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辛く苦しい人へ

ちょっとだけ僕の話をしたい。

数年前まで、自分を曝け出すことは恥ずかしいことだと思っていた。

「みっともない」

「ナルシストなのではないか」

そんな言葉と共にして、一向に受け付けなかった。

SNSでも、なんなら現実でも、自分を曝け出すことはしていなかったように思う。

それがちょっとずつ変わってきたのは、ブログを書き始めた頃のことだった。

ブログを書くようになったのは、前の会社にいた時に副業を始めたことがきっかけだったのだけれど、それがこんな数年も続くことになろうとは思っていなかった。

何より、ブログの存在が僕の中で大きく変化したことに驚く。

収入のために続けていたものが、いつの間にか僕の心の内を明かす場所になっていたのだ。

僕は最初から文章を書くことが好きだったわけではない。

むしろずっと理系人間で、本を読むことは愚か、国語の成績が悪く、読書好きな親からはよく「あんた達兄弟は、誰も本を読まないからなぁ」と揶揄された。

4人男兄弟で、三男の僕は大学進学をきっかけに読書を始めて今でも読書しているけれど、他の兄弟は活字だけを読むことを趣味にしていないようだから、母と読書の話をするのはもっぱら僕の仕事だった。

大学生の当時、勉強は愚か、熱心に読書をする人は周りにはおらず、勉強にも読書にも「どうしてそれをするの?もっと面白いこともあるよ」という友人の言葉がついて来たものだ。

それでも、僕はサークルや他の遊びにはあまり興味を抱けなかった時期があり、そんな時ほど勉強にも読書にも熱を入れていた。

つまり、大学生になった辺りから活字が好きな自分が育っていて、それがたまたまブログという形でひょっこり顔を出したのが、今の生活にまで続いている。

それで一応は人並みに食えるほどになれているのだから、人生はわからないものだ。

でも、今日書きたいのは文章で食えるかどうかではない。

文章に救われたということである。

その話がしたい。

僕は、もう2ヶ月程も休養している。

結婚を考えたパートナーとの別れ、母の病気、14年一緒だった猫との別れ。

あまりに衝撃的なことが多過ぎて、心にポッカリと穴が空き、酷い時には眠れず、食欲もまったく湧かなかった。

時間が経過して、少しずつ回復していて薬を飲めば眠れるし、友人のおかげでご飯も食べられるようになった。

しかし、今でも何かにつけて過去を思い出し、その度に胸が痛み、虚無を感じる。

じっとしていると、どうしようもなく自分を責めて辛くなるので、とにかく車を運転していた時もあったし、日に照らされながらとぼとぼと歩いた時もあった。

何かをしている時には、何も考えずにいられたから、楽だった。

文章を書くことも、そのひとつだった。

僕は昨年から、エッセイともコラムともつかない自分の思いみたいなものを、ここで形にして来た。

最初は友人から勧められて始めたことだったし、それも「毎日更新する!」と自分に意地を張っただけのことだったから、こんな風に本当に自分を曝け出すことになるとは思っていなかった。

しかし、今はnoteやブログで自分を曝け出せたお陰で、フォロワーさんから暖かいお言葉をいただけるようになったのだ。

本当にありがとうございます。

何気なく続けてきた習慣ではあるけれど、そこに救いがあることに驚きを隠せなかった。

本当に続けてきて良かった。

心に感じるものを吐露することができるのは、決して恥ずかしいことではない。

それは、こんな風に文字にすることに限った話では無いし、無理に表現しろというものでもない。

僕が言いたいのは、もしかしたら辛い心をオープンにしてみるだけでも、そこに救いがあるかもしれないということだけなのだ。

友人や家族、あるいはパートナーに話を聞いてもらうだけでも良い。

顔も知らない誰かに聞いてもらうことだってできる。

たとえ、それだけでは何も現実は変わらないと知っていても、オープンに曝け出してみる価値は十分にある。

少なくとも、僕は固く閉ざす道ではなく、心を明けらかに開く道があって、ヨロヨロした足取りであっても、そちらに進んだお陰で生きている。

大袈裟かもしれないけれど、絶望せずに今生きているのは、胸の内を開けたからだ。

生きていれば、辛く苦しいこともあるだろう。

でも、生きていなければ、何も始まらないし楽しくもなければ笑うことさえできない。

だから、頼れるものは全て頼って、弱くとも弱音を吐きながら、それでも生きてさえいれば良い。

それだけで良い。

もし、今これを読んでいるあなたが、辛く苦しい思いを抱えているのなら、誰でも良いから、あなたの胸の内をオープンにしてみて欲しい。

友人でも、家族でも、パートナーでも、僕にでも誰にでも構わない。

開くことが、あなたを救うようになるはずだ。


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