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2024年読んでよかった本ベスト10

こんにちは、なつです。

「年間100冊以上の本を読もう」という目標を掲げて7年目の今年も、無事100冊以上の本を読むことが出来ました。昨年は最終日ギリギリに100冊を達成したようでしたが、今年は113冊の本を読むことが出来ました(今日あともう1冊読み終えるかもだけど)。本当に充実した毎日でした。

ということで、今年もやりますベスト10!もともと読書した本を1枚の画像にまとめる読書スケッチノートのアウトプットをしてきましたが、最近はもっぱらnotionにテキストでまとめています。そこで読んでよかった~を5点を満点に星いくつかで残しているのですが、今年の星5本は4冊ありました。そして星4本は23冊。素敵な出会いが沢山あって、本当に最高な1年だったな。

では、さっそく振り返ってみましょう!


対人支援への知見が深まった本。

Coaching A to Z (コーチングエートゥジー) 未来を変えるコーチング

最初の一冊はこちら。私はキャリアコンサルタントの国家資格を持っており、仕事は社員の入社後活躍支援ということもあり、一人一人の想いに向き合って、話を聴いて、これからについて一緒に考える、という毎日を過ごしています。
本流は「キャリアコンサルティング」なのですが、とはいえマネジメントもやってきていることもあり、「コンサルティング」だけではなく「ティーチング」や「コーチング」もすごく大事なものだよね、と整理しています。

そういう背景もあり、コーチングについては割と幅広く学んでいるのですが(今年ビジネスコーチの認定資格は取りました)、なかなかしっくりこないことも多かった概念。そんななかで出会ったのが、この本でした。
これは、めちゃくちゃよかった。

私の読書メモの一言で、この温度感伝わるかしら。

そう、なんでか泣きそうになりながら読んだんだ。

コーチングの定義。いろいろな方が定義をされていますが、この本ではその定義を「 目的・可能性・前進のストーリーをキュレートすること」としていました。キュレート。

英語の「 curate(キュレート)」という単語の語源は、ラテン語で「大切に扱う、気遣う」といった意味の名詞 cura です。確かに、大事にしたいストーリーを選び、秩序立てて物語るという行為は、自分自身や周りの人を大切に扱うことを主体的に選択する行為と言えます。また、英語の「 cure(癒す)」も、同じ語源から派生した言葉です。対話というものを、望まないストーリーに傷ついた心や、家族のナラティブに縛られている心を癒す体験として位置付ける考え方があるのもうなずけます。そして、そのような癒しの対話は、聴き手が全面的に「 curiosity(関心)」を持って臨んでこそ、可能になるのです。なんと、この言葉にも、 cura がその核心に潜んでいるではありませんか。

Coaching A to Z (コーチングエートゥジー) 未来を変えるコーチング

なるほど、キュレートか。。
この整理素敵ですよね。コーチングにご興味のある方、是非!

あえて答えを出さず、そこに踏みとどまる力 — 保留状態維持力 対人支援に活かす ネガティブ・ケイパビリティ

さて、2冊目は最近出合ったこちら。これは同じチームで働いているメンバーが紹介をしてくれた本。「ネガティブ・ケイパビリティ」という単語はもちろんインプットはしていたけれど、ちゃんと「つまりどういうこと」かは理解できていなかったと思う。この本を読んで、その概念と「つまり、どういう風に考えて行動することなのか」を知ることが出来て、とてもとても感動したので、是非お勧めしたい。

この本ではネガティブ・ケイパビリティを、下記のように整理しています。

「答え(事実、根拠)を急いで見つけようとせず、わからなさ(不確かさ、不思議さ、疑念)の中に留まっていられる力」「自分の考えや気持ちを消して、想像によって他者の中へ入っていける共感力」

対人支援に活かす ネガティブ・ケイパビリティ

この対義語が「ポジティブ・ケイパビリティ」。ポジティブ・ケイパビリティはいわゆる「いったん今見えているもので仮説を立てた上で”決めて”判断をすること」。つまり、ビジネス場面で求められるのって、こっちですよね。「判断保留」じゃなくて「決める」ほうのポジティブ・ケイパビリティ。私もこの能力はもちろん磨いてきました。

