オルターエゴ読書感想文4│ハーモニー
『ALTER EGO』というスマホゲームがある。このアプリに出てくる読書記録まとめ4回目。
今回読破した本
『ハーモニー』
伊藤計劃 (2014), 早川書房.
科学の進歩により病気が根絶したうえに、みんなが他人を思いやる優しさにあふれる社会で、その優しさに息苦しさを感じる3人の少女の物語。病気がなくて優しさにあふれる社会だなんて、すごく理想的な完璧な世界に見える。けれど、それは暗黙知に支配された世界で見えないルールに縛られ自由のない世界だと少女は感じていた。そんな少女の一人が本当に完璧な世界を作るために画策したラストの展開には唸らされた。
このハーモニーの作者の『虐殺器官』というのが、うっすらとハーモニーとリンクしている。かなり大きな時系列としては虐殺器官が先でハーモニーが後になっているが、どちらから先に読まないととかは特にない。けれど、ハーモニーを楽しめた人は虐殺器官も楽しめると思うので是非とも両方読んでほしい。
未読リスト
残り18冊
中島敦 (2003), 『李陵・山月記』, 新潮社.
フランツ・カフカ著 高橋義孝訳 (1952), 『変身』, 新潮社.
アンドレ・ジッド著 山内義雄訳 (1954), 『狭き門』, 新潮社.
イワン・ツルゲーネフ著 神西清訳 (1952), 『はつ恋』, 新潮社.
種田山頭火 (2000), 『草木塔』, 日本図書センター .
夏目漱石 (2004), 『坑夫』, 新潮社.
フョードル・ドストエフスキー著 江川卓訳 (1970), 『地下室の手記』, 新潮社.
アルベール・カミュ著 清水徹訳 (1969), 『シーシュポスの神話』, 新潮社.
メアリー・シェリー著 森下弓子訳 (1984), 『フランケンシュタイン』, 東京創元社.
ルイス・キャロル著 矢川澄子訳 (1994), 『不思議の国のアリス』, 新潮社.
エドガー・アラン・ポー著 阿部保訳 (1956), 『ポー詩集』, 新潮社.
飛浩隆 (2006), 『グラン・ヴァカンス』, 早川書房.
長谷敏司 (2011), 『あなたのための物語』, 早川書房.
グレッグ・イーガン著 山岸真訳 (1999), 『順列都市』, 早川書房.
円城塔 (2010), 『Self-Reference Engine』, 早川書房.
カート・ヴォネガット・ジュニア著 浅倉久志訳 (2009), 『タイタンの妖女』, 早川書房.
シオドア・スタージョン著 永井淳訳 (2006), 『夢みる宝石』, 早川書房.
宮澤伊織 (2018), 『そいねドリーマー』, 早川書房.
■その他の読書感想文はこちら
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?