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散る散るピンクのアスファルト

拝啓 出雲にっきさま

にっきちゃんこんにちは!
久しぶりすぎる更新!遅くなっちゃってすみません、、!!😭

あの頃はまだゴールが見えないほど冬だったのに、いまは夏の気配すら感じています。
この空白の期間はケーキを作ったり掌編小説を書いたり、散歩しつつも、主に引きこもり、人間生活に苦しんだりたまに順応したりしてなんとか過ごしてきました。

今年に入ってからおおよそ月一ペースでやっているケーキ作りなのですが、これがたのしいのです。
ふわふわのスポンジケーキを焼き、きれいに生クリームを塗って、つやつやのホールケーキを作れるようになることが今年のひそかな目標です。
なにを目指しているわけでもなく、ただふわふわしたスポンジが焼けたら嬉しいし、可愛いケーキを作りたいという気持ちだけでやっています。
いつかにっきちゃんにもケーキを食べてもらいたいです 🎂


そして先日は文学フリマ東京に出店しました!

お手伝いしてくださった松村早希子さんとわたし


可愛いひだりききクラブのブース


今回もたくさんの方に句集を手に取っていただけて、お客さんや出店者仲間の方たちと交流ができて、ほくほくの気持ちでイベントを終えることができました!新作の『ひだりききクラブの自由律俳句交換日記 傑作選vol.3』は内容の良さはもちろん(自画自賛!)、にっきちゃんデザインの表紙に惹かれて手に取ってくださった方も多かったです。本当に素敵な表紙すぎる…♡

みなさまからいただいた嬉しい言葉を伝えたいので早くにっきちゃんに会いたいです💌11月の文学フリマ東京はひだりききクラブ揃ってブースに立ちたいですね!


さてさて、前回のにっきちゃんの交換日記はまだまだ冬の寒さが濃く漂っている頃でした。ここで感想を書くにあたって改めて何度か読み返したけれど、きらきらやひりひりを繰り返して生きている様子が伝わってきました。どうかにっきちゃんがあたたいものに包まれていてほしいと応援したくなる一方で、同じように励まされているような気持ちにもなりました。

冬、誰にとっても冷たくてたまに寂しいけれど、弱さもやさしさも等身大な自由律俳句たちから分け合えたらいいな、にっきちゃんの句にはそんなふうに包みこんでくれるような強さとやさしさがあると思います☕️

寒すぎる冬を湯葉で包むみたいに

湯葉のやわらかさとにっきちゃんから語られる冬の言葉の質感が近く、出雲にっきの句の持ち味をたっぷりと含んだ自由律俳句だと思いました。
湯葉に包まれたいという発想はわたしからは出てこないから、この句を味わっているときはにっきちゃんの思う世界に浸れて、想像したら頭のてっぺんまで湯葉にも浸ってしまって、愉快な気持ちになれました。冬は大きなものに浸ってつつまれたいもの。
湯葉から宇宙につながっていくお話の流れもチャーミングで好きでした!

カレーになる前の匂い街は

ごはんができあがる前の匂いってわくわくします。
実家に住んでいた頃、「今日の夕飯カレーだったらいいな」と思いながら帰宅すると、キッチンに立つ母の背中から何かをぐつぐつ煮ている音と熱を感じ、覗き込むと本当にカレーを作っていたりして、以心伝心したようで嬉しかったことがあります。

カレーじゃなくて、カレーになる少し前のやさしい匂い、少し温度の高くなった部屋で夕方のテレビを観ながらカレーが出来上がるのを待っている時間。あまりに日常で、確かに幸せだったと思います。

夕方に街を歩けばどこからか、どこかしこからからか、カレーになる前みたいな匂いが漂ってきます。わたしはそれを食べられないけど、誰かが作ってる何かを嗅覚で感じ、あのときの幸せを思い出しながら、お腹を空かせて帰路に着きます。

「カレーになる前の匂い」という絶妙な瞬間・しあわせを切り取った素晴らしい一句でした。久しぶりに母のカレーが食べたくなりました🍛

天国行き目を瞑って下車すれば

目を瞑ればそこはどこでも天国、とても素敵な哲学だと思いました。
わたしたち、日常とかいつもの町とかいつもの行動とか、箱みたいな中でおんなじ生活をしているけれど、文学やごはんとか笑いとかぬくもりとか、スイッチを押せばいろんな天国が召喚できたりする。

そんな日々の中で一番簡単に天国を召喚できる方法が、目を瞑ることかもしれないです。途中下車はすごく楽しいですよ🚃


それでは、しばらく更新していなかった間に作った冬の終わり〜春の自由律俳句です💐

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・日曜午前の雨を聴き取る

・リュックのまま浅く座って揺れる


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・嬉しそうにケンカしている

・散る散るピンクのアスファルト

・ピクニックが去ったばかりの芝生の跡


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・作業着の人しか並んでいない

・蕎麦食って丼も食っている


そば/うどん + ミニ丼(カツ丼/カレー丼/親子丼) 
¥680


メニューを見て、ずるい、と思った。

わたしはミニ丼に憧れている。
ミニ丼、せいろやどんぶりの隣に並ぶ魅惑の存在である。

わたしには自分の胃袋を過信する癖があって、食べる前は「余裕でしょ」「一瞬で食べ終わりそうだな」などと思うけれど、たいていは半分くらいで満腹になり始める。あまり食べられないことはわかっているのに、食べ物を前にすると胃のキャパシティへの記憶が一瞬でリセットされてしまうのはなぜだろうか。