ただ、今の「対人支援の仕事」はこのポジティブ・ケイパビリティが邪魔になることもある。「目の前にいる人の、今の状態」を見立てて「この人はこういう人だ」と決めてしまうと、本当は見つめるべきだったものが、見えなくなってしまうこともある。この仕事を通じて、私は「人には歴史がある。今見えているのはその一部だけ。今の状態を見立てることは大事だけれど、一部分しか見えていないことをいつも、心にとどめておく」という姿勢と能力を磨いてきました。

そして、この本に出合って、「そうか、私が磨いてきたのは、このネガティブ・ケイパビリティだったのか」と整理することが出来ました。

自分が大切にしているスタンスを、一言でバシッと表せるようになって、またその単語をインプットができて、すごくすっきりした気持ちです。来年はこの領域のインプットをもっと増やすぞ!と思えた1冊でした。対人支援をしている方、またマネジメントや教育、子育てをしている方。心からおすすめします。是非。私は後半の10名のインタビューパートで、リアルに泣きました。

【新版】グロービスMBAリーダーシップ

さて、次は少しアプローチを変えて「リーダーシップ」についてです。もともと対人支援やマネジメントについてはインプット量も多かったのですが、そういえば「リーダーシップ」についてのインプットって、積極的にしてこなかったんです。そんな折、ひょんな仕事がきっかけでリーターシップについて学ぶことに。この本はその取り組みで取り上げた「教科書」にした1冊。

さすがグロービスシリーズ、ということもあり、リーダーシップに対しての歴史をなぞりながら丁寧に理論を説明する網羅性のある本で、たくさんのことを考えさせられました。こちらをもとに私の学びの整理をnoteに書き出してみたので、こちらも是非!

頑張って生きようと思えた本。

才能の科学 人と組織の可能性を解放し、飛躍的に成長させる方法

さて、お次は「頑張って生きよう」と思えた本の紹介です。まずはこちら、才能の科学。

他人に対して、「才能があっていいよねー」と羨ましい気持ちになることってありますよね。それは何でかというと、才能は「持って生まれたもの」と整理をされることが多いから。でも実はそれって違って。この才能って、持って生まれたものってわけじゃないんだよ、ということをいろいろな事例をもとに教えてくれる本。

じゃあ才能ってなんなの?才能があるから卓越出来るんじゃないの?っていう思いにも、明確に答えを出してくれます。そう、卓越するために必要な物、それは「練習」です。自らがやりたいと思って、真剣に取り組む「意味のある練習」。

神童は、非凡な遺伝子など持っていない。非凡な育ち方をしているのだ。彼らは誕生から青年期までの短い時期に数千時間の練習を詰めこんでいる。だからこそ世界レベルに達したのだ。

才能の科学 人と組織の可能性を解放し、飛躍的に成長させる方法

いや、本当かい!って突っ込みたい気持ちになった方、是非読んでみてください。「あーーー言い訳しないで頑張ればいいだけだなーーー」と、ある種の諦めをつけられる本です。おすすめ。

自分をいかして生きる

さて、続いてはこの本。これは最近ご入社してくださったメンバーから教えてもらった1冊。その方が「一番好きな本」と言っていたので、そりゃあもちろん手に取って読んだのですが、、これもまぁ、めちゃくちゃよかった。

これは「自分を活かすとはどういうことか」というのを丁寧に描いた本。この本の中で特に好きな一節を、ちょっとだけご紹介。

(※<自分の仕事>をどうやって見つけていくのか、という話の文脈で)
好きなことより、「大切にしたいことは?」という問いの方が、まだ有効なんじゃないかと思う。彼らにはそれぞれ間違いなく、何か大切にしているものがある。
あるいは「自分がお客さんでいられないことは?」という問いはどうだろう。(中略)
他の人がどれほど素晴らしくやっていても、その成果の享受をただ楽しめること。ほかの誰がやっていても構わずにいられる仕事は、いわば他人事の仕事と言える。

自分をいかして生きる

実は私、新卒の時の就活の第一希望って「出版業界」だったんですよね。なぜなら本が大好きだから。でもふと「私の時間を何にベットするのか」を考えたときに、せっかくなら「私がこのままだと嫌だと思える業界に、いいと思える世界を作ろうとしている企業に入ったほうがいいのでは?」と思ったんです。今の出版に対しての感情は「いい本にあふれていて、本当にその仕事をしている人に感謝している!」なんだって気づいたんだ。そうか、「自分がお客さんでいられないことは何か」という整理をしようと思うと、わかりやすいね。

