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道は変わらず、進み方を変える
道の進み方をしっかりと認識できているだろうか。
難しい話のようで、多分そうでもない。
しかし、僕は迷うことが多い。
目標や目的は割としっかりとしていて、こうなりたいというものがある。
しかし、そこまでの道中で何かがあると動じてしまうようだ。
今、引っ越しの準備を進めており、パートナーとは一旦離れて暮らす事となった。
要は、単身赴任のようなものだ。
そして、修行のようなものである。
もっとも、ひとりひとりになって暮らすにはたくさんの理由があるのだが、最たる理由はそこにある。
そんな修行の選択をした彼女の意志は強い。
僕は、そんな彼女の意志を一番に支える者でありたいと思っている。
しかし、一方で気付きもあった。
僕はあまりにも彼女との生活に安住していたということだ。
それは彼女との生活が厳しい物でないといけないとか、だからこそ支え合う物だとか、もっと変化を求めなければいけないとか、そういうことが言いたいのではない。
既に得た喜びを享受し過ぎたのかもしれない、という事だ。
今現在の生活に満足し、そこから嬉しいと感じられる事は、何も悪い事では無く、「足るを知る」が心の中に有ればそんな些細な事でも喜べるものだ。
しかし、それは自分の話である。
誰かによってもたらされている喜びを一方的に感じているだけでは、その誰かが嬉しいと感じるとは限らない。
特に人に尽くす事を苦に思わない人は、きっと喜びが一方的であっても満足できてしまう。
そんな風には思っていなかったけれど、どうやら僕がそうだったようなのだ。
その事実に気がついた時、僕はとても恥ずかしくなった。
それと同時に、強制的に自分の道を見直す事になった。
道と言っても、目的も目標もあるから、進む方向は変わらない。
しかし、道の進み方が変わるのは間違いない。
言ってしまえば、それだけなのだが、その事実に気が付いた時の衝撃が、僕の胸をズキズキさせて止まないのである。
きっと今まで一方的に彼女が感じて来た何かも、ここに含まれているに違いない。
だからこそ、道の進み方を変えて、それを知る修行に出るのだ。
決して崇高なものでは無いし、雲を掴むような感覚になるのかもしれないけれど、大きな意味を持っているに違いない。
臆せず進もう。
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