わたしは納豆蕎麦を注文した。あたたかい蕎麦の上にひきわりの納豆と小ネギが乗っかっていた。細い蕎麦の隙間をするすると滑り落ちてゆく納豆を絡めながら食べるのはちょっと大変だけど、麺の硬さも好みで、つゆもおいしい。

後から店に入ってきた若い男性は、天ぷら蕎麦とミニカツ丼のセットを注文していた。ずるい。

わたしはどんぶりの底に沈んだ短く切れた蕎麦をすくいながら、「あ〜、まだ全然いけたな」と思うのだった。

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・フライパンの油沈めて歪んだ世界

・冬透き通る雨の日の指先

・先輩が通り過ぎたときの風圧


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白線かわいすぎる足跡



・痺れた他人の手になってみる

・漕ぐにつれてすれ違ってたブランコ

・溶けたカケラぽっちの冬

・灯りのついた葬儀場を通り過ぎる


今年の2月は大好きなモモコグミカンパニーさんに二度、会いに行きました。BiSHの解散前の最後の特典会が全国であり、わたしは東京と仙台に足を運びました。
18〜19歳の頃のわたしにとって、BiSHとモモコグミカンパニーさんは支えで青春でした。いまは全然情報を追えていないし何年もライブやイベントに行ってないけれど、昔を振り返った時、当時好きだった気持ちが色褪せずに胸の奥から蘇ってくるのです。モモコさんが人前で活動してくれていること、言葉を大切にしていること、頑張っていることが嬉しくて、わたしの中で大きな存在でした。

仙台へは夜行バスで向かい、快活クラブで身だしなみを整え、風が強く吹く中、会場であるみやぎ夢メッセに向かいました。久しぶりのアイドルヲタクとなって屋外のチェキ待機列にじっと並んだ数時間、たぶん今シーズンでいちばん寒い思いをした気がします。わたしはチェキ会などでアイドルと話すのがすごく苦手なので、ふるふる凍えながら何を話そうかとずっと考えていました。

最後に話したのは5年くらい前だったので、忘れられていると思っていたけれど、勇気を出して名乗った時、覚えていてくれたのが泣いちゃうくらい嬉しくて、わたしは相変わらず上手く話せなくて、きっと挙動不審だったろうな、ということだけを覚えています。
わたしが眠るようにぼうっと過ごしている時も、モモコさんは確かに生きていて、すごく大きくなっていて、同じ世界でたくさんの時間が流れたことを知りました。わたしも世界もみんなもたくさん変わったけれど、モモコさんの話し方とか、立ち姿とか、話し方とかが全然変わってなくて、大好きで、生きていてよかったなあと思いました。


心を熱らせたまま、多賀城駅までたくさん歩きました。好きなアイドルがわたしと話してくれて、雪がチラついていて、駅までの道が果てしなくて、それでもわたしはドキドキしていて夢みたいでした。

仙台に移動して牛タンを食べてまた電車に乗って、相馬に泊まって翌日は鈍行で帰りました。
わたしには仙台から常磐線で海沿いをたどって東京に帰るというかねてからの夢があったので、それが叶って嬉しかったです。クロスシートに座って何もせずに景色だけを見ている時間は永遠です。

眠気が渦巻くおぼろげな視界の中、いくつものヨークベニマルが通り過ぎて行きました。

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ひだりききクラブ的一大イベントの文学フリマが終わり、今週はひといきついてのんびりしています。
最近はタイムマシーン3号のYouTubeをずっと観ています。はじめは「朝カツ」(山本に朝活しようと言って朝にカツを揚げてみた)の動画を一本観ただけだったのに、それ以来他のチャンネルを凌ぐくらいおすすめになだれ込んでくるようになり、自動再生も全く関係ないタイムマシーンが流れるので、結局タイムマシーン3号ばかり観ています。流れに逆らわない。
(寝落ちしたら履歴が知らないタイムマシーン3号で埋め尽くされていたこともあります。なぜこんなにタイムマシーン3号ばかり強めにおすすめされるのか謎です)


文学フリマの一週間前には「BOOK LOVER'S HOLIDAY」というイベントにも出店しました!ウィッチンケアさんとのコラボ書店で、こちらはにっきちゃんと一緒に出られて嬉しかったです🫶久しぶりのひだりききクラブでした!
このイベントでわたしは初めて日記集を出しました。4月の日記をまとめたものでしたが、実は4月26日くらいに日記集を作ろうと思いついたので、あまり記録してない日もあったりして日毎のボリュームにバラつきありまくりの仕上がりでした、、 なので今度はちゃんと記録した上でしっかりめの日記集も出してみたいです。作ってみたいものが多くてうれしい!

わ〜〜季節跨いでしまいましたが、こんな感じの冬・春でした🌷🌷
もう雨の季節になりかけていますが、ここからすずめ園の得意な「夏」が詠める時期なので自由律俳句もまたたくさん作っていきたいと思います。

寒暖差に振り回されつつも眠って食べて元気にいきたいですね!それではね  にっきちゃん〜🐈

すずめ園より

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『ひだりききクラブ』プロフィール

出雲にっき、すずめ園による自由律俳句ユニット。noteにて自由律俳句の交換日記、「 #ひだりききクラブの自由律俳句交換日記 」を更新している。

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