あらゆる対人姿勢は「待つ/待たない(待てない)」という両端をもつ軸線上に散らばっている。そして待つことは信頼に、待たないことは怖れに由る。人間はこの二つの感覚の間で揺れている。

自分をいかして生きる

これも、めちゃよくないですか…。待つことは信頼に、待たないことは怖れに由る…。本当にその通りすぎて。

こんな風に「なんとなく思っていたこと」を「めちゃくちゃきれいに言語化してくれている本」なんです。自分にとって新しい感覚が芽生えたというよりも「私が思っていたことには、こういう言葉が似あうんだな」と思えて整理できた1冊でした。そして、自分をいかして、もっと「いい仕事をしたいな」と純粋なエネルギーをもらえました。悶々と考えがちな方は是非。感動すると思うよ。

興味の幅が広がった本。

イスラエル 人類史上最もやっかいな問題

さて、続きまして興味の幅が広がった本を2冊紹介します。はじめはこちら、『イスラエル』。です。

この本は、会社の先輩方と継続している読書会でのお題本。重いテーマになかなか一人では向き合えなかったのですが、仲間がいるとしっかりと取り組める不思議。本当に一人じゃないってありがたいな。

「知らない」ではすまされない、世界が注視する“この国”を正しく知るための入門書

Amazonより

私は日本史選択だったこともあり、世界史についてはめっぽう弱い人間で。でもここにはちゃんと向き合わなきゃ、と自分を奮い立たせながら読みました。「知らないではすまされない」って、本当にそうだよなって思って。

ただ、これを「入門書」というのはどうなんだ!さすがに詳しすぎる!そんな詳細を丁寧に教えられても、入ってこないのよ!!
ということで、まずはインターネット記事などでざっくりインプットした上で、取り組みました。結果、本当に読んでよかったと思う。私って本当に、何にも知らないんだなぁ。

さすがに恥ずかしくなって、この後世界史の教科書を買いました。もっと広く世界を知っていこうと思えたきっかけの本だったので、ベスト10にいれました。

すごくお勧めな本ですが、私と同じような歴史に詳しくない人は、先にざっくり勉強してから読もうね。ちょっと体力がいる本なので。

なぜ働いていると本が読めなくなるのか

意外と(?)天邪鬼なところもあるわたし。あまりにもバズっていたが故に、めちゃくちゃ気になるテーマでしたが直ぐには手を出さなかった本。ということで、ゆるりと「順番が来たら読もうー」と図書館で予約していた本なのですが、これはもう、本当によかった。

この本は書名の通り「なんで働いていると、無駄にソシャゲとかで時間をつぶしちゃって、本とか読めなくなっちゃうんだろうね(趣味とかに熱心に取り組めなくなっちゃうんだろうね)」というのをテーマにした本。

本を読むことというのは、幅広い知識に触れることであり、情報に触れることとは違う、と整理をしています。

■知識と情報の差異
情報=知りたいこと
知識=ノイズ+知りたいこと
※ノイズ…他社や歴史や社会の文脈

なぜ働いていると本が読めなくなるのか

現代において、自分に関係のない知識は「ノイズ」なんだって。すんごく恐ろしくてわかりやすい整理ですよね。そして最終的には世の中は全力で働いてしまうようになってしまっているから「半身で働こうよ」という提案をしています。
すごいわかりやすいけれど、そうは割り切りたくないな、抗いたいな、、と思いながら読んでいたのですが、「あとがき」を読んで一瞬で心を奪われました。

そのあとがきには、三宅さんが「なんでこんな風に整理して、こんな風にぶっとんだ提案を言い切る本を書いたのか」の「本音」を書いてくれていたんです。「それでも言い切った」背景と三宅さんの想いの強さを感じて、すごく大好きになりました。

最近本を読めていないなーつまり。昔から大好きだった趣味をないがしろにしちゃってるな。家庭よりも仕事をとっちゃってるんだよな。という気持ちが少しでもある方、心からおすすめします。是非!

