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歌詞に反映される人間関係

シンガーソングライター(英: Singer-Songwriter)であったカントリー歌手のハンク・ウイリアムスは、若い頃に最初の妻、オードリーと結婚をしています。オードリーも歌手であったため、結婚当初二人で作った曲は愛に溢れた歌詞が多かったようです。その中の1曲を私たちの歌でYoutube公開しています。

"I Want To Live And Love"
「愛に生きよう」とか「愛と共に」という邦題を私は使っています。

あなたを愛し、共に生きていきたい
この星のもとで あなたは私に希望をくれた
私たちを引き離すものなどない
明るい明日に向かって 二人で生きていこう
この愛の喜びを 叫びたい
どんな困難があったとしても 
あなたと生きていきたい

実際の映像を見たことがないのですが、二人のレコーディングの声を聞く限り、
心から楽しんで、弾んでいる様子が窺えます。晩年のハンクは、離婚、そして次の妻(彼女)、身体的なトラブルから悲しい、暗い歌が多いだけに、この曲を
作って歌っていた時期は、いかに若く、情熱的に、愛し合っていたかを想像できます。歌に人生が表れている。彼はとても正直で、もしかしたら恥ずかしいということも考えず、ありのままを赤裸々に歌詞にする人だったのかもしれない。

この曲を高橋和也さんと歌う時は、ハンク物語の舞台で二人で演じたように、”愛し合っている夫婦の嬉しい心を表す”よう心がけようと、相槌や目を見合ったりと芝居していた当時のまま歌うようにしています。この間、ティアラこうとうでもこの曲を歌い、私達シティライツのバンドのアルバム「THE CITYLITES」でも収録されています。Youtubeに映像を公開していますので見てください。

残されている書籍や雑誌によると、ハンクとオードリーの離婚後の状態は、いわゆるゴシップ記事に多く取り上げられるような、お金にまつわる記事が多く、悪妻オードリーが描かれています。しかし、オードリーは息子を養わなければならない理由があったり、ハンクはすぐに次の妻と結婚したりという面もあり、ハンクの母親はオードリーに寄り添い、ハンクの他の妻(彼女)に作品の利益が渡らないよう動いていたようなので、単なる愛情やお金の離婚劇では片付けられないことが多いと推測されます。(ハンクが女性にだらしなかったという記事も多くあります。)
ハンクが生きていればまた違ったのかもしれないけれど、彼は29歳という若さで他界してしまって、二番目の妻にも子供がいて、結果、母親違いの孫が数名存在するわけで、まあ、トラブルにならないわけがないのは容易に想像できますよね。

晩年、ハンクが、二番目の妻がいるにも関わらず、愛を求め、孤独を歌ったのは最初の妻であるオードリーに向けたものだとも記事で見ました。二人の離婚の最大の理由は、当時のハンクの飲酒と薬、薬は背骨の病気からくる痛み止めということでしたが、その薬とお酒を飲み続け、その上、女性トラブルもあったそうなので、幼児を抱えたオードリーとしては仕方がなかったのか、本当は愛し合っていたのではないかと思わされます。

本当のところは誰にもわからない。でも、ハンクの切ない愛を歌った歌詞に全てが込められている気がします。ハンクも彼女が好きだった。そして晩年ハンクの横に自分のお墓をおいたオードリーも。全ての答えがそこにあるような気がします。


アラバマ州モンゴメリー郊外のオードリーとハンクの墓(Wikiより)

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