェクトの目標資金が150萬元と、
今のレートだと日本円で約555万円なのですが、
募集からわずか1時間で目標金額の150万円を達成し、
3日後の11日午後にはなんと10倍以上の資金を獲得!
ちょうど10日たった今日は目標額の1500%で
7000人以上の人たちからの援助を得ています。
私も今の仕事の給料が入ったら資金援助しようと思います。


金萱體ってどんな書体?

さてその金萱體、どんな書体かというと、
パッと見フォークみたいな感じです。
でもやっぱり見比べてみると違います。
金萱體のほうが、きちんと繁体字用に作られたフォントだけあって、
見た目にしなやかさがあります。


台湾らしさたっぷりの金萱體

ちなみに金萱體の意味ですが、
金萱茶という台湾のお茶っ葉があり、
そこから取ったものです。
そして、ウエイトの表し方がなんとも台湾人らしく、
通常ヒラギノとかでW2、W3、W6と表すところを、
金萱體は金萱3分糖、金萱5分糖、金萱7分糖と、
台湾のドリンクスタンドで、ドリンクを注文する際の
砂糖の甘さ指定のような形で表しています。
本当に台湾人らしい。。。

いつから使えるの?

どうやら去年の7月から金萱體制作を開始していたらしく、
来年の8月には金萱5分糖が使用開始できるとのこと、
そしてその翌年2017年10月には金萱3分糖、
2018年の10月に金萱7分糖が使えるらしいです。
もしご興味のある方は、以下flying Vのサイトで
サポートしてみて下さい。
サポート受付は11月6日までだそうです。

【flyingV 金萱新時代の中国語書体】
https://www.flyingv.cc/project/8250



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