心が動かされた本。

正欲

さて、最後は心が動かされた本。ここまで割とビジネス寄りの7冊でしたが、ここから3冊は小説から。まずは『正欲』から行きましょう。

この本、映画化がされたようで話題になっていましたが、私は映画は割と見ない派に近い(好きだけど、本のが好き。)ので、スルーしていましたが、確かkindleのセールをやっていたタイミングで「ずっと読みたかったやつ!」と思ってぽちった本。

で、読み終わったときの私の反応↓

うん、本当にきつかった。。

そう、本当にキツカッタの。

マジョリティというのは何かしら信念がある集団ではないのだと感じる。マジョリティ側に生まれ落ちたゆえ自分自身と向き合う機会は少なく、ただ自分がマジョリティであるということが 唯一 のアイデンティティとなる。そう考えると、特に信念がない人ほど〝自分が正しいと思う形に他人を正そうとする行為〟に行き着くというのは、むしろ自然の摂理なのかもしれない。

正欲

ねぇ、本当にキツくないですか…。
私はなんてマジョリティに染まった人間だったのかと本当に愕然とした本でした。

読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。(解説・東畑開人)

Amazonより

内容は、「ある人の事故死をきっかけに、その周辺の人たちの人生について描いた本」なのですが、いわゆる「世間一般的に普通とされている性欲とは外れた、なかなか説明しても理解してもらえない欲」についての本。
思うところはたくさんあるのですが、この「読む前の自分には戻れない」というキャッチコピー、まさにだなと思います。
特にマジョリティ側で生きてきた自覚のある人、是非。絶対読んだほうが良い。

六人の嘘つきな大学生

さて、小説1冊目が重すぎたので、次はすんばらしく素敵な読後感の物語を紹介します。こちらは「とある企業に就職したい学生たちの最終選考の様子とその後」について描いた物語。

ざくっと内容はというと…

成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッションをするというものだった。全員で内定を得るため、波多野祥吾は五人の学生と交流を深めていくが、本番直前に課題の変更が通達される。それは、「六人の中から一人の内定者を決める」こと。仲間だったはずの六人は、ひとつの席を奪い合うライバルになった。内定を賭けた議論が進む中、六通の封筒が発見される。個人名が書かれた封筒を空けると「●●は人殺し」だという告発文が入っていた。彼ら六人の嘘と罪とは。そして「犯人」の目的とは――。

Amazonより

このネーミング的に「きっと就活にありがちな嘘で固めながら他人とかかわっていく駆け引き」が描かれているんじゃないのー?と高をくくっていた私。本当に謝ったほうが良い。もう、本当にいい話でした。この本が「青春ミステリの最高傑作」と呼ばれる所以がわかったよ。。

ミステリー小説が好きな人も、青春群像劇が好きな人も、どちら側の人にも本当におすすめな1冊です。すごく素敵な読後感だから。是非読んで!

白銀の墟 玄の月 第四巻 十二国記

さて、最後の1冊はこちら。十二国記の最終巻です。
そしてこの本が、私が2024年に読んだ本の中で、一番好きで、一番思い入れのある本になりました。

実は今年の初めから「十二国記通読PJT」を一人実施していた私。その様子をTwitterではずっと呟き続けていたのですが、こんなに「どんどん面白くなるシリーズ」は初めてで、この十二国記のなかで一番好きな本がこの最終巻となりました。

長いシリーズということもあり、なかなか人には進めづらい本であることには変わりないのだけれど、小説が好き、ファンタジーが好き、国とか歴史とかが好きとか、その手の方は絶対に読んだほうが良い作品なので、是非。

このシリーズへの好きがあふれちゃって、十二国記通読PJTについてはnoteも書いたので、こちらも是非ご覧ください!

おわりに。

さー終わりました!ここまで読んでくださった方がいましたら、ありがとうございました!長くなりましたが、こちらで一区切りといたします。

今年も最高に楽しい読書体験をさせてもらいました。これらの本を世の中に出してくださった著者の皆様、翻訳してくださった方、出版社、書店及びその関係者の皆様。本当に本当にありがとうございました!

毎年この10冊を選んでまとめて、思い出を書くこのnoteに取り組むことが、私にとっては年内最後の楽しいイベントになっています。来年もたくさん楽しめるように、たくさんの本に積極的に出会いに行こうと思います。

では、ここまで読んでくださってありがとうございました!来年もどうぞよろしくお願いします!

おまけ。

今までの記事も是非!


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