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冬の終わり、旅の雑記
部屋に迷い込んだ羽音を、逃すための窓辺。ストーブを消した匂いに、混ざるのは少しぬるい雨。あの人たちを救えたとか救えなかったとか、そんな次元にすら立てない私は、小さな小さなその音だけでも離してあげたかったんだ。それすら叶わず呆気なく殺されて、本当の暖かい風が吹く頃には忘れたことすら忘れている。
知らない人たちが知らない生活を当たり前に紡いでいることを目の当たりにした時、実感を伴った寂しさがある。私は絶対に君にはなれないし、一生かかっても君の目で世界を見ることはできない。でも、これは確かに希望であるはずで、君が君自身を生きられるようになるためのおまじない。
祈りの空間は何千年と繋がって、連綿と続く時間を見守ってきた年輪で、かろうじて今を信じられる。祈る姿が美しいのはなぜだろう。そこにあるはずの君のいちばんの心の奥底を、私は一生知らない。一心に願う想いに形はなくとも、次々と入れ替わる足音に歴史を想った。冬もそろそろ終わる。
旅行。
鳥羽に泊まって、伊勢神宮や離島に行ってきました。現像はこれからなのでiPhoneで残した写真。
知らない土地の空気を吸う時間を、忘れてはいけないと思いました。
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