コツは5つ!インタビュー原稿の文章で気をつけたいこと
あまりにも寒すぎる。違法だろ。夏野です。
早いもので2024年になりました。年始早々いろいろなことがありましたが、こういうときに大切なのは「何を言うか」じゃなくて「何を言わないか」だと思っています。小さくても、できることをやろう。
さて、今日は久々にWebライターの仕事に関するトピックです。
夏野はお世話になっているメディアさんで、SEOライターからインタビューライターに挑戦される方をサポートしているのですが、いただいた原稿に手を入れる際、「次からはこうしていただけると!」とお願いする部分がけっこう似通っているなあと感じました。
というわけで本日は、「ここに気をつけるだけで原稿がグッと良くなる」インタビュー文章のコツを5つ、お届けしたいと思います。
(1)体言止めをやめる
…というわけで、体言止めで書いてみました。いかがでしょうか。確かに歯切れが良い印象はあるのですが、全部歯切れがいい状態って、要するにブツ切れというか、流れが寸断されている文章なんですよね。
体言止めに限らず、ちょっとした修辞技巧というのは、まずベースとなる(流れの良い)文章があって、スパイスとして加えると光るタイプの技術だと思っています。おそばのつゆにわさびを入れたら美味しいですけど、わさびだけ食べるのはなかなかハードじゃないですか。
というわけで、体言止めはなるべく最小限にして「です」「ます」をしっかりつけたほうがいいですよ、という話でした。自分もやりがちなので気をつけたいです。
(これに限らず、以降のやつはぜーーーんぶ、自分がやってきた&指摘されてきたポイントです。私の血で書かれたTipsだと思って読んでください)
(2)「〜という」を削る
いや分かるんですよ。書きたくなる。でも勇気を出して削ってほしい。
たとえば以下の文章、どっちが簡潔で読みやすいですか?
おそらくですが、「という」がない(b)のほうがスムーズに見えるのではないでしょうか。(さらに言えば、「ことができます」も削りたい。この話はあとでします。)
「という」を多用してしまうのは、口語、つまりインタビューの原文に頻出するからだと思います。言い切り表現を避けて、ちょっとクッションを置く、みたいな。
でも、口頭でのお話をそのままインタビュー原稿にしてしまうと、想像以上に「〜という」だらけになります。
「という」と書きそうになったら即座に消す。どうしても「という」がないと意味不明になるときだけ残す。そのくらいの意識でいたほうが良いでしょう。
(3)「〜こともできます」は「できます」にする
↑で挙げた例を再掲します。
上記で「〜という」をなくした(b)ですが、さらに言えば、「〜ことができます」も冗長なんですよね。
これで良くないですか?
冗長な表現で文字数を増やしがちなのは、SEOライティングにおいて「1文字◯円」の報酬体系が生まれてしまったことの弊害だと考えています。
1文字3円だとして、「撒けます」なら12円、「撒くということができます」なら36円。つまり3倍にもなるわけで、そりゃ冗長な表現をなくそうとは思わないですよね。
とはいえ、インタビュー原稿は文字数が正義ではありません。読者も暇じゃないので、同じ情報量なら短くてサクッと読めるほうが良いです。「〜という」「〜ことができます」は厳しく削っていきましょう。
(4)「やる」「思う」はNG。具体的な動詞に直す
これも、口語をそのまま原稿にするとやりがちなのですが……気を抜くと、「こういうふうにやるんです」とか「〜と思いました」みたいな表現があふれがちなんですよね。
「やる」(do)、「思う」(think)は大体の動詞をカバーできるので、ラフな会話だと頻出してしまいます。これをそのまま原稿にすると、すべての語尾が「〜やる」「〜思う」ばかりになって、バリエーションに乏しい印象になってしまいます。
これを避けるには、「やる」「思う」を具体的な動詞に変えましょう。たとえば、こんな感じです。
これをこんなふうに変えたら、どうでしょうか?
(a)よりも(b)のほうが具体性が上がりましたよね。
と、偉そうに書きつつ、私は私で論文の語尾を「示唆された」まみれにしがちなので、動詞のバリエーションを増やすことは喫緊の課題です。一緒にレベルアップしていきましょう。
(5)(賛否ある?)「〜って。」は多用しない
なんかちょっと前に、「スタートアップ系のインタビュー、語尾が『〜と思って。』の文章、多くない?」みたいな書き込みをXで見た記憶があるのですが、個人的にはこの言い回しも「多用したくない表現」の一つです。
確かに、口語の雰囲気が残るので文章のシズル感は上がるのですが……。便利なのでついつい使っているうちに、「この原稿、『〜って。』ばかりだな」という印象になるんですよね。
なので、使うのであれば意識的に、「ここはもう、『〜って。』以外ないだろ!!!!!!!」という部分だけで使いましょう。なんとなくで文章を書かない。原稿は売り物です。
要するに「語尾のバリエーションを増やそう」
こうして眺めてみると、(2)「〜という」を削る、以外はすべて文章の末尾に関わるコツでした。
確かに、文章をどう終わらせるかは難しい問題です。動詞のレパートリーも必要ですし、文章全体のテンポ感を意識しながら、ここぞ!というときに修辞技巧(体言止めや「〜って。」などの変則的な表現)を使うセンスも必要になるわけで。
私自身、「これは良いなあ」という文章に出会うと、奥歯が割れるほど噛み締めながら「お前のスキル、盗んだからな!!!!!!!!!!」と阿修羅の顔をしています。ほんとね、何を食べたらそんな文章が書けるの?って人、世の中にはいっぱいいますから……。
これ以外にもコツがあればぜひ教えてください。ともに精進していきましょう。
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