見出し画像

すっかり見慣れない最寄りの駅だった

拝啓 出雲にっき様

にっきちゃんこんにちは!

前回の交換日記を回してから、2週間があっという間でびっくりしています。

どうして夏が終わってから12月31日までって、こんなにあっという間なんでしょうか。
スーパーの入口の近くに季節のお菓子が並べられているところがあって、かき氷のシロップが置かれなくなってからの、ハロウィン、七五三、クリスマスまでの移り変わりの早さに毎年怖さを感じています…

ですが、このあっという間の期間に起こった出来事のほうが、心の中にとても色濃く残っているような気がして、個人的に秋冬の季節はとても好きだったりします。
わたしは四季のファン(?)なので、きっとこれからもたくさん季節感に左右された自由律俳句をたくさん詠んでしまうのだろうな…!

今回のにっきちゃんの句の中では、特に心に残ったのがこちらの3句でした。

ーーーーーーーーーーー

・目覚めたら恐竜になっていたい夜がありまして

・流れ星と同じ速度でねむれ寝台列車

・音の鳴らないカミナリみたいな真夏だった

ーーーーーーーーーーー

ちょうど上から4〜6句目なのですが、この3句の並びに相乗効果があるような、言葉のかたまりになって心に刺さってくる感覚でした。

恐竜の句、わたしにもそういう朝があったわけではないのですが、なんとなくにっきちゃんの気持ちを想像できるような 等身大なイメージを受けました。恐竜の句なのに、等身大ってちょっとおかしいかもしれないけれど…

「流れ星と同じ速度でねむれ寝台列車」は、にっきちゃんと会った時に新宿駅のホームで「サンライズ出雲」の話をしたことを思い出しました。出雲にも行ってみたいし、寝台列車ってとても憧れます。きっといつの日か寝台列車に乗る日にはこの句を思い出したいな。

そして、この3句の流れを締めくくる「音の鳴らないカミナリみたいな真夏だった」も好きです。
句の存在自体が、雨の降らない曇り空にピカッと光る稲妻のようでかっこいいなと思いました…!

今回もたくさん にっきちゃんらしい素敵な句を読めて幸せ…  毎週本当に楽しみです


それでは わたしの自由律俳句です!
今回のすずめ園の句は、なんとなく「学校」意識した句を考えてきました。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・あの店にはいつも秋がない

・前にいる老人の速度で歩く

・理由はなくてただ雨だから

・もらったティッシュが入ってないほうのカバンだった

画像3

ーーーーーーーーーーー

・意味のない正の字がいくつかノートの隅

・5分ごとに起こしてくる

・舞い上がるカーテン埃の匂いの記憶

・近所のおばさんの「おかえり」に悩む

ーーーーーーーーーーー

・起き抜けの殻にまた還る

薄暗い午前6時に目覚し時計が鳴って、仕方ないような気持ちで、ゆっくりと身体を起こす。

パッと立ち上がってテキパキと朝の準備をするのが理想だけど、このまま布団とずっと一緒にいたい気持ちと眠気で、どうしてもうだうだと布団にくるまってしまう。
なんとか上半身は布団から離れてみても、足元を包みこむやさしいポカポカさで、余計に別れがつらくなる。

それでも頑張って布団から抜け出して、ちゃんと外に出た。

外に出てからも、あまりの眠さに「家に帰ったら絶対すぐ布団に入ってやる…!」と強く願うのに、案外用事をしていると、すっかり朝の眠気がなくなってしまうのは人間あるあるだと思う。

用事を済ませて、夕方すぎに帰宅する。
食事と入浴を終えて、眠ろうとした時、自分が朝 布団から出た時のかたちがそのまま残っていた。

それを見て、布団すらちゃんと直さないで出かけたことを情けなく思うと同時に、自分の残した抜け殻にもう一度すっと入り込んで眠る幸せも感じる。

最近少し寒くなってきました。

ついさっきまでタオルケット1枚だったのに、薄手の毛布や掛け布団をいくつか重ねて、それでもちょっと心許ないような気持ちで眠っています。

画像2


ーーーーーーーーーーー


・なぜか自分の自転車とわかる

・ストローに透けて伝う光景

・すっかり見慣れない最寄りの駅だった

・内股気味のローファー見つめながら地上

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

今日のわたしの更新で交換日記が4周しました。

なんだか回を重ねるごとに、だんだんと生活に交換日記が馴染んできているような気がしています。
はじめのほうは、全然思いつかなかったらどうしよう…!って思っていたけれど、毎日を過ごすなかで、考えたことや感じたことを自由律俳句に落とし込むということを、前よりも自然にするようになってきました。

ちなみに、今回の自由律俳句で「学校」をこっそりテーマにしていたのは、9月といえば新学期の始まりだなと思い出したからです。

学生じゃないとハッキリした始まりを感じる機会が減るのですが、自由律俳句を考えることで、何かの始まりや学校に通っていたときの新学期の空気感を思い出せてので楽しかったです。
(個人的な感覚で思い出したので、俳句にあまり学校らしさはなかったかもしれないけど…)

そういえば、もう3ヶ月くらいお互いに本借りっぱなしですね…!

にっきちゃんに借りた本、少しずつ 何回も手にとって読んでいます。
実は貸し借りをしている間にも、読んでほしい本やおすすめしたい本が増えたので、また会ったときに本の話ができたらいいなって思いました

では また来週です!
9月最後の更新も楽しみにしてます

すずめ園より

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次回の更新は9月30日 出雲にっきちゃんの番です


『ひだりききクラブ』プロフィール

出雲にっき、すずめ園による自由律俳句ユニット。毎週水曜日にnoteにて自由律俳句の交換日記、「 #ひだりききクラブの自由律俳句交換日記 」を更新している

出雲にっき
note ( https://note.com/anone_diary )
Twitter ( https://twitter.com/nikkichan_anone )

すずめ園
note ( https://note.com/natsuno_soucho )
Twitter ( https://twitter.com/natsuno_soucho )
はてなブログ ( https://natsuno-soucho.hatenablog.com/ )


この記事が参加